歴史と文化の国 チュニジア情報 

 2001年、9年振りとなるチュニジアへ行ってきました。前回は湾岸戦争による予定外の入国。下調べもなく、また現地でも気楽に観光する気分にならず、あまり見てません。
 今回は3週間かけて、徹底的に回りました。チュニジアは「地球の歩き方」など詳しいガイドブックも出ているので、まあそれらからもれているような情報を中心に書いています。

ビザ、出入国について

 ビザは不要。観光産業は盛んで、国をあげた観光客誘致をしており出入国も非常に簡単。

通貨&両替

 通貨はディナールで、1Dが85円くらい。1Dが1000ミル。最小金額の紙幣は5D、以下はコイン。途上国の紙幣収集をしている私には5Dは痛い。
 銀行の両替レートは銀行によって差はあるが1%までくらい。レートの良いところを探しまわるのは時間の無駄。首都チュニスから離れるにしたがって若干レートが落ちる気がした。問題は再両替。出来る場所は空港と港のみ、しかも両替レシートが必要でその30%のみしか出来ない。空港には各銀行が並んでいるが夜間出発の人は要注意。同一系列の銀行のレシートが無いとだめ!
 私は陸路リビアで出国したのだが、陸路で出国するときは銀行での再両替できない。銀行で粘ったが一番近いジェルバ国際空港の銀行まで行かないとだめ…だって。
 再両替できないということは、普通に銀行で外貨が買えないという事。したがってチュニジアディナールもブラックマーケットが無ければおかしい。各ガイドブック(ロンリープラネッツさえ)そんなことは書いておらず、ずっと分らずに旅を続けていた。そして最後になって見つけた。ジェルバ島にも少しあったが、明らかだったのはベンガルダン(リビア国境)。銀行の前にオフィスを構えたリビアディナールを両替する両替屋でやっていた。$からディナールへも両替してくれ銀行より5%以上良い。まあこの程度ならチュニスから入った人が探すのは時間の無駄。

交通につい

 チュニジアはコンパクトな国で移動が楽。一日移動に終わるような事はまず無い、と思う。
主な移動手段はバス、乗合タクシー、列車。

バス…国内各地バスはかなり頻繁に走っている。街にはバスターミナルがあり、大都市はそれが行き先別に数箇所あったりする。出発時間は決まっており、ガラガラでも出るし、立ち席もOK。ガラガラで出してる事も多いせいか、途上国の標準からすると料金は高いが移動距離が短いのでさして気にはならなかった。チケットを切るのでぼる事はないと思う、つり銭をごまかされた経験あり。ガイドブックによればヨーロッパ並の良いバスのはずが、私が乗る限りぼろいバスが多かった。長距離には良いバスを使ってるのかもしれない。細かく旅したので長距離は良く知らない。

乗合タクシー…西アジアからアフリカでは一般的な乗合タクシー。ここもプジョーのバン、設計定員7人(運ちゃん含む)の車が良く使われている。このタイプの車だと一般には客6人の席に9人詰め込むという国が多い。なのにこの国は6人の席に5人が満席。一つ空いた状態が満席とされていて非常に楽に移動できる。料金は当然他国に比べ高めだかこれでは仕方なかろう。私としては詰めてもらって安い方が良いのだが…。

列車…本数は多くないが使いやすいので旅行者の利用は多い。それほど遅れはしない。ヨーロッパ南部並?バスより速い。

その他…タタウィンくらい田舎に行けば小型トラック改造型の乗合トラックも走っている。

宿について

 基本的にチュニスなどの都市を除けば、数が少なく選択の余地は少ない。YHがやはり一番安いと思うが、ジェルバでしか泊まっていない。リストを見る限り、旅人が訪れそうな町にはまずあるが、あまり歩いていて見かけたりはしない。
 安宿にはシャワー代金が別のところもある。しかし、91年よりはシャワー代が下がり、リーズナブル。チュニスはガイドブックに書いてある安宿街(メディナの入口付近とメディナの東)はどこも値段を考えると高かった。メディナの南・Bab jedid周辺に安くて質の良いホテルが集中している。

言葉につい

 アラビア語の国だが、旧フランス領の観光国なのでフランス語ができれば事足りる。主な観光地では英語のできる人も多かった。

食べ物

 私は国民食であるクスクスが非常に好きなので問題なかったが、もしこれが苦手となると辛いかもしれない。フランス語圏の例に漏れずパンが美味く、サンドイッチも良く食べた。ジェルバ島は食事の質が良く、さすがはリゾート。

飲み物

 フランス風のカフェがやたらとあり、美味いカフェオーレが飲める。0.21D(20円)と定価が全国で決まっており、ツーリスティックな所や南部の一部を除いてぼっては来ない。ブッラックコーヒーも同じ値段。エスプレッソなどは高い。
 酒は禁止ではないがイスラム国なので特殊。ツーリスト用レストランでは美味い国産ワインやビールが安く飲める。町にはレストランバーと呼ばれる地元民用の飲み屋もあるが、客は男ばかりでやかましく、ゆっくり飲める雰囲気にはない。大きな町には酒屋もあるが、分かりにくい場所となっている。聞いても発見困難。チュニスとスース−は大きなスーパーにあったから良いが他は…。タタウィンのように大きな町でもないところもある。

 チュニジアは遺跡や砂漠、メッディナなど見所は盛りだくさん。手軽に色々見れて面白いが、いずれも周辺諸国にもあるような物ではある。しかし、南部のタタウィンやマトマタなどにある不思議な形をした住居や倉庫は独特でこの世のものとは思えない。スターウォーズの撮影に使われたというが当然という気がする。

遺跡・・世界文化遺産が7ヶ所もある。世界史に出てくるカルタゴは一番有名であるが、カルタゴ文明が滅ぼされた後のローマ時代の遺跡がほとんどなのでイマイチしょぼい気もする。まあ首都チュニスからすぐで簡単に行けるので行っておいて損はない。ドゥッガの遺跡が私は一番気に入った。エルジェムの円形闘技場やスベイトラ、ブラレジアなどのローマ時代の遺跡はどこも素晴らしい。チュニスやスース、ケルアンにイスラム化してからのだが遺跡となった建物も多い。しかし、感想を言えば…たいしたものはなし。やはり、メディナの面白さは古い建物より、現在の迷路となった“スーク”でしょう。

砂漠・・トズールやドゥーズといった町から砂漠ツアーがたくさん出ている。ドゥーズからの方が砂漠に近い分安めであるが、私が行く気になるにはちと高い。まあサハラが初めてなら値段なんて関係ないけど。ケチって自力で行ったが、容易に行けた。ガイドブック類(ロンプラ・歩き方・ハンドブック)では自分では行けないように書いてあったが、全然そんな事はない。一番良かったのはドゥ−ズからバスやミニバスで行けるサブリーヤの近く。

マトマタ・・地面に穴を掘って作った住居群。中庭が作ってあり地上からそれを見降ろせる。はっきりいってすごい。スターウォーズの撮影に使われた場所がホテルで、しかも一番安い。昼間に観光バスで押し寄せるツアー客から儲けているので、宿泊者に対する扱いは最低だが、一度は泊まる価値のあるホテルだ。

タタゥイン周辺・・クサールと呼ばれるベルベルの倉庫&住居跡が非常に面白い。各地に残っており、車をチャーターして回るのが普通。ガイドブックにはバスがないとあり、ツーリストインフォメーションにもバスはないと言われたが、ほとんどどこでも充分頻繁にミニバスなどが走っている。ガイドブックの取材の人って、インフォメーションを信用するんですよね。

感想

 期待以上におもしろい国。前回、時間があったのになぜどこも行かなかったのだろう。アラブ世界なのにケルアン周辺以外はぼったくりもなく、旅行は非常にしやすい国。アラブでは最も旅が容易な国でしょう。欧州のついでにでも来れる!

記MAR00

Top Page,フレーム復帰