2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ココス>2010年11月22日(Mon)
★ウェストアイランド→ホームアイランド→ウェストアイランド
:: 旅1292日め : 世界旅210ヶ国め : 和人245ヶ国め : あづさ217ヶ国め ::

■ココスの中のマレーの素顔
一昨日ココスCocosに到着したときに出会った「ロングラン氏」。宿泊先が決まらないとき、あづさが相談したマレー系の女性が出会わせてくれた、ココスの重要人物その人です。ココス政府の役人であり、宿の役員でもあり、空港役員もしくは航空会社役員を兼任しているようで、よく空港オフィスで仕事をしています。

朝、オフィスでPCに向かっているロングラン氏を訪ねました。彼自身はオーストラリア生まれですが、まだ世界にあまり知られないココスの文化などを博士論文にまとめている最中で、ひょっとしたら世界で最もこの国のことを知る人物なのかもしれない。

「ココスでは何をするの?」と聞かれて、答えることはもちろん「観光」なのですが、観光要素が少ないこの国なので、「人々の暮らしやココスの文化が知りたくて」と、それらしい返答をしました。ロングラン氏は、「それじゃあ」と言って、自身がまとめている最中の論文を惜しげもなく見せてくれ、USBメモリに入れたのです。たっぷりの英文書には、インターネットではとても収集できない豊富なココスの情報が詰められており、感激です。

更に、「今日はホームアイランドHome Islandに行きます」と言うと、早速現地の友人に電話をかけてくれました。そしてここからが奇跡!!「今から知り合いのジャパニーズカップルが行くから、島を案内してもらえないか?」と言ってくれたのです!!


ウェストアイランドWest Islandからホームアイランドへは毎日定期的にフェリーが運航しています。通学や通勤にも使われている船なので料金も安くて嬉しいな。ホームアイランドに着いたら、「ミョウ」と地元の人が呼ぶ簡易自家用車に乗ったおじさんが、私たちを迎えてくれました。

では、ここからアランおじさんによる、ミョウに乗ってのホームアイランドツアー開始♪ ココスの観光名所の1つである、ロスチャイルド家の邸宅「ビッグハウス(オセアニアハウスとも)」は、本来は木曜日のツアーの日でないと入館できないものを、アランおじさんの一声でばっちり観光させてもらえました。次に政府が一律設営した住宅地「セトルメント」、イスラムモスク、商店など。ヨーロピアン(多くはオーストラリア人)が多く住み役所や空港もあるウェストアイランドと、ほとんどマレー系住民が占めるホームアイランドはとても対照的。ホームアイランドはモスクがあり、ハラムミート(イスラム教において不浄とされる肉類)は売っておらず、人々の格好もマレーシアのマレー人やブルネイ人と同じです。

ココス

もうお昼時でもありますが、何より「その土地の食」にこだわるあづさは、島に1軒しかない軽食屋が閉まっていて非常にがっかりしました。商店に行っても今すぐ食べられそうなものは冷凍食品しかありません(加熱なしには食べたくないですけれど・・・)。

そうしたらね、アランおじさん、自宅の奥さんに電話を入れてくれ、自宅でお昼ごはんを出してくれたんです!! 手作りのサテ(マレーシア、インドネシア、シンガポールあたりで非常にポピュラーな串焼き)は、先述他国がピーナッツソースなりケチャップマニス(照り焼きのタレ風調味料)なりをどっぷり漬けるのに対し、こちらは軽くカレースパイスでマリネした鶏肉をさっと焼くだけのシンプルさが美味しい! マレーシアやシンガポールでは定番料理のカリーパフ(小麦粉で厚めの皮を作り具を餃子型に包んでベイクした料理)は奥様が「コミュニティー(奥様方の集まり)」で作って皆で分配する冷凍ストックを食べるときに揚げるもの、すなわち今揚げたてをホクホクといただいています。オーストラリアでは定番のロール(パイ生地でソーセージやひき肉を巻いたもの)はお嬢様の手作りとのことです。更にアランおじさんは庭のココナッツを取ってきてくれて中のジュースを飲ませてくれたりも。

何よりも嬉しいことは、ここココスで生まれ育った真のココス人であるアラン氏にココスのことを教えてもらえること。それにより、事前にインターネットで見ていた国情報、国の歴史も、結構間違えているものだということが分かります。こういうのってまさにフィールドワークですよね。自分の足で歩いて見ること、更に自分で会話することって、本当に大事ですね。

食後にツアーを再開し、発電システム、墓地、博物館、コプラ(ココナッツ加工産業)で栄えていた頃の工場の名残などを見せてもらえました。

ここに来るまでは「ココスにマレー人が住む」という表現から、てっきりそれは「マレーシアの人」と思ってしまっていたのですが、アランの話を聞き、博物館の展示物の説明文を読み、大きな誤認に気づきました。ここで言うマレー人は「インドネシア人」だということに。それまで無人の環礁だったココスに、インドネシア人は、1800年代にコプラ産業、ココナッツオイル輸出業のためのの労働力としてココスにやってきた、それが「マレー人」と表現されていたのです。

もちろん今では、もと英領つながりゆえ、インドネシアとは航路がつながっていないゆえ、マレーシアからの移住者も多数います。今日私たちに昼食を作ってくれたアランの奥様のサリナーさんも、マレーシアはサバ州の出身です。


今日は、本当に良い一日だった。
様々な良い経験と勉強をさせてもらうことができました。
まさかと思うロングラン氏の一声で、アラン氏やその奥様が私たちのココス観光を有意義なものにしてくれたのです。

再びフェリーに乗ってウェストアイランドに戻る。大満足で戻る。
次にロングラン氏に会ったとき、「どうだった、楽しかった?」と言われて即座に答えたのは、

もちろん笑顔で
「Why Not!!」 (もちろんです!!)

本日の旅
行動 :ホームアイランド日帰り観光
朝食 :昨日の夕食の取り分け/宿
昼食 :Satay(サテ、鶏肉のカレー風味串焼き)、Curry Puff(カリーパフ、小麦粉で厚めの皮を作り具を餃子型に包んでベイクした料理)、Roll(ロール、パイ生地でソーセージやひき肉を巻いたもの)、Juice Kelapa(ジュスクラパ、ココナッツジュース)、Jeruk(ジュルー、缶の炭酸ジュース)/アランおじさんの家
夕食 :春雨とサーモン缶の中華醤油和え/宿
宿泊 :ココスビーチモーテルCocos Beach Motel
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旅情報
1ドル=87.8円

*島間フェリーの運行予定表
ホームアイランドとウェストアイランドの運行予定表は、ウェストアイランドのビジターセンターで入手できる。空港を出て左に進み、左折角を無視して直進してすぐ左手。フェリー料金は1人片道2オーストラリアドル。