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梅酒

+++ 必要なもの +++

4Lビン、ホワイトリカー35度、好みの砂糖、ヤカンで沸かした熱湯
南高梅、ボウルや鍋、爪楊枝、タオル


+++ レシピ +++

南高梅1kgに対し、ホワイトリカー1.8L、好みの砂糖1kg(グラニュー糖と上白糖を半々で)
(これで4Lビン1つ分。毎年4ビン作っています)


+++ 作り方 +++

青梅を大きなボウルなどにいれて数時間水に漬けます。
水に漬けすぎると柔らかくなってしまうし、
鼻をすく良い香りがなくなってしまうのでもったいない!
『夜に水を汲み置き、朝に梅を水に漬ける、午後に梅酒を仕込む』かんじで。


先が尖った物で梅のヘソを取ります。
ヘソを取った梅はタオルの上にごろん。水気を取っておきましょう。


熱湯で洗ったビンの水気をふき取り、水気を拭き取った梅を入れます。
ホワイトリカーを入れ、最後に砂糖を静かに入れます。
写真のように砂糖が沈殿しますが、ここで溶かさないように。


時折様子を見ながら冷暗所で2年放置。


2年経つとこのくらいの色が出てきます。
酒造会社の実験でも、作り始めて2年すぎが飲み頃とのデータが出ています。
でも、5年置くと、感動の美味しさになるという言葉を真に受けて、
私は5年は放置しています。
本当に美味しいので、たくさん作っちゃって平気です!



◇◆◇ 砂糖について ◇◆◇

ところで、塩について↓こう思っている人は多いと思います。

精製塩…ほとんどが塩化ナトリウムで、しょっぱい(塩味に深みはない)
海水塩…塩化ナトリウム以外に種々のミネラル分を含み、味に深みがある
こんな理由で料理には海水塩とこだわる人も多いでしょう。
(≫塩の長短はこちら

砂糖にもいろいろあります。

グラニュー糖、氷砂糖…ほとんどがショ糖で、甘い(甘さに深みはない)
上白糖…ショ糖以外に種々の糖分を2%ほど含み、味に深みがある。

本来、外国の砂糖が日本人の味覚(日本の料理)に合わないことから、
日本人の味覚に合う砂糖を求めて、日本人が上白糖を開発した歴史があります。
それを裏付けるように、上白糖は一番売れる(日本人が最も好む)砂糖になりました。

上白糖に2%含まれるショ糖以外の糖分はアミノ酸とメイラード反応を起こし、
とてもよい香りと旨味を作るもとになってくれます。

紅茶を飲むときにはすっきりした甘さを出すためにグラニュー糖を入れ、
煮物には深みと旨味のある甘さを出すために上白糖を入れるように、
梅酒作りも、好みで砂糖を使い分けたら、なんて楽しいことでしょう!

このレシピでは、上白糖とグラニュー糖(or氷砂糖)を1:1くらいでブレンドして、
“すっきり感”と“旨味”の両方をもつ梅酒になるよう調整しました。


◇◆◇砂糖の量について◇◆◇

うちの梅酒は、砂糖を多めに使います(梅1kgに対し砂糖1kg)。
もちろん好みで砂糖の少ない梅酒を作るのもいいのですが、
ここでは“砂糖を多く使う理由”を紹介したいと思います。
:::その1:::
「なめくじに塩をかけると
なめくじから水分が出てくる」

これは“浸透圧の原理”として有名です。
なめくじの周囲を「濃く」することで、
なめくじの水分を引き出します。
梅の周囲を「砂糖で濃く」するほど
梅の旨味が引き出せます。
:::その2:::
「生の果物は日持ちしないけど
ジャムは日持ちする」

ということで理屈は簡単。
砂糖が多いと、開封後も保存がききます。
アルコールも防腐に働いていますが、
アルコールは揮発で失われていくので、
年単位で保存する梅酒作りには
砂糖が多い方が安心と思います。

砂糖が多い、といっても、このレシピで作った梅酒は甘すぎず、
「チョーヤの梅酒よりやや浅めの甘味」になります。


◇◆◇氷砂糖を使わない理由◇◆◇

単純に「単価が高いから使わない」だけです(笑)。
尚、氷砂糖はグラニュー糖と同じ成分なのです(結晶の大きさが違うだけ)。

氷砂糖は、じわじわとショ糖を遊離していくので、
梅酒中の砂糖の濃度が少しずつ上がっていくのがいいんですよね。
(少しずつ旨味を引き出していきます)

でも、この写真にあるように、最初に砂糖を沈殿させた状態から始めて、

そのまま揺らさず放置しておけば、氷砂糖と同等に、溶け方が遅いのが分かります。
数年かけて徐々に溶けていきますよ。

*

いろいろと果実酒を作っていて、
やはり一番美味しく仕上がるのは梅酒と確信してきました。
このページが、梅酒を作る人の参考になれば幸いですが、
逆にいろいろと皆様の秘訣なども教えていただければと願っています。

各家庭ならではのやり方はいろいろ。でも「美味しければそれが正解」!