旅して » 旅記録 »

12冊のパスポート

pass

現在、私のパスポートは12冊目。初めて海外に出てから40年弱、5年づつ使えれば8冊目で済んでいるはずが、12冊目。1冊のパスポートでどのくらい旅が出来るのかを、調べてみた。

NO.1 発行日 84年2月27日 受領地 東京(有楽町) 増補 86年12月 場所 浦和
渡航回数 17回 訪問国数 38 寿命4年6ヶ月
この頃はまだ赤いパスポート。全24ページ、そのうち査証用は16ページ。有効期限前にページがなくなると、増補といって、ページ数の追加が出来る。追加ページは24ページでした。つまり、増補をすると普通のパスポート2冊半分のページが使えるようになる。
このパスポートは、無事有効期限を全う。とはいうものの、国によって「残り有効期限6ヵ月以上」などと規則があり、寿命は4年半で終了。
NO.2 発行日 88年9月2日 受領地 大宮 増補 90年6月 場所 大宮
渡航回数 15.5回 訪問国数 57 寿命2年9ヶ月
ビザの必要なアフリカ諸国をめぐるとパスポートのページは一気に消費されていく。2冊目は有効期限が切れる前の旅行中、増補したページもなくなった。増補は1度しか出来ず、次は新しくパスポートを取り直すしかない。
旅行中なら日本大使館(領事館)で出来る。混雑がないため日本で取得するより簡単で、しかも非常に早い。
NO.3 発行日 91年7月9日 受領地 ジンバブエ・ハラレ 増補 91年10月 場所 ザイール・キンシャサ
渡航回数 -回 訪問国数 21 寿命 5ヶ月
アフリカの旅を続けていると新規パスポートも3ヶ月でページが埋まり、増補。しかし、このパスポートは恥ずかしながら、盗難に遭いました(イタリアの夜行列車)。増補したページの半分以上も余白を残し、一度も日本に帰ることなく、次のパスポートとなった。
NO.4 発行日(同上) 再発給日 91年12月11日 受領地 イタリア・ローマ 増補 92年7月 場所 トリニダードトバコ・ポートオブスペイン
渡航回数 2回 訪問国数 51 寿命 1年10ヶ月
盗難に遭った時の新パスポートは、新規発行か再発行かを選べる。再発行の有効期限は元のパスポートと同じだが、料金は少し安い。形やサイズは同じ。
貧乏な長期旅行者は、ページがなくなると、偽の盗難届を出したり、水をかけて使えなくして、再発行依頼をしたりすると聞く。理由はもちろん安いから。ページがなくなったという理由での再発給を、国が拒むのは何故だろう?
アフリカだけでなく、中南米やアジアでもこのころはほとんどビザが必要で、パスポートの余白は順調に減ってゆく。結局2年待たずに、増補ページまでほぼ埋まって新規パスポートとなった。
NO.5 発行日 93年10月14日 受領地 ポーランド・ワルシャワ 増補 94年4月 場所 イエメン・サナー
渡航回数 1.5回 訪問国数 50 寿命 2年5ヶ月
このパスポートから、現在と同じ小型の青パスポート。標準ページは32ページに増え、ビザ用は26ページ。この10ページ増は、非常に助かる。紙のサイズが小さくなったことを考えても、16から26は50%アップに等しい。料金の2割アップなんて目じゃないのだ。増補のページ数は以前と同じ24ページ、紙が小さくなった分、価値が下がった・・・。
10ページ増えたおかげか、4冊目よりは少し長く、パスポートが埋まるまでにほぼ2年半要した。
NO.6 発行日 96年3月7日 受領地 神戸 増補 96年10月 場所 ガーナ・アクラ
渡航回数 0.5回 訪問国数 52 寿命 1年5ヶ月
盗難にあったNo.3を除けば最短の寿命。アフリカにいるとビザでどんどんページが埋まる。でも以前に比べればビザ以外に押される入域許可のようなスタンプが減ったので進み方は少ない。
NO.7 発行日 97年8月22日 受領地 ケニア・ナイロビ 増補 98年8月 場所 タイ・バンコク
渡航回数5回 訪問国数 50 寿命 4年7ヶ月
NO.1に続いてほぼ寿命を全うした2冊目のパスポート。でも今回も有効期限の問題よりページ数不足での更新となった。
NO.8 発行日 02年3月16日 受領地 セネガル・ダカール 増補 02年8月 場所 イラン・テヘラン
渡航回数1.5回 訪問国数 22 寿命 5年
増補のページが24ページから32ページに増えていた。今回は旅を少し休止したこともあり、かなりのページを残し寿命をまっとう。
NO.9 発行日 07年4月13日 受領地 神戸 増補 08年2月 場所 カメルーン・ヤウンデ
渡航回数0.5回 訪問国数 76 寿命 1年5ヶ月
IC旅券となった。分厚くなって扱いがめんどうそう・・・。日本発行のパスポートはやはり良いな。アフリカに行くのでまた寿命までにページが埋まるだろうと今回も5年パスポートにする。
以前よりもページが多いだけあって、最も訪問国の多いパスポートとなったが、アフリカ再訪問でページ消費はスピードが速く、No.6を上回る短命に終わった。増補ページは40ページとさらに増えた。
NO.10 発行日 08年9月16日 受領地 ジンバブエ・ハラレ 増補 08年9月 場所 ジンバブエ・ハラレ
渡航回数-回 訪問国数 134 寿命 2年2ヶ月
史上最高のインフレにより、現地通貨払いのパスポート代金は1円以下に。5年パスポートも10年パスポートも1円以下、増補代を足しても1円以下ということで、初の10年パスポートに、そして増補も同時にした。分厚い・・・。アフリカももう終わりだからさすがにもうページ不足にならないのではと期待したが、ダメでした。
機械が在外大使館にも行き渡ったようで、アフリカでとっても日本発行と同様に熱転写の写真で、ICパスポート。
NO.11 発行日 2010年11月1日 受領地 ミャンマー・ヤンゴン 増補 2017年12月 場所 益田
渡航回数17.5回 訪問国数 47 寿命 10年
上記の分厚いパスポートも短い寿命であったが、もう長旅はしないので、こんどこそページは大丈夫なはず。思い切って初めての10年パスポートにした。今回も値段が安いので有名な国での更新だが、増補せず。しかし1年経ってない時点でもう50ページのうち3分の2を使ってしまった。増補しておくべきだった。
2017年末、残ページがなくなったのでついに日本で増補。地方都市でもパスポート関係の手続きができるようになったのは良いが、実際には受け付けているだけで、実務は県のパスポートセンターで行われている。そのため、海外の大使館なら1時間もあれば終わる増補に1週間もかかる。益田市で増補する人はまずいないので仕方ないが、係りが受付方法さえ分からず受付だけで1時間近く~。値段も2500円。ミャンマーでやっていれば…。ただ、2重レートは廃止され、今はミャンマーでもジンバブエでも日本で作るのとほぼ同じ値段だ。
2020年4月、新型コロナウイルスのおかげで6月の旅は消えた。もともとその後は残存期間の問題で次のパスポートの予定だったので、このパスポートでの旅はもう無理だ。ということで、渡航回数と訪問国数を半年期限を残して数える。No1,2をしのいで渡航回数は最多となったが、これは10年パスポートにしたため。今年はもう旅は出来ないと考え、寿命は10年とする。
NO.12 発行日 2022年9月7日 受領地 益田
渡航回数1回 訪問国数 8 寿命 - 年
新型コロナ流行も2年我慢すればまた旅に出られるという期待通りに、世界各国は規制緩和を始めた。規制緩和が日本では遅れたが、2年半経ってようやく旅行の環境が戻ってきたので新たなパスポートを取得する。これが最後のパスポートになるかも~。

私のパスポートは、長らく5年を待たず更新を繰り返されてきた。問題はページ数。イミグレーションでは、いつもスタンプを押す位置が気になり、交渉を繰り返す。つめて押してもらい、出来るだけ有効にページを使いたいからだ。このようなばかげた苦労をなくすため、ページをもっと増やして欲しい。せめて増補ページだけでも良いから、もっと増やして欲しい。技術的な問題から増補は1度と聞くが、それなら増補時のページ数を選択制にして欲しい。このように99年に書いていたら、いつのまにやら増補のページ数が増えていた!
パスポートの更新は金の問題だけではなく、日本大使館がある国しか出来ないというのも苦労の種、なるべくせずに済むようなシステムに改善して欲しい。
どこの日本大使館でもパスポートを作れるものだと思っていたら、東チモールの日本大使館では、出来なかった。他にも出来ない場所はあるのだろうか? ビックリ! ここの大使館は対応も最悪。2002年12月の話。
近年はビザ不要な国が増え、日本などスタンプさえ押さない国も増えた。パスポートを余白を気にせずとも期限まで使うのは容易になったとは思うが、増補システムは廃止される。