■組成 | 白色ワセリン 250g ステアリルアルコール 200g プロピレングリコール 120g ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 40g モノステアリン酸グリセリン 10g パラオキシ安息香酸メチル 1g パラオキシ安息香酸プロピル 1g 精製水 適量(全量が1000gになるように) |
■局方収載文書 | ・性状:本品は白色で、わずかに特異なにおいがある。 ・貯法:気密容器 |
■注釈文書 | ・本品はo/w型の代表的軟膏基剤である。 ・局方改正の歴史の中で、皮膚刺激性の緩和を目的として研究し、この組成になった。 ・本品は化粧品様の外観を示し、適用及び水洗除去の容易さにより生理的快感を与える。 ・皮膚浸透性が大きく、乾燥型の皮膚疾患に適用する。 ・主薬の皮膚への浸透性が大きい。 ・油性薬物と水性薬物の両方共に配合しやすい。 |
■感想 | ・親水軟膏は、o/w(水中油型)を代表する軟膏基材で、水ベースなので肌にサラリとなじ んでくれます。そして水分が蒸散した後はw/o(油中水型)となり、オイルベースならで はの皮膚のしっとり感を持続させてくれます。 ・薬局では、軟膏剤を調製するときに医薬品と混ぜる基剤として使用しますが、この親水 軟膏だけなら処方せんなしで販売してくれます(たっぷり入って300円!とか)。 ・よく、アロマテラピー関連の場で、『オイルの皮膚浸透性を助けるためのキャリアオイ ル』といった記載がありますが、皮膚浸透性を目途としたキャリアベースとしては何十 年もかけて改良されたものであるだけに、親水軟膏はベスト基剤であると、私は思いま す。 ・性状は、ふわふわ〜ってして、柔らかくて、上質の生クリームを硬くホイップした感じ です。 ・皮膚浸透性が高いので、手や顔にハンドクリームや乳液がわりに塗ったあと、10分も 経つと皮膚がサラサラします。この使い心地のよさも大好きです。 ・配合した医薬品を共に肌に浸透させてくれるので、身近なところで工夫して使ってみよ うと思います。 ・パラオキシ安息香酸エステルが配合されているので、親水軟膏自体は弱酸性です。何か を配合するときには、このpHに、一応気をつけておこうと思います。 ・でも弱酸性って、肌にむしろよいことと思います。 |
■リファレンス | ・第十四改正・日本薬局方解説書、廣川書店 |
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最終記載日:2004年12月2日