2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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イラン>2009年02月21日(Sat)
シラーズ→マーブダシュト→ペルセポリス→シラーズ
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■イランの新婚さんち
ふとバスの中で知り合ったサイードとファリボ。あったかハートをもつ2人の家に招かれたことは、いろいろな意味で良いことづくめでした。

奥さんファリボは、家の中でも頭にスカーフを巻いています。来客である私たちがいるからでしょう、他人に髪を見せないというイスラムの規律をごく普通に守っています。

就寝が2時半という遅い時間で、2人は寝室、私たちはリビングに布団を敷いてもらって寝ました。朝4時すぎ、2人の部屋からゴソゴソと音がしたのに気づきました。イスラム5行(5つの義務)の1つであるナマズ(1日5回のお祈り、アラブ圏ではサラートと呼ばれる)です。5回のお祈りの最初の1つは夜明け前に行わなければならず、2人はどんなに疲れていてもこれを守っているのだということがよく分かりました。

実はね、イランでは首都テヘランTehranでも一般家庭に滞在したのですが、テヘランの町中および家の中では、ガッカリ続きの連続。法律でスカーフ着用が義務付けられているので、町中の女性は全員がスカーフをしていますが。おしゃれに前髪を出し、頭部もぎりぎりまで露出しようとしています。イスラムの教えでは他人に髪や肌(顔や手を除く)を見せてはならないことになっているにも関わらず、パンプス履き -つまり足の甲をおしゃれに見せている- の女性が時折目につきました。20年前だったら速攻逮捕されてしまうところですね。

イランの、1979年のイスラム革命とその後をご存知でしょうか。それまで、欧米化指向およびアメリカ支援により近代的発展を遂げたイランでは、女性はマリリンモンロー風? の髪型をし、ミニスカートで町を闊歩していたといいます。博物館展示写真からそれを確認することもできます。イスラム教は近代発展の邪魔であるという皇帝派と、イスラム法学者であるホメイニを支持する革命派が戦闘し、そして革命派が政権を奪取、一転して反米、反西欧、イスラム至上主義という国が生まれたのです。しかし、強制的に髪や肌を隠さなければならないことに反発する女性たち(そりゃあそれまでミニスカマリリンだったのだから気持ちは分かりますけど・・・)は、ときに反発の姿勢から自分のファッションを守り、そして女性も多く逮捕されたそうです。

ステイしている家にきた若い女性は、家の中でスカーフをしないどころか、何人もの男性がいる場所で“ヘソ出し露出ルック”で堂々としていましたし、またその家で見たすべてのイラン人は、ナマズ(イスラム教徒のお祈り)など一切していません。どこからどう見ても、「いやいややってるイスラム教徒、形だけやってればいいや」感でいっぱいだったんですよね。

もしそれを見ただけで終わっていたら、「イラン・イスラム共和国」を国名とするこの国でも、国民の意識は反イスラムとばかりの印象を持っていたことでしょう。

でも、昨日今日と、敬虔なる2人の暮らし方を見せてもらえたことで、「この国にもイスラムの信仰を基本として生きる人がいるんだ」ということが分かり、テヘランでの嫌な気分と体験が、すっと消えていくような思いをしました。

■世界遺産ペルセポリスへ
サイードとファリボと4人で手作りの朝食を摂ったら、2人は私たちをシラーズ中心部まで送ってくれました。宿を決め、荷物を置いたら、ペルセポリスPersepolisへ観光に行きましょう♪

アケメネス朝・・・大昔ですね。紀元前4~3世紀にかけて繁栄したペルシア帝国の首都がペルセポリスでした。アレクサンドロス大王によって破壊されてから2000年以上も廃墟のまま。でもだからこそ、素晴らしい遺構が今も多く残されており、世界遺産にも登録されているところです。

ペルセポリス

あづさは、列柱石遺跡が大好きです。壮大な石の柱が何本も連立する遺跡はとてもかっこいい。ペルセポリスはこの世界旅で初めて見る石柱遺跡なのです。もちろん、このまま中東の旅が続けば、レバノンのバールベック遺跡、ルクソールのカルナック神殿、シリアのパルミラ遺跡などなど、たくさんの列柱石遺跡を見ていけるとは思うのですが、この旅初めての壮大な石柱群は、感動的だったな♪

ちなみに今日も曇天、しかも観光中に濃霧、続いて雨が降ってきたので、夕方早い時間にシラーズの町へ戻りました。シラーズでは雨は降っていなかったので、ハーフェズ廟を観光し、バザールで羊肉や野菜を買って宿に戻りました。
本日の旅
行動 :シラーズ観光、ペルセポリス観光
朝食 :ナン(薄パン)、バーダム(アンズの種)、はちみつ、あんずジャム、プレーンオムレツ、チャイ(イランの紅茶)/イランの新婚さんち
昼食 :ナン、キャバブ(肉の串焼き、今日はジギャール(レバー)、チェンジェ(肉の赤身)、ペプシ/マーブダシュトの食堂
夕食 :マトンステーキ、ラディッシュサラダ、ラディッシュの葉とネギのソテー、ナン/宿
宿泊 :メーマンパジールバナフシェMEHMAN PAZIR BANAFSHE

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旅情報
1リアル=0.0111円

*ペルセポリスへの行き方
拠点はシラーズの町。キャランディッシュバスターミナルにあるミニバス乗り場から、マーブダシュト行きミニバスに乗る。1人4000リアル、所要50分。下車したところから10分ほど歩いたところにシェアタク乗り場があり、そこからペルセポリスまで20分、1人7500リアルから料金交渉しても下がらなかった。
キャランディッシュバスターミナルから乗り合いタクシーも出ている。
ペルセポリス入場は5000リアル。内部博物館は別途3000リアル。