2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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キューバ>2009年07月24日(Fri)
シエンフエゴス→カウナオ→シエンフエゴス
:: 旅806日め : 世界旅133ヶ国め : 和人222ヶ国め : あづさ150ヶ国め ::

■郊外散策
そうだ、今日は最初に、「キューバ人と水」について書いてみましょう。都市では「飲める水」が水道として供給されていますが、よく断水しがちです。何より暑いキューバの気候では、冷たい水は人々にとっても大事です。今回お世話になってきたすべての家庭で、冷凍庫には1.5リットルのペットボトルに水を入れて凍らせておき、1本ずつ冷蔵庫に移して、常に冷水を確保しています。

どの家でも、冷凍庫を開けると必ず数本のペットボトルに水が凍っているので、キューバ人の大事な習慣になっているのだろうと思いました。そしてどの家でもその水を分けてもらえるのが、実にありがたいです。日本に帰っても冷水確保、やってみようかな!

さて、昨夜から断水しているため、今は飲み水はあってもシャワーを浴びる水がありません。今日も日差しカンカンで暑いので、午前中はおでかけはちょっとだけにして、扇風機のあたる部屋で過ごしました。

昼食は、昨夜食べて美味しかった「パラダレス」(食堂)へ。今日のメインディッシュはビステク(薄肉のステーキ)でした♪ このパラダレスのおばちゃんは、「ティピコクバーナ」と嬉しいことを言って、あづさにごはんを出してくれるのですね。「Tipico cubana」とは「キューバ伝統料理」という意味です。ただ、ここは闇営業の食堂だけあって、あづさのメモにここの地図が書いてあるのを見て「他の人に教えちゃだめよ」とも言いました。

「今日は、ちょっと郊外に行ってみようかな。」

シエンフエゴスCienffuegosでは、庶民の足として馬車(乗り合い馬車)が発達しています。なかなか興味ありますよね。午後私たちは馬車の乗り場へ行ってみましたが、午前中の雰囲気(客が少なくて馬車が客引きをする)とはうってかわって、馬車がなかなか来ず乗り場には人だかり。うーんこれではいつになっても乗れないわと、私たちは市バスで郊外へ行くことにしました。でも市バスに乗るにもかなり待ってしまいました。

さて、市バスでいったん終点まで行き、そのまま折り返すバスに乗って、見知らぬ田舎町で途中下車しました。カウナオKaunaoという、カンポ(畑)が広がるのどかなところです。チェ・ゲバラの肖像なども見かけず、都会とは違って、本当にのどかな田舎という感じ。こういうところ、好きですね。しばらく小路をお散歩していたら、地元のおばちゃんが冷蔵庫から冷水(冒頭に書いた1.5リットルペットボトルの半解凍)を持ってきてくれ、ごちそううしてくれました。何しろ今日も猛暑の1日ですから、いつ飲んでも冷たい水が美味しく感じます。おばちゃんありがとう♪

今日一番面白かったのは、配給手帳を持った人々が集まる商店でした。手帳に記載されている物品(米、油、その他いろいろ)がどんと置かれて、人々は配給価格(ほとんどタダみたいな価格)でそれを得に来ているのです。おそらくキューバの底辺を見る光景ですが、「外国人お断り」だとか「見ちゃだめ」だとかいった雰囲気はみじんもなく、あづさが興味深そうに見ていても、店のおじさんはたんたんと米を計り売りし続けますし、お客はあづさの存在に気づかないか、気づいたら愛想良い顔をしてくれます。

配給

その店のカウンターに白い大きなバケツがあって、よく観察してみたら、配給用のラム酒でした。値段を聞いたらあまりに安い! ラム酒はスペイン語でロン(ron)と呼ばれる、サトウキビの汁から作られる蒸留酒です。キューバの特産品の1つでもあります。普通700mLで57ペソ(285円)するところ、配給用ラム酒なら、配給手帳非所持の価格で25ペソ(125円)なのですね。すごーい、半額以下だ・・・。多分、配給手帳価格だったら実にタダみたいな安値なのでしょうね。

手持ちのペットボトルがあったので、500mL分だけ買って、私たちはほんわり嬉しくなってシエンフエゴスへ帰ったのでした。

キューバの旅は、三重通貨構造が頭に入っていなくて苦しいこともあるけれど、その構造を紐解く瞬間に出会えると、まるでまた1つ謎解きが進んだかのような、小さな達成感に似た感覚を得ることもあります。後者は、他の国では味わえない、キューバの旅の魅力なのだろうと思います。
本日の旅
行動 :シエンフエゴス観光、カウナオ日帰り観光
朝食 :パン/部屋
昼食 :Arroz Congris(アロースコングリス、黒豆ごはん)、arroz blanco(アロースブランコ、白いごはん)、Ensalada(エンサラダ、きゅうりとトマトのサラダ)、Bistek con Queso(ビステクコンケソ、薄いポークステーキ2枚の間にチーズを挟んだもの)、Jugo de Guayaba(フゴデグアヤバ、グァバジュース)/シエンフエゴスの民家食堂
夕食 :Espaguetis con Pollo(エスパゲティスコンポヨ、ほぐしたゆで鶏の入ったトマトパスタ)、Pizza con Pollo(ピサコンポヨ、フライパンで焼いたようなピザにトマトソースとチーズとほぐしたゆで鶏)、Crema de Queso(クレマデケソ、細切りチーズを乗せた温かいベシャメールソース)、Jugo de Guayaba/シエンフエゴスのレストラン
宿泊 :ヘススとミドリの家
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旅情報
1兌換ペソ(CUC)=116円
1人民ペソ(MN)=5円

*キューバのスペイン語
キューバはスペイン語を公用語とする国なので、あまり英語が通じない(通じにくい)。更に、スペイン語にも独特表現が含まれている。
あづさはヘススの家に滞在している最中、ヘススとミドリにいろいろとスペイン語を教わっていました。でも「暑い」を中米本土では「アセカロール」と言うところ、キューバでは「アイカルロッソ」が決まり文句。後日グアテマラのスペイン語学校に通ったとき、比較級の用法も挨拶文句も単語も、中米本土では使えないものが多かったことが分かりました。もちろん共通するもののほうが多いのは間違いないのですが。