2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ソマリア>2008年12月28日(Sun)
ジジガ→トグワジャレ(エチオピア側)→トグワジャレ(ソマリア側)→ハルゲイサ
:: 旅598日め : 世界旅87ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ107ヶ国め ::

■ソマリアへ行く日
今日はソマリアへ入国する日です。ソマリアは南北に長い国で、かつては北側と南側がそれぞれイギリスやイタリアに支配されていました。いったん南北独立後に統合してソマリアという国になったものの、世界最悪の内戦の1つとも語られる時期を経て、ソマリアは政府を失い、北側は1991年にソマリランドとして独立宣言しました。しかしソマリランドは現在でも国としての国際承認を得られていません。

私たちが向かうのは、ソマリアの北部、そのソマリランドの首府ハルゲイサHargeisa。

国境の町ワジャレWajale(皆ワジャレと呼ぶのですが、実際はトグワジャレTog-wajaleが正しい地名です)行きのミニバスはたくさんあるそうです。なので今日は焦らずに出発準備ができました。朝10時前にターミナルを出たミニバスは、荒野を走って国境へ。途中検問もありますが、1度目の検問は普通にエチオピア国内の検問と同じで、外国人ならびに女性はノーチェックというものでした。2度目の検問は一部女性もボディチェックをされていましたが、あづさの場合はポリスがパスポートをちょっとめくった程度で、何もチェックなし。

ソマリアへの道ということで少なからずは緊張していますが、ゆるいゆるい検問に、緊張感もほぐれていきそうです。

国境ワジャレの食堂でインジェラ(エチオピアの国民食)の食べ納めを済ませたら、いよいよ、歩いてソマリアへ。

■ソマリアの大地
国境で入国手続きを済ませたら、ハルゲイサまで行く車を探さなければなりません。入国手続き所の目の前からも車が出ているのですが、1人60ブルは距離の割に高額です。「もっと安いの探そうよ」と、少し先まで歩いたら、案の定安い車が見つかりました。

車が出てすぐ、一面の広大な砂が広がりました。ソマリアの大地も、ソマリアの空も、なんだかとっても大きく見えました。ところどころに、ソマリ人の伝統的住居(木や草で半円形ドームを作り衣類などの布でそれを覆うもの)を見たり、ときに幾つもの竜巻が大地から立ち上る光景も見られました。野生のラクダもたくさん見かけられました。ラクダはソマリ語で「ゲル」と言うのだそうです。

ソマリア住居

途中にいくつも検問がありますが、私たちはパスポートを見せるだけでチェック終了、平和な検問は良いですね。おそらくこの検問は、不安定なソマリア内でテロ組織などからソマリランドを守るための軍の配置なのでしょう。かなり強固にしっかりとこの地区が守られていることを感じました。

ハルゲイサには午後4時ごろ到着しました。シェアタク(乗り合いタクシー)の運転手に安くていい感じの宿を教えてもらえました。年末年始をゆっくり過ごすにはなかなか良さそうなところです。

そして、宿に荷物を置いたら早速街に出ました。両替をして、夕食を食べ、簡単に街を歩くだけで陽が暮れてしまいました。

■お金の小噺
両替・・・アフリカで一番大変な両替だったかも(ーー;;

さて問題です。
「1US$=6100シリングというレートで、100US$を両替しました。この国のお札は500シリング札のみです(本当は100シリング札や50シリング札もあるけれどあまり出回っていない)。さて1枚の100US$札は何枚のシリング札になったでしょう。」

ま、計算してみてください。簡単ですね、6100×100÷500=610×2=1220枚。100枚が1束になって輪ゴムでくくられているので、卓上にはドンと12束の札束がやってきます。でも1束100枚であるべき札束は、時に101枚、98枚、ひどいときには93枚しかお札がなかったりするので、両替後は和人とあづさでお札の枚数をひたすら数えていました。おんぼろ紙幣だらけの1220枚のお札が本当に1220枚かどうかを数えるのって、すごい大変なんですよぅ(涙)

さて、この国で通常使うお札は500シリング札ということですが、これは日本円にして、8円ほど。例えば500円の食事をするときでも、8円札を何十枚とパサパサめくって数えて店員に渡し、店員も受け取った8円札の束をパサパサめくって数えて、ようやくお会計終了となるのです。時間がかかります。ガソリンスタンドなんて、数千円のガソリン代を8円札の束で支払うのですから、支払う方は札束を大袋ごとボンと店員に渡すだけでも、それを数える店員は金勘定にとても時間がかかるようでした。

そんな、お金にまつわることが大きな印象となった、この国の初日でした。

でも、ごはんも美味しく、人々は明るく優しく、英語が通じる人が結構いるのでいろいろなことを教えてもらいやすい。交通整備と検問以外には街中には兵士っぽい人をさほど見かけず、見たところ平和としか言いようのない、そんな好印象のソマリア初日でした。
本日の旅
行動 :ジジガからハルゲイサへ移動、エチオピア出国、ソマリア入国
朝食 :ベール(レバーソテー)、ホダラ(トマト玉ねぎピーマンの生野菜サラダ)、アンジェーロ(直径20cmほどの小さなインジェラ風)、シャアディス(ミルクティー)/ジジガの食堂
昼食 :インジェラ(テフ粉の酸っぱいクレープ)、ミスト(アリチャ(ヤギ肉とじゃがいもの辛くない黄色い煮込み)、カイワット(ヤギ肉とじゃがいもの赤い辛い煮込み)の盛り合わせ)、バスト(スパゲティー)/トグワジャレの食堂
夕食 :ムフォ(小さなソマリアパン)、ムス(バナナ)、ロス(肉のスパイスソテー)、ソス(カレートマトソース)、マラック(肉のゆで汁スープ)、シャアディス/ハルゲイサの食堂
宿泊 :カウニーンレストハウスKawniin Resthouse

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旅情報
1エチオピアブル=10.5円
1ソマリランドシリング=0.0164円

*ジジガからハルゲイサへの移動
ジジガバスターミナルから国境ワジャレ(トグワジャレ)まで乗り合いバスが出る。1日数本あるらしいので早起きは必須ではない。1人20ブル、所要2時間強。エチオピア出国手続きは「コマーシャルバンク」の左隣の建物の中で行う(看板が出ていないので銀行を目印にしよう)。そのまま歩いてソマリア側に入り、入国手続きを済ませたら、乗り合いタクシーにてハルゲイサへ向かう。入国手続き所の前から乗り合いタクシーに乗ると1人60ブルだが、数十m歩いたところから交渉したら簡単に1人50ブルで乗れた。所要3時間。