いつでも行ける? 韓国情報

 21世紀を迎える年末年始に、17年ぶりとなる韓国の旅をしてきました。1984年3月初めての海外旅行として行った韓国。何度もトランジットをし、入国も2度。いつでも行けると思っていたら、あっという間の17年。昔のことをはっきりとは思い出せないほどの年月が…。
 17年ぶりに旅をしたと思ったら、すぐまた半年もしないうちに韓国へ。これこそ近さゆえでしょうか?(今回OCT01の追記は斜字で統一)
 韓国情報はちまたにあふれていますし、リピーターの人々に伍して韓国を語れるような旅をしてません。まあそれでも他の人とは違った視点で旅をしてきたと思いますので、情報を書いておきます。

出発前に

 韓国観光公社が非常に役立つ無料の冊子や地図を大量に発行している。市販ガイドブックの類は、負けてるかも。少なくとも地図はガイドブックよりは良いので、ぜひ出発前に足をお運びあれ。東京や大阪にオフィスあり。またソウルや釜山の観光局にも当然同じ資料がある。

 ビザは必要ないので、パスポートとお金さえあれば、いつでもGO!
 1泊2日でも行けます。ただし短い場合はツアーの方がはるかに安い。(東日本からは1泊2日なんてないかな)

韓国への道

飛行機

 もちろん各地から飛んでいる。これからもますます増えそう。
 便の多い東京や大阪発のほうがディスカウントチケットが安いが、国内交通費を考えれば、遠くの飛行場に行く価値はないのでは?
 リピーターなら韓国から正規往復チケットを買うと便利。混雑期の予約が早くから出来るし、いくら予約変更しても手数料は要らない。韓国便は年末年始はもちろん、ただの3連休でも込みます。また正規運賃のチケットなら、ルート変更も可能なので、成田−ソウルよりも、羽田−広島−ソウルなんて乗り継ぎのほうが便利な人は多いのではないでしょうか。こうすれば空港税も要らない。

 何度も乗り継ぎでソウル金浦空港を使った私ですが、前回も今回も往復とも船。しかも港の下関への行き帰りは“青春18切符”で鈍行列車!(成長がない…)
 でも今回船にしたのは、飛行機の予約が取れなかったから。船がそんなに安い訳でもない。昔の方が値段の差が大きかった。

 一時は大阪発や長崎発など、韓国へ行く航路が増えていたが、現在は
1.フェリー 下関−釜山
2.フェリー 福岡−釜山
3.ジェットフォイール 福岡−釜山
4.ジェットフォイール 対馬−釜山

 今回の行きと17年前の往復は1の関釜フェリーを使用。良い船です。文句なし。風呂もゆっくり楽しめる。
 帰路は満席で残念ながら乗れず。
 仕方なく乗ったのが3。あっという間の3時間で、日本。のんびり一晩のフェリーが私は好き。しかし、釜山から1時間ほどで対馬の脇を通り、対馬と韓国の近さを実感できたのは良かった。

 日本発の値段はすぐに分かると思うので略すが、現地発の値段の方がいずれも非常に安い。(正規運賃は飛行機も)往復割引なんて話にならない値段の差。17年前も同じだったので、たまたま現在の為替が…なんて問題じゃない。
 文句を言わない日本人が馬鹿にされているのだ。物価の問題でもない。昔から日米の航空運賃の格差も有名なのだから。(米国の方が物価は高くても、米国発の運賃の方が安い。)逆だと日本人以外は何国人でも普通は片道しか買わずに、現地で帰路購入するが、日本人は高くても往復を買う不思議な習慣がある。

念のために、現地発の料金(2001年1月現在、最も安いクラス)
1&2:W65000、3:W85000、4:W75000。
実際に乗船した3の場合、日本発13000円、現地発約8000円。

 片道は格安航空券がなく、船に頼らざるを得ないが、問題は日本国内の交通費。18切符のない時期に、私の住む関西から一番安く方法は、
神戸・門司のフェリー+門司・下関(JR)+関釜フェリー+(ソウルに行くなら)高速バス
今回は時間がなかったので、日韓切符を使った。これはJRの新幹線と関釜フェリー(またはジェットフォイール)、韓国内のセマウル号をセットにしたもので、ばらばらに買うよりははるかに安い。

中国への船

 ソウル近郊の仁川から中国に貨客船が出ている。2001年6月の時点では
丹東、大連、天律、煙台、青島に各週2便、上海週1便。最新のガイドブックにある威海はこの春から停止中。

 私の乗った青島行きは125000W=12000円。4人部屋だが客は2人だけ。全体的にガラガラ。行き先によって、安いクラスの料金は115000〜135000W。どこに行っても大差なし。

両替と通貨

 通貨はご存知のウォン。日本円に良く似ている。紙幣も硬貨も。同じ財布に混ぜたら、分からなくなるので要注意。
 2000年末のレートは1円が約10.9ウォン。現金は両替手数料なし、トラベラーズチェックは手数料がある。レートの差を考えても現金の方が簡単で得

移動手段

 国内の飛行機や船もあるが、基本的に韓国の長距離移動は、鉄道かバス。
 本数は、ほとんどの区間バスのほうが多く便利だが、それも場所による。

 ソウルー釜山など競争の激しい平走区間なら、
高い順に、
列車の超特急セマウル号、優等バス、特急列車ムグンファ号、バス、急行トンイル号
しかし鉄道は全国で距離毎の料金が決まっているがバスは違うので、田舎はバスがムグンファ号よりも高い
(列車等級は韓国観光公社の冊子による。「地球の歩き方」とは異なっている。)

列車

 はるかに列車の方が快適なので、時間が合えば列車の方が良い。
 出来るだけ乗りたかったが、実際に乗ったのは慶州−安東だけ。この区間、トンイル号の料金は、バスの約4分の1!時間も早い。

高速バスと市外バス

 長距離バスは、この2つに別れ、ターミナルも普通異なる。高速バスは、高速道路を走るバスとの意味だが、市外バスも高速がある区間は高速道路を走る。
 どちらのターミナルに行くべきか、正しい判断が必要。
 たとえば、
 釜山から慶州に行く場合、高速バスも市外バスも同じ道を同じ料金で走っている。
 ここだけなら市外バスに乗るのが良い。10分間隔の出発。高速バスは、高速バスで到着したときの乗り継ぎ用なのか、1時間に1本のみ。

市内(郡内)バス

 市内や郡内は、別にローカルバスがあり、よく使った。市も郡も広いので、乗り応えあり。どこかにターミナルがあるだろうが、乗ったのはいつも単なるバス停。いつ来るか分からないバスを、寒いバス停で待つのは辛かった。路線によっては一日数本しかない。

 釜山から閑麗水道方面の観光船は現在廃止。釜山沿岸旅客ターミナルから出ている船は、近場の島へのジェットフォイールと済州島行きのみ。

 済州島への船

 航路は
釜山−済州、釜山−城山、釜山−西帰浦
仁川−済州、木浦−済州、ワンド−済州、麗水−済州
の七航路を確認。 乗ったのは木浦−済州のフェリーと済州−釜山のフェリー。どちらも日本の船同様、靴を脱いで上がる大部屋で、快適に過ごせる。

宿

 いつもは、宿探しに時間をかけ、1つの街で何軒も見てから決めていたが、今回は寒くて探したくなく、ほとんど即決。7都市で8軒しか宿を見ていない。
 つまり、見て断ったのはたったの1軒!

ホテル、(荘)旅館、旅人宿、モーテル、民泊

 宿の看板は大体この5種類。ホテル、モーテル以外はハングル文字なので、最低それくらいは覚えたほうが良い。旅館にはたいてい温泉マークがついているが、銭湯(韓国にもあるのだ!)にもついているので目安にしかならない。
 どこでもたくさんあり、特に紹介はしない。適当に入ってたぶん問題ない。唯一問題のあった慶州の旅館は、「歩き方」に紹介されていたところ。

 ホテル・・・泊まっていない。

 旅館・・・泊まったのはすべてこのタイプ。
木浦の宿 オンドル部屋とベッド部屋の両方が普通あり、値段も同じ。ベッド部屋の方が狭いことが多い。
 オンドルは気持ちの良い床暖房だが、直に布団を敷くと背中が熱すぎて、寝難い。ベッドの方が、よく休める。(冬じゃなきゃ関係ない。)ベッド部屋も床はオンドル。
 部屋はすべて一部屋いくら。

 ソウルで泊まった宿は外国人専用(韓国人不可)。旅館のくせにシャワー共同(共同は普通、旅人宿カテゴリー)、1人と2人では同じ部屋でも値段が違う。極めつけは、長居しているパキスタン人が他の部屋に泥棒に入ったのに、宿のオーナーが、警察に届けないばかりか、追い出しもしなかったこと。ここも「歩き方」で推奨されている宿。やっぱ、「歩き方」に推奨される安宿は避けるべき?取材陣は高級ホテルに泊まってるから…
 泊まらなかった旅館も含めすべて2万5千または2万ウォン
 どこもバス・テレビ付。2万5千だった宿はすべてNHKのBSが入った。2万のところはどこもダメ。あまりにはっきり分かれていて笑ってしまうほど。
 ソウル、釜山、慶州、済州の宿が高く、田舎は安いと冊子にあったが、なんかどこも値段は同じ。慶州・ソウルの宿はひどかった。

 旅人宿・・・バスまたはシャワーが、共同あるいは共同もない安宿。今回は泊まっていない。17年前は愛用。どこにでもある。

 モーテル・・・順天では旅館の看板が見当たらず、どこもモーテルばかり。仕方なく泊まったら、中には旅館と書いてあった。呼方が違うだけ?済州でもモーテルの看板が多かった。

 民泊・・・民宿のこと。河回民俗村や済州島などで良く見かけた。

言葉

 少しは韓国語を覚えないとソウルや釜山、慶州といった観光地を離れると苦しい。

日本語

 釜山の飲食店街で日本語の看板が並んでいるのには驚いたが、基本的には通じない。日本語教育を受けたのは、もう老人だけ。
 そうはいっても日本からの観光客が一番多い国、観光地ではある程度通じる。他の国と違って、日本語を勉強したくても先生がいないなんて状況にはありませんから。最近学んだ人も多い。
 今回日本語が通じたのは、釜山国際港、慶州の宿、慶州の市バスで会った老人、晋州で道が分からず老人に尋ねたとき、雲住寺近くて会った日本語を勉強している大学生、済州島の旅行代理店(ここはかなり怪しい日本語)。

英語

 う〜ん。ほとんど使わなかった。
 使えたのは、観光案内所、銀行、慶州の宿、安東の焼肉屋の女の子
 インターネットカフェの店員でさえあまり通じず。ハウマッチくらいは通じたところもあるが…。

必須の韓国語

 ハングル文字はアルファベットよりは簡単。ぜひ頑張って覚えて!

 覚えたい単語は、まず
旅館、旅人宿、民宿、食堂
 そして食堂でのメニュー
覚えれば覚えるほど食が豊かになるでしょう。漢字があったり、写真があったりする旅行者向けの食堂より、ハングル文字しかない食堂がはるかにうまいというのは、今回色々入っての結論。

 もちろんあいさつなど基本的な会話は改めて書くまでもない。

 なんてえらそうに書きましたが、ほとんどしゃべれなくても本当は旅行できます。韓国人は、お節介なくらい親切な人が多いですから。

食べ物

 韓国旅行の最大の楽しみであるといっても良いのが、食べ物。実においしかった。ただし私はもともと辛いのが好き。
 ほとんどのものが非常においしかったので、特にお勧めはなし。ガイドブックなどに紹介されている料理を片っ端から食べることをお勧めする。

 昔と違って外から分かるので、食堂を見つけるのは苦労しない。ただし、普通メニューはハングル文字で壁に書いてあるので、読めないと注文が難しい。ビビンバ(まぜご飯)やキムチチゲ(キムチ入り鍋)はたいていあるが、やはり色々食べたいので、覚えると便利。最初は適当に頼んでみて、品物が来るまでの間に、壁のメニューとガイドブックのメニューなどを照らし合わせ覚えて行くのが良い?
 私自身、最後までガイドブックとにらめっこしながらの注文ではあった。
 名前の前半が主材料名、後半が主食の種類なので、まず後半(最後の一文字か二文字)を覚えると麺なのか、ご飯なのか、鍋なのか…などが分かる。

豚焼肉 何を注文しても数(3〜20)種類のキムチが付きます。ご飯類を注文したときの方が、麺類の時よりも多い傾向がある。また少々値段が高い店の方が、キムチの種類が多い。

 全羅南道や済州島では、カニやイカ、内臓などのキムチが、野菜キムチと共に出て、メインの料理はなくても良いとさえ感じる。

 鍋物にはご飯が無料でつく(釜山の日本語で外に看板を出していた海鮮鍋だけが例外。ご飯は別注文であった。ただし、おかゆが少しだけ先に出た。)が、焼肉の時は別注文。1000ウォンでご飯、味噌汁などが出る。

 焼肉の値段表は、一人前あたりではなく、一人前と注文すると大量に出てきて、それが3単位であったことがあるので、少し注意。その時は安すぎた値段と、下に書かれている200gの文字で、出てきた瞬間にしまったと思った。でも3倍とられたけど600gは絶対になかった…。

飲み物

コーヒー

河回民俗村 自動販売機の密度は、日本と世界の1,2を争ってると思われる。中には右の写真のように、公衆電話と合体したものまで。
 一番多いのがコーヒー自販機。缶コーヒーも多いが、紙コップの自動販売機が多く、この方が圧倒的に売れていた。寒い時期だったからだとは思うが…。
 1杯300ウォンと400ウォン。値段はこの2種類。同じ機械に2通りの値段があり、英語表示はどちらも同じだが、ハングル表記は違っていたので、何か種類の違うコーヒーだと思う。でも、飲み比べて違いは分からなかった。いつも量が少ない、小さなコップに3分の1だけ!最初は、機械の故障かと思ったほど。物足りないぞ。

マッカリ

 日本の「どぶろく」のこと。うまい!毎晩オンドルの部屋で飲んでいた。
 コンビニや雑貨屋で、白いプラスティック容器に入って冷蔵販売されている。1本1.2リットル、半分強の中ビンもあり。大ビンで1200〜1600ウォン。
 昔は庶民の酒として安く売られ、シェアも高かったが、日本の焼酎などと同様に税改正があり、今は次のソジュのほうが安く酔える。

ソジュ

 日本の「焼酎」のこと。これもうまいが、マッカリばかり飲んだので…。日本の焼酎より口当たりが柔らかい気がする。
 これもマッカリに並んで売られている。0.3リットルくらいの小ビンが主流。700ウォンから。
 安東の安東焼酎がもっとも高級で高い。安いものでも0がひとつ多い値段だったので、試せなかった。帰国し、頭の中が日本の物価になってから、「大した値段じゃないのに、試せば良かった。」と後悔。せっかく安東に行ったのに…。

薬酒

 ソジュに韓方薬材をつけこんだもの。体に良さそうな味。これもソジュと並んで売っている。ソジュより高い。
 百歳酒というのが、一番良く見たブランドで、うまかった。ネーミングも良いので、両親への土産としても購入。梅酒もビン入りで並んで売っていた。

正宗

 これが「日本酒」と全く同じものだそうだが、見かけず。慶州名物に正宗に近い「法酒」というのがあり、これを飲んだ。味は日本酒そっくり、もち米で作った清酒。

 飲んだ酒は以上の4種類

その他の酒

 韓国製ビールやワインも並んで売っているが、一度も試さず。寒いのでビールを飲む気はしなかったし、他の酒がおいしいのに、聞いた事もないワインを試す気にはなれず…。

見所

民俗村

 古い街や伝統的な生活を見るのが好きな私にとって、韓国で一番印象に残ったのは民俗村だった。民俗村には、昔の姿が残された村を史跡に指定したところと野外博物館として新たに作ったものの2種類がある。この2種類、成り立ちは全然違うが、いずれも伝統家屋や生活が見れるという点では同じ。
 韓国語にも日本の「むら」と「そん」のように読みが複数あり、史跡系は「まうる」、野外博物館は「チョン」と一般には分けられているようだが、済州の城邑民俗村は両方で書いてあったので、同じものとみなしているのか。

 良洞民俗村・・・慶州市郊外。市内バス200番台安康行き。本数多し。40分+徒歩1キロ
001227良洞 一番観光客の来ないところ。入場料もなく、村の中心に駐車場があり、看板と公衆便所があること、そして歴史ある建物の前に看板があることだけが、史跡に指定されていることを示している。
 土産物屋一つなく、本当の田舎の村がそのままになっている感じがする。伝統ある両班の美しい村が、静かに変わらないで残ってしまったような村。観光による収入はなさそうな、普通の農村。
 広くて、一通り回るにはずいぶんと時間がかかる。宿泊施設はなく、食堂も一軒あるのみで、それさえ閉まっていた。売店も一軒あっただけ。田舎を散策するのが好きな人は食料を持参したほうが良いかもしれない。

 河回民俗村・・・安東市郊外。市内バス46番河回村行き。1日8本。駅にある観光局でタイムテーブルがもらえるし、バス停にも時間が表示してある。40分村の入口で、下車し入村料1600ウォン。
001228hafemaur ここは大勢の観光客でにぎわっていた。仮面劇で有名だが、その時期でないと見ることは出来ない。きれいな萱葺きの建物がたくさんある。土産物屋が軒を並べ、民宿や食堂が建ち並んでいる。建設中の萱葺き民宿もいくつか見受けられ、観光村として、村おこしに成功した様子で、静かな良洞とは対照的。

 安東民俗村・・・安東市郊外。市内バス3番。本数多し。野外博物館系。寒さに負けて、行くのを止めた。

 楽安邑民俗村・・・順天市郊外。市内バス63番。一日約10本。楽安側のバス停前の店の中に時刻表があったが、順天では分らなかった。30分。入り口前で、下車。入村料1100ウォン。
001231楽安邑 城壁に囲まれた、全体が萱葺き屋根の集落。
 大晦日の訪問。お祭りでテレビ局が、2社も中継に来ており、大賑わいであった。餅つきや正月の色々な遊びを見れた上に、ご馳走やお酒を振舞われ大満足。飲み放題食べ放題。酔っ払うまで飲んだ。
 ここも史跡に指定された伝統村落のはずだが、どこも非常に新しく、建物が整っている。不思議に思っていたら、中に博物館があり、昔の写真があった。昔は城壁に囲まれた一面の畑。どうもここは意図的に復活させた伝統集落のようだ。見た目は一番美しく、写真になる場所も多い。

 城邑民俗村・・・南済州郡。済州市街バスターミナルから市外バス。
010104somup ここは入場料もない伝統集落。普通の家が伝統的な姿そのままの生活をしている。しかし、観光産業の盛んな済州島の著名観光ポイントとあって観光バスが続々とやってくる。観光バスはそれぞれ契約した家の駐車場に車を止め、その家を見学させてもらっている。そして土産物を販売。土産物で儲けるのか、バス一台いくらという契約があるのか。
 入り口には詰め所があり、個人で行くとすぐにそこから人が出てくる。入場料はなく、ただ案内される。そして最後に土産物を買うようにプレッシャーをかけられる。
 観光バスで回るのが普通のようで、個人で来ている人はまず見かけない。唯一見かけたのは観光タクシーで来た韓国人。なぜバスに乗らないのかな?
 しかし、集客力があるということはそれだけ見ごたえがあるということ。中を見せてくれている家は、色々な道具類を飾ってあったり、かなり面白い。
 それほど広くないが、もし全部に入っていたら日が暮れる。中はどこもほぼ同じことが分ってからは、壁越しにゆっくりと散策を楽しんだ。

 済州島民俗村・・・南済州郡。城邑を通るバスの終点がここ。入場料4000ウォン
010104cheju_minzokumura.jpg ここは野外博物館。したがって住民は住んでいない。島内各地の昔の家を移築してきており、非常に見ごたえがある。中庭や裏庭まで再現し、実際に野菜を育てているし、軒先には本物のとうもろこしなどを吊るしてある。踊りの行列が通りを練り歩いたりして、演出も抜群。お薦めの博物館。
 個人的には博物館より実際に住んでいる集落の方が好きだけど。

 韓国民俗村・・・竜仁市。水原市よりシャトルバス。入場料?
840402minzokumura ここも野外博物館。訪問は昔なので、最近のことは知らない。ソウルから日帰りで行ける。韓国全土から伝統家屋を集めた大博物館。

 これを書き上げ、民俗村は全部だろうと思いながら地図を見ているともう1つ発見してしまった。温陽のすぐそばの外岩里民俗村、昔近くを通ったのに…。次回には訪れてみたい。

世界遺産

 世界遺産すなわち見所でもないが…。
 現在2000年までの韓国における世界遺産指定は7ヶ所。

 石窟庵&仏国寺・・・慶州郊外。市内バス10・11。頻発。仏国寺前へ30分。入場料3000ウォン。仏国寺−石窟庵はシャトルバス。1時間に1本。15分。(徒歩なら40分。)入場料3000ウォン。
仏国寺 仏国寺は外国人には韓国で一番有名な寺。日本の寺とは少し色彩が違う。青が基調で、初めての韓国の寺となれば印象に残りやすい。ちなみに、17年前も今回も最初に訪れたお寺はここ。
 石窟庵は日本海の見える山上にある洞窟から発見された石仏。ただこれひとつ。昔苦労して自転車であがって来たのに仏さん一体でがっかりした。しかし、後日、ここの石仏を写真で見たとき“良いな”と思った。実物はガラス越しで、近づけないから面白くなかったのに。

 慶州・・・慶州市内と南山地区。歩いて行けるところから、市バスさえないところまであり。入場料はそれぞれで徴収。
慶州古墳 七世紀後半から約300年間の新羅の都・慶州市内は古墳がボコボコある。街の中にぽっかりあったりして、面白い。古代の天文台や氷冷蔵庫。宴会で酒を流したという石亭、石塔、磨崖仏など見所は豊富。さすがは韓国一の観光都市。
 2000年末に指定されたばかりで、どこが正確に指定されているのかは?

 海印寺・・・慶尚南道居昌郡。大邱市などより市外バス。
海印寺 韓国3大名刹の1つ。13世紀に作られた8万枚にも及ぶ木版大蔵経で、有名。山深いところにある。ここを84年に自転車で訪れた。そして、地図にない山道を走り、裏側に抜けたときのことは今でも鮮明に覚えている。

 高敞・和順・江華のドルメン・・・この3ヶ所は全くばらばらに存在している。ドルメンとは先史時代の巨石墳墓のこと。高敞は全羅北道高敞郡、和順は全羅南道和順郡、江華は(仁川市)江華島。いずれもバスはあるが不便なところ。
ドルメン 写真は韓国最大とされている江華島のドルメンのレプリカ。順天市郊外のドルメン公園にある。
 フランスで同様のドルメンを見て興味があった私は、韓国に何ヶ所もあるドルメンのどれかにぜひ訪れようと調べていた。出発直前に、そのうち3ヶ所が世界遺産登録されたことを知り、そのどれかに行きたいとチェック。しかし、時間的に難しく、順天のドルメン公園を訪問。ダム湖のほとりにあり、水没予定だったドルメンを移転し、さらに国内各地のドルメンをレプリカにして展示している。博物館も併設。楽安邑民俗村と同じバスで行ける。順天より約1時間。
 翌日、雲住寺に向かうバスが意外な道を通り、道沿いにあった和順のドルメンも見ることが出来た。

 水原華城・・・水原市内。ソウルの南40分。
水原華城 84年に訪れているが、あまり記憶にない。しかし写真がたくさん残っており、同行の友人が気に入っていたのであろう。(当時私はカメラを持って行かず、写真は友人が撮影)

 昌徳宮・・・ソウル市内。ガイド付のみでの観光。

 宗廟・・・ソウル市内。上記のそば。
ソウル王宮 ソウルを観光したのは84年の一度きり。以上の2ヶ所は訪問しているかどうか定かではない。ソウルには歴代の王宮がいくつもあり、その中の2ヶ所が別々に世界遺産指定を受けている。私はいくつか見た記憶はあるが、手帳には王宮と記しているだけ。昌徳宮は入口まで行き、ガイドツアーの出る時間を確認した記憶はあるのだが…。
 右の写真は世界遺産に指定されていない王宮だと思うのですが、どなたかどの王宮か判りますでしょうか?

 世界遺産はリストが簡単に手に入るから、漏れはないはず。しかし、自分が行ったかどうか判らないなんて、情けない。まあ他国の世界遺産でも判らないところがあるけど…。
夏にソウルを訪れ少し観光したが、王宮は世界遺産以外のもののみ。世界遺産の王宮はまたいつか…

その他のおすすめ

 雲住寺・・・光州・和順から和順郡内バス218番の一部。本数少ない。数キロ歩けば羅州市内バスもあり。入場料1300ウォン。
夫婦仏 千体の石仏と千基の石塔があったという寺。現在も93の石仏と21の石塔が残っている。石仏は韓国式、平べったいユニークなものばかりで、非常に面白い。左の写真は一番有名な夫婦仏。これ以外はすべてちゃんと立っている。

 松広寺・・・順天から市内バスまたは、光州から市外バス。入場料2300ウォン。
松広寺 海印寺と並ぶ韓国3大名刹の1つ。ここの建物は非常に美しい。きれいな青で細かく装飾された屋根や柱、そして外壁には面白い絵がぐるりと描かれている。仏像もたくさんあって見ごたえあり。お寺の中ではここが一番気に入った。

 扶余・・・ソウルからバスで3時間。大田からなら1時間。
百済石仏 6〜7世紀の百済の都。慶州と違って、当時のものの多くが、破壊され残っていない。しかし、それでも見るべきものはたくさん残る。
 特にこの仏像が印象に残っている。雲住寺の石仏同様に平べったいが、大きくて見ごたえがある。
 山中の史跡めぐりや、川下りも出来る。

 安東・・・慶州やソウル、釜山からなら列車が安くて、快適で、速い。本数はバスに負けるが…。
泥川洞石仏 民俗村を見にやってきた街だが、市内や郊外に見所が多い。
 写真の泥川洞石仏は市内バス54番。大岩を胴体に見たて、その上に頭を乗せたユニークな石仏。
 市内バス67番で千ウォン札の絵になっている陶山書院にも行ける。書院とは儒教の寺みたいなもの。山中の落ち着いた所。
 歩いて行ける市内にも見所は多い。そして飲み逃した安東焼酎の里でもある。

インターネットカフェ(PCバン)

 韓国でインターネットカフェが流行っているのは聞いていたが、まさかここまでとは…。バスで通りすぎるような小さな田舎の村にまでインターネットカフェはある。
 韓国では「PCバン」と称す。ビルの上や地下にあり、看板を見つける必要があるが、PCはアルファベットで書かれているので見つけ易い。
 なぜこんなに流行ってるのかとは、入ってすぐに納得。そこはゲームセンター、子供たちの溜り場である。ずらりと並んだパソコンに熱中しているほとんどが子供で、ゲーム一筋。デスクトップには数十のゲームへのショートカットが並んでいた。

 私の入ったのは安東、晋州、順天の3ヶ所。いずれも一時間千ウォン(約90円)。ドリンク付です。メチャクチャ安い!日本の自宅で電話代払ってやるより安いのだからまいる。スピードも少なくとも私の家よりは数倍速い。
 読みだけだが、安東ではすでに日本語がインストールされていたし、順天ではその場でしてくれて数十秒だった。ついでに書くのもインストールしようかと思ったが、どうせ2度と日本人も来なさそうで止めた。(書くのをインストールするにはダウンロードに2倍近い時間、さらにPCの再起動が必要。)

 釜山の中央郵便局には無料で使えるPCが7〜8台あった。有料のところでは持参のフロッピーを勝手に使い、日本語メールを書いたりしたが、ここは使えなかった。
 観光案内所にも1台の観光客用PCあり。キーボードが壊れており打てない文字多数。日本語はインストールされてたけど…。2001年6月には修理されており、しかも2台に増えていた。
 ソウルの観光案内所は十数台が並んでいてほぼいつでも使える。郵便局は3台で何時も込んでいた。いずれも無料。

感想

 日本に一番似ている国はやはり韓国。中国や東南アジアは比べ物にならない。普通にバスタブがあるし、銭湯もある。お辞儀もする。実は親切にしたいけど言い出せないところなんて、日本人そっくり。食事やお酒は改めていうまでもない。

 初めて訪れた84年は、初めての海外旅行でもあり、日本人との違いが目についたが、世界中を旅した後に訪問した今回は、あまりに似ていて笑ってしまうほど。視点の変化でこれほど感じ方が変わるのかと、我ながら感心。途中から国内旅行のような気分になってしまった。

追記:OCT2001、JAN2001


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