2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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エチオピア>2008年12月19日(Fri)
トゥルミ→ディマカ→カイアファール→ジンカ
:: 旅589日め : 世界旅86ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ106ヶ国め ::

■トゥルミからの脱出ミッション
今いるトゥルミTurmiの町は、店も商店も少なくしょぼく、町としてはかなり寂しいところです。今日は朝から、トゥルミから脱出するための車探しに徹しました。今日は風が強いので、屋外で車を待っていると、私たちにどんどん砂がかぶっていきます。

ディマカDimeka行きの小さなトラックがあり、地元の人がたくさん乗り込んでいました。ディマカは近すぎる、私たちはできれば幹線道路に出るために、カイアファールKey AfarかジンカJinkaに行きたいと、私たちは別の車を待ちました。

でも、そのディマカ行きの一台が行ってしまったあと、何時間も車は通りませんでした。

やがて「ジンカジンカ」と呼び込むトラック登場。早速に料金を聞くと、1人100ブルという高額を要求してきます。地元の人は30ブルくらい? を払っている様子だったのですが、私たちの場合は値下げ交渉も効きません。地元の人によると、この地域ではトラックは外国人を乗せてはならないことになっているらしく、規則を破るのだから料金は高くなるのは当然だと言います。検問で賄賂でも渡すのでしょうか?

オモラテOmorateでもトゥルミでも、同じ理由なのですね・・・。ドライバーは「パーミッションがない、途中に検問ポリスがいる」と、本当に私たちを乗せるのが嫌そうでした。最初は値下げを頑張る私たちを拒否しているのかと思いましたが、「もうその値段でいいから乗せてよ」って言っても乗せてくれなかったので、単なるボッタクリというだけではないのでしょう。

ともあれそうやって今日1台しかないだろうジンカ行きを逃してしまった私たちです。今日のトゥルミからの脱出は、絶望視。

ジンカ方面からやってきたトラックに、声をかけました。まさかジンカには戻らないよねぇと思いつつも、ダメモトでのトライです。「私たちはジンカに行きたいのですが、ジンカに行きますか?」の問いに対し、答えは「今日はここ(トゥルミ)にいる」というもの。そっかー、残念。ドライバーはあまり英語が話せない感じだったので、助手席にいたおじさんに、あづさは今日の顛末を説明し、おじさんの泊まる宿だけ聞いてお別れしました。

「あーあ、今日は、トゥルミから出られないね・・・」

今日の顛末はショックでした。名の知れたトゥルミにいるのに町から出られないのです。公共の移動手段がないからこそ地元の人は皆トラックに便乗して移動するのに、外国人だけその移動が禁止されるというのが、ちょっときつかった。最後の綱だった、ジンカ行きのトラックに乗車拒否されたことで、かなりショックで、私たちは2人、道端に座り込んでしまいました。


  ガタンガタンガタン (←トラック徐行の音)

  プッスン (←トラック停車の音)

  「ディマカ」 (←ドライバーの声)


  「!!」


さっき、あづさがダメもとでおじさんに相談したトラックだ!! ドライバーだけが乗っていて、私たちをディマカに連れていってくれるというのです!! 本当に本当に嬉しい・・・。「トゥルミから脱出できる!!!」 と、私たちは、キャビン(運転席と助手席があるスペース)に乗り込みました。

トゥルミからディマカへの道は、道が平らにならされ、あとはアスファルトを敷くだけのところまで、きれいに整備されていました。車はその脇道を通ります。途中集落などは見かけられず、最初の集落がディマカの町。そこまでの道中には、カロ族の男性がぽつんぽつんと歩いていました。

ディマカに着いてドライバーのおじさんとお別れしたら、なんとすぐジンカ行きのトラックを見つけました。ドライバーはやはり地元民より高い料金を言ってきますが、値下げもしてくれたので、その料金を受け入れて私たちはトラック荷台に乗りました。荷台にはファンタやビールの空き瓶がいっぱい。ディマカから先の道はでこぼこで、空き瓶の上に座って大揺れというのはかなりお尻が痛かった。でも景色が良いので、時折荷台で立って、写真も頑張って撮りましたよ。道中は、ちらほらとバンナ族の姿をみかけました。

カイアファール付近

2時間弱、大揺れに揺られてカイアファールKey Afar着。カイは赤、アファールは土壌という意味で、確かに赤土が目立つところです。ジンカまでのルートとしては、カイアファールの町の中心部を左折してジンカに向かうのですが、どうやらカイアファール中心部には検問ポリスがいるようです。外国人である私たちはその地点を通過できないと、カイアファールの中心部より手前でトラックから降ろされ、裏道を歩かさせられ、町の出口へと案内されました。

ジンカにようやく着いたと思ったら、私たちは町に入る直前で強制下車。町の中心近くに着くまでに1時間も歩かさせられたのだから、普段の移動でこの仕打ちだったら怒り出しているところですよね。でも、外国人乗車禁止という訳分からないルールの中、それでも1日でジンカに着いた幸運には感謝しなければね。

ジンカの町。着いたときはもう日没後でした。薄暗い町には街灯がいっぱいあり、ここにはバスターミナルもあります。普通に移動できるところ、そう、外界と道がつながっているところまでやってきたんです。

和人は「やっと外界と道がつながった」と言っていました。あづさも本当にその通りだと思いました。

地元の少年に案内してもらったタッジベット(タッジという伝統酒を出す酒場)で、何回も乾杯したよ。
「道がつながったーーー! おめでとう!」って。

ウガンダのグルGuluからジンカまで、ホント、挑戦の道を、進んできました。でももうこんなこと、しません。ジンカから先も、普通にバスに乗って首都アディスアベバAddis Abebaを目指すだけです。

ここまでの道は冒険心でいっぱいだった。道なき道を行く未知なる道は本当に素晴らしかった。だから今、気持ちはいっぱい満ちています。
本日の旅
行動 :トゥルミからジンカへ移動
朝食 :マンゴー/トゥルミの路上、インジェラ(テフ粉の酸っぱいクレープ)、カイワット(レンズ豆の赤いスパイス煮込み)、アリチャ(大きく切ったじゃがいもの黄色い煮込み)、コーヒー/トゥルミの食堂
昼食 :インジェラ、バイヤイナト(カイワット(レンズ豆の赤い煮込み)、シュロワット(挽き豆の煮込み)、アリチャ(じゃがいもの黄色い煮込み)、ゆでビーツ、ゆでキャベツ、リゾット、トマトサラダの盛り合わせ)/カイアファールの食堂
夕食 :インジェラ、バイヤイナト(カイワット、ゴメン(青菜ソテー)2種、ゆでにんじん&ゆでじゃが、ゆでキャベツの盛り合わせ)/ジンカの食堂
宿泊 :カナアンゲストハウスKenean Guest House

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旅情報
1ブル=10.5円

*トゥルミからジンカへの移動
カイアファールより西部には公共のトランスポートはない。したがって、トゥルミやオモラテにツアーカー以外で行くためには、ヒッチローリー(トラックのヒッチハイク)が必要となる。しかしこのエチオピア南西部では、トラックは外国人を乗せてはいけないことになっているらしく、「パーミット(許可)がない」と、ことごとく乗車を拒否される。乗せてくれる場合でも、地元民の何倍ものお金を要求される。途中カイアファールの町では、町中心部(ジンカ方面、コンソ方面、トゥルミ方面の3つの道路が合流する)に検問ポリスがいるらしく、私たちは町中心部から外れたところから中心部を外すように歩かさせられた。そしてジンカの町の入り口にも検問ポリスがいるらしく、私たちはジンカの町より徒歩1時間近くも手前で強制下車させられている。