2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ナイジェリア>2008年02月17日(Sun)
★サボンガリ→ヨラ
:: 旅283日め : 世界旅54ヶ国め : 和人214ヶ国め : あづさ75ヶ国め ::

■王様との別れ、そして知る事実
朝、王家のみんなは早起き。それにつられて、私たちも早く起きました。家のまわりをお散歩したり、みんなとおしゃべりで交流を深めたり。またスーヤおじさん(仮称)の甥にあたるティジャニ氏が新品VAIOを持っていたので、私たちが昨日と今日で撮った写真をPC内に残してあげたり、賑やかに過ごしていました。本当、みんなが優しく接してくれ、嬉しかった。

王家の人々

今日からの目的地は、とにかくナイジェリア南部。南部都市カラバールCalabarからカメルーンへと船に乗って移動したいと考えているので、南へ向けて移動します。乗り合いバスを待っているうちに、途中の街であるヨラYola行きのバスを見つけることができました。ヨラはティジャニ氏が勤務する街ということで、「ヨラについたら電話をくれ」と言われ、OKして、皆とお別れしました。

ヨラへは4時間以上かかりましたが、無事到着。ドライバーが優しくて宿探しを手伝ってくれ、しかも「明日カラバール行きのバス乗り場まで送ってあげるね」とまで言ってくれるのです。ナイジェリアの旅では、始終皆が優しくしてくれ、ナイジェリア人のあまりの優しさに感激が尽きません。

夕方になり、ティジャニ氏に電話しました。そうしたら、彼が宿の部屋に来てくれました。

ティジャニ氏は、スクル王国のこと、私たちが立ち寄った村の名前のこと、歴史のこと、人物相関関係など、昨日私たちが体験したことについて、あらゆる真実を惜しみなく教えてくれました。・・・そうして、私たちが偶然知り合ったスーヤおじさんが、スクル王国と深い縁のある一国の王様であることを、教えてくれたのです。

そして、「He won't say about it.」(彼は、自分からは言わないよ)とも。

このときまでずっと、私たちはスーヤおじさんのことを、恰幅が良くて堂々とした優しいおじさんと思っていましたが、事実を知り、ティジャニ氏の前でしばし声が出なかったほど、驚きました。

おじさんの名前は、代々受け継がれる王の称号なのだそうです。だからこの日記では、決してその名前を明かさず、スーヤおじさんとだけ記載しています。
(出会いはガソリンスタンド、“肉(現地語スーヤ)食べないか”とのお誘いから始まった縁なので、スーヤおじさんと記載しています)

ティジャニ、本当に本当にありがとう。あなたがヨラの街まで来て事実を教えてくれたことで、私たちはやっと真実を知ることができました。ナイジェリアで素晴らしい旅が出来たことに気付くことができました。

ティジャニがスクル王国の王様のことを、「He is powerful, he is powerful.」(彼は強大だ、強大だ)と何度も連呼していたことが、忘れられません。事前にネットで見かけたスクルの記述、「近隣の部族に荒らされ、首長の宮殿も廃墟と化した」から、私たちは失われた遺跡を見に行くだけのつもりでした。でも、行ってみたら全然違った。・・・実際に見たものは、周辺王国をも統治し、繁栄を築き、誇りと共に、優しい笑みながらも堂々とした面立ちを見せる素晴らしい高齢の王様だったんです。



あづさは小さい頃、ヒューロフティングの『ドリトル先生』シリーズが大好きでした。特に、アフリカの王国と触れ合う第2巻が、たまらなく好きでした。


ドリトル先生航海記ドリトル先生航海記

ヒュー・ロフティング
発行元:岩波書店 / 定価:¥ 798 / 発行日:2000-06
(≫旅までプチ日誌

表紙の画像が、殊に素敵です。

「大きくなったらこんな旅をしたい」・・・でも現在ではそんな王国などなく、無理だということも頭では分かっていました。でも夢は失われませんでした。だって、本当にアフリカを渡り歩けると分かったとき、たまらなくこの本の表紙が脳をよぎっていたのですから。

でもね、ナイジェリアでは、本当に、現存する誇り高き王国を訪れることができたんです。兼ねてより「アフリカの王国」に夢を膨らませていただけに、感激の大きさも人一倍のまま、その感激は冷めません。


・・・さて私は、当時の私に、どう報告するでしょうか。

「ナイジェリアの、空を仰ぐ丘の上に、素晴らしい王国が今もあるよ。 是非、行っておいで!!」
本日の旅
行動 :サボンガリからヨラへ移動
朝食 :パン、ミルクティー/王様の家
昼食 :トゥオは(白いごはんを臼でついて密度を高くしたもの)をヤクワ(刻んだ大根の葉のようなものを具にして煮込んだミルクベースの美味しいスープ)につけて食べる/宿
夕食 :肉と玉ねぎの炭火焼き、パン、コンソメスープ、中国茶/宿
宿泊 :プリスティージホテルズPrestige Hotels

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旅情報
1ナイラ=0.9円

*スクル王国から南へ移動
スクルの丘を下山したところから、サボンガリ村までバイクタクシーで300ナイラ前後。サボンガリ村からヨラ方面への乗り合いバスに乗る。途中ミンチカの町で乗り換えるのが一般的だが、私たちはマイドゥグリ発ヨラ直行のバスに途中乗車することができた。片道700ナイラ、所要4時間強。