地中海の真珠 マルタの情報

 リビア旅行の帰路、1週間ほどマルタに滞在。リビアよりマルタから飛んだ方がはるかに飛行機代が安いという理由での訪問でしたが、とてもきれいな島です。
 91年にも訪れましたが、その時は帰りにイタリアで盗難に遭い(イタリアの夜行列車)写真は残っていません。今回は事前に見所も調べ、ばっちり観光してきました。

出入国

 マルタはヨーロッパのリゾート、観光が主要産業の国です。ビザは不要。出入国も簡単なはずでした。しかし、リビアからの船で入ったので…。
 船は沖合いで数時間待たされ、入港手続きがなにやら大変そう。後から来た船は、停船することなくそのまま入港した。これはイタリアからの船。上陸した時には、イタリアから着いた人はとっくにいなくなっていた。
 一方我々は、イミグレーションでまず長蛇の列。他の乗客は皆リビア人でトランジットらしいが、列の進みは非常に遅い。やっと順番が回ってきたが、係官日本人がビザがいらないという事も知らない。おまけに勝手にトランジットの入国スタンプを押した。ツーリストで滞在すると分り、スタンプは押し直したが、ひどい事をする。(出国時、この押し直しのキャンセルスタンプで、ごちゃごちゃいちゃもんをつけられた。)
 イミグレーションにも時間はかかったが、問題はカスタム。列が出来ておらず、カスタムの入口には、リビア人乗客達が殺到している。抜け道はなく、私も入り、その群集に参加。
 カスタムの検査の様子が見えるところまで来て、唖然とした。服のえりの中や、靴の中敷まで調べている。リビア人乗客達は荷物が少なく、軽いボストンバッグくらいなので、問題なさそうに思ったが、麻薬かなにかを調べてるようだ。一人一人が入念に調べられている。時間がかかるはずだ。ようやく順番になりカスタムまでたどり着くと、「ツーリスト?ウエルカム!」で終わったが…。

両替&通貨

 首都バレッタのトーマスクックで日本円の両替はTCもキャッシュも手数料が5マルタリラ(1300円)と言われビックリ。ここはドルレートも悪かったので他でドルを両替した。あとで何ヶ所か聞いたが、他のところは日本円の両替でも問題ない。港(銀行はない)からバックを担いで歩き、最初にあった両替所だったので、だまそうとしたのかも。船で入国すると最初の銀行まで徒歩約10分、きつい登りです。タクシーもあり。もともとタクシーが非常に高い国なので、ドルで払っても大丈夫でしょう。
 銀行によるレートの差は少しだけ、日本円のレートも悪くない。現金よりTCの方がレートは良い。
 時間外でも現金があればあちこちに自動両替機がある。ヨーロッパ通貨やドルは心配ない。日本円可能なマシンは少ない。当然カードも大丈夫。
 1マルタリラ(ポンドとも言う)は約260円。1リラ=100セント。

移動

 狭いマルタ、どこに泊まっていようとすべての場所に日帰りできる。基本的な移動はバスそして船である。

バス・・マルタ島のバスはほとんどすべて首都バレッタ発着。それ以外にセリーマやブギバといったホテル地区発着のバスも少しあるが、これは高い。時間の方が大切だとは思うが、ダイレクトバスより、バレッタに出て乗り継いだ方が安くなる。一方、ゴゾ島のバスはすべて中心地のビクトリア発着。
 英語の通じる国でバスも時間通りに走っているので使い勝手は良い。行き先はバスナンバーで判断する。だいたいのナンバーや始発、最終の書いた紙が、バス案内所やバスの中で手に入る。

船・・マルタ島とゴゾ島を結ぶフェリーは往復で1.75ML。ゴゾに住んでる人の約6倍!夏はホテル地区から高速船が出ているそうだ。セリーマからバレッタへなど他の区間もあるが使わなかったので詳細は不明。

宿

 セリーマにあるユースホステルは会員料金1人2ML、ドミトリー。実際に泊まったのはユースの近くのエリダゲストハウス、朝食付きで1人4ML。込んでいれば相部屋らしい。なんと70年代から営業している伝統のゲストハウス。いずれの宿も夏のピークシーズンにはもっともっと高くなる。
 ホテル、ゲストハウスリストが観光局にあるが、見せてくれなかった。

言葉

 公用語はマルタ語であるが、ほとんどすべての人が英語を話す。マルタ語の数字はアラビア語と同じ、あいさつはフランス語に酷似。その他ラテン語、イタリア語、英語などさまざまな言葉が混じっている。

食べ物

 パイが名物。具をパイで包んだティンパナとパイの上に具を乗せたパスティチ、とちらも美味。この国の人は歩きながら食べたりもしている。ウサギ料理も名物、鶏肉に似た味であった。
 レストランで食べると500円くらいから、ほとんどのものは1000円以上。マクドナルドやピザハットなどもあるが、日本よりずっと高い。

飲み物

 ワインが安くて美味い。スーパーや雑貨店などで、たくさん売っている。この当たり前のことがチュニジア、リビアから来た身にはとても新鮮に感じた。ワイン一本百円くらいから、でもやっぱり高いのがうまかった。輸入ワインもいろいろある。イタリア、フランスの物はもちろん、チリ産や南アフリカ、カリフォルニアのものまでそろっている。ビールも色々ある。
 カフェでもビールが飲め、値段もコーヒーとさして変らない。
 リビアで禁酒生活したあとの訪問で、アルコール以外には目がいきませんでした。

見所

 マルタは地中海のど真ん中、交通の要所にあるため昔からさまざまな民族がやって来た歴史あるところ。約6000年前の寺院跡から始まって中世の城塞都市など盛りだくさん。ビーチだけのリゾートとは違う。
 どの町も趣があってGOOD。昔からこの島で切り出されている石レンガで、新しい家を建てるので、町全体の調和が取れている。
 遺跡も博物館共に、国がやっているところはすべて入場料が1ML。高くはないが、小さく展示物がほとんどない博物館もあり、むっとくる事もありそう。学生は国際学生証があれば無料、65歳以上もID(パスポート)があれば無料。(なぜか学生証を持っていたので、どこでも気楽に入りました。)
 遺跡や博物館の内容は略しますが、お勧めの場所の列挙しますと
マルタ島:バレッタ、ハジャルキム神殿、ムナイドラ神殿、タルシーン神殿、ムッディーナ、ラバト、ビットリオッサ
ゴゾ島:ジャガンディーヤ神殿、ビクトリア
です。世界遺産であるハイポジュームは修復中のためた入れなかった。修復が終われば見所の一つでしょう。

感想

 アラブ諸国訪問を終え、のんびりするには最高の場所。ヨーロッパの快適さを備えながら、ヨーロッパ水準よりはずいぶんと物価が安い。英語が問題もなく通じるのは非常にありがたく、心が休まる。マルタリラの価値が落ちてきているせいか、物価も以前より安くなっている気がした。小さな島だから当然治安も良く、ここもお勧めしたい場所である。
 ゴゾ島に行ったとき、ストライキでバスが15時半で終わり。十分に見れなかった事だけが心残り。
 ヨーロッパのリゾートだけに、ショッピングも色々出来、しかも安め。難を言えば、商店のオープン時間が短いこと。店によって異なるが、どこも長い昼休みがある。またOPENの看板を出したまま閉まっていたり、CLOSEと出したまま開いていたりと、いい加減な店が多すぎる。

記MAR00

Top Page,フレーム復帰