2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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レソト>2008年06月12日(Thu)
★マレアレア→乗馬トレッキング→マレアレア
:: 旅399日め : 世界旅65ヶ国め : 和人214ヶ国め : あづさ86ヶ国め ::

■高原の乗馬トレッキング
やったーー!! 晴れたーーー!!

ただ晴れただけでなく、温暖&無風が揃い、心配していた高地の極寒もなさそうなお天気となりました。

ここレソトは、「ポニートレッキング」が大変に有名なところです。でも、集合時刻の朝9時にそのポニーたるものを見て・・・「これって、馬じゃん?」と、驚きました。ポニー種の馬(ちょっとずんぐりしていて可愛らしい)とは違い、本当に馬なんですもの。なので、この先の日記では、ポニーという言葉は使わず「乗馬トレッキング」と表記することにしますね。

私たちは2人で申し込んだので、2人に対しガイドが1人つきました。ガイドのサッカリーヤ氏は地元のバソト人です。私たち3人に馬が3頭でパーティを組み、朝9時すぎに乗馬トレッキング開始です!

マレアレアMalealea村から見る高度2000m級の丘陵地の光景は、只でさえ素晴らしいのに、さらに馬に乗って目線を高くし、カポカポと歩きながら見る眺めは一層素晴らしさを増しています。また、先述の通り、風もないことから空気は大変に澄んでおり、また寒さもなく、コンディションの良い乗馬日和となりました。

馬に乗ってカポカポカポ。川を馬に乗って渡る瞬間は、足音がザバザバザバと変わります。そんな渡河は、すがすがしさいっぱいのお天気のもと、少しばかりの緊張感と大いなる躍動感があり、ホント楽しかった!

乗馬トレッキング

やがて馬に乗った私たちは、山のふもとに着きました。ガイドのサッカリーヤが、急斜面を馬で登るときの手綱の持ち方を教えてくれます。いよいよ、乗馬での登山が始まるのです。

馬は生き物だから、乗っている人間が「次はこの石に乗って次はこっち」なんて思っても、馬はそうは思わないことが多いみたいです。山はかなりの斜面で岩がごつごつしています。一歩踏み外せば落下という恐いところでもあるのですが、幸い馬が的確に道を見極めてくれることから、馬を信じて山を登っていきました。

また、普通の登山でも「登るより降りるほうが恐い」と言いますよね。乗馬だと、人間が思うところと違うところに足を踏み込み、更に上下に揺さぶられる分、降りるときはホントに恐いです。でも、だからこそ、わくわく感は絶えず続き、「これはいい!」とばかりに、馬による登山と下山をめいっぱい楽しむことができました。

お昼前に、滝の近くに馬を止めました。ここから少しだけ歩いて滝を見に行きました。滝を見終わったら再び馬に乗り、お昼ごろ、丘の上の、まるで“空の村”に着きました。ガイドはそのまま村を通り過ぎようとしたのですが、その村があまりに素晴らしい無何有の郷(むかうのさと)に見えたあづさは慌ててガイドを止め、「少しこの村を歩きたい」と申し出て、ここレタペンLetapeng村を散策しました。

(※無何有の郷:「無何有」は何も存在しないという意。自然のままの理想郷ということ)

標高2000m級の国土の、更に丘の上にある素朴な村。空が本当にきれいで、空気のすがすがしさ、空の青さ、眼下に広がる斜面や河川のダイナミックな光景が広がっていました。深呼吸が似合う、何より「空の村」という言葉が似合う、そんな村でした。

レタペン村から30分ほど乗馬を続け、岩場の上で、持参した食糧でランチタイムとなりました。お昼ごはんのあとは歩いてブッシュマンの壁画を見に、岩場をすり抜けるように歩きました。

(※ブッシュマンは蔑称とされ、一般的にはサン族と呼ぶべきとされていますが、この日記では、ガイドの説明やトレッキング案内冊子等の表現をそのままカタカナにして表記しています)

このトレッキングで見られるブッシュマンの壁画は3ヶ所あります。規模は大きくないものの、岩肌に描かれている人々の喜怒哀楽、家畜との関係の深さ、セレモニーの重要さなど、伝わってくるものがいっぱいあります。特に私たちを魅了したものは、キリンのような首の長い動物の躍動感のある壁画と、妖精が舞うかのように軽やかに踊る少女たちの壁画でした。ところでこんな標高2000m級の土地に、かつてキリンがいたのかしら? 壁画から古代を偲び、様々な考察をする時間って、楽しいですね。

帰路は穏やかな道を進み、夕方マレアレアロッジに到着して、今日の乗馬トレッキングも無事終了です!

1日一緒にいると、馬にも愛着が沸いてきます。和人を乗せた馬と、あづさの乗せた馬は、性格も違って、その違いも楽しみの1つでした。和人を乗せた馬は食いしん坊なのか、しょっちゅう自分からストップしては道端の草を食べていました。後ろからそれを見たあづさは「これぞ“道草を食う”そのものね~」と、にんまり(笑)。またあづさを乗せた馬はよく喉が渇くようで、川を渡るときはいつも川の真ん中で止まって清流を美味しそうに飲んでいます。おかげで川の中から雄大な風景を写真に収める時間をもらって、こちらもにんまりです。

乗馬のあといったん部屋に戻りました。そして、夕食の材料を買いに、近くの商店に行きました。馬具を外した馬が1頭、子供に手綱を引かれて帰宅する光景が見えました。馬具を外していて、見た目はまったく変わっていましたが、その馬があづさを乗せた馬だとすぐに分かりました。

容姿が変わっていても、1日一緒に過ごした馬だとすぐに分かったことが嬉しかった。近寄って頭をなでなでしてあげると、馬もこころなしか、私を1日一緒に過ごした人だと分かってくれたような気がしました。嬉しかった・・・。

レソト、マレアレアの、素晴らしい乗馬トレッキング。

ブッシュマンの壁画も、すがすがしい高原の丘陵地風景も、空の村も、どれも素晴らしかった。そして最後まで一緒に過ごした馬と、最後はこうして心が繋がることができたことが、決定的に大満足の気持ちを与えてくれたのでした。

本日の旅
行動 :1日乗馬トレッキング(滝とブッシュマン壁画を含む)
朝食 :昨日のパスタ、パン、コーヒー/宿
昼食 :パン、チャカラカ(野菜いっぱいのチリペッパー煮)、紅茶/ブッシュマン壁画の岩の上
夕食 :骨付きチキンガーリックソテーをリゾットやパスタと組み合わせて、ルイボスティー/宿
宿泊 :マレアレアロッジMalealea Lodge

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旅情報
1ランド=14円
1ロチ(マロチ)=14円

*乗馬トレッキング
高度2000m級の丘陵地で、馬に乗りながら崖のような山を登ったり降りたりすることができる。観光客が気楽にこんなことができるのは、きっと世界でも少ないほうだと思うし、マレアレアはそういう点では良いところとも思う。私たちはブッシュマン壁画(レソトの国境付近では世界遺産にもなっているもので、マレアレア付近は世界遺産対象外)を見たく、滝&壁画を含む1日コースに参加した。ロッジから滝までの道はアップダウンも多く、レソトならではの乗馬を楽しめた。壁画からロッジの道はほぼ平坦だった。参加費は1人220ランド。2人で申し込んだので、1人ガイド(英語が話せる地元の人)をつけて3人&馬3頭のパーティーで進む。なお、このロッジでは当面(2010年まで毎年)の値上げが決定していた。