2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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中国>2011年07月26日(Tue)
烏魯木斉行き夜行列車→烏魯木斉→西安行き夜行列車
:: 旅1536日め : 世界旅229ヶ国め : 和人245ヶ国め : あづさ234ヶ国め ::

■帰国まで、あと12日
おそらくこの旅最後になるであろう、「過酷な移動」。

7/23 (パキスタン)カリマバード→ススト
7/24 ススト→中パ国境越え→塔什库尔干(タシュクルガン、中国)→ランクルで夜行移動
7/25 喀什(カシュガル)でランクル早朝下車、列車で烏魯木斉(ウルムチ)へ向けて夜行移動
7/26 本日、烏魯木斉(ウルムチ)到着、すぐ次の夜行移動開始

今日は7月26日。夜中2時頃、コルラ駅で多くの人が下車したので、朝からは1人で2席を確保でき、少し移動が楽になった。
一日を、ずっと、長距離列車の中で過ごしていた。

そして、夕方5時に、この旅で何度目の訪問になるのであろうか、慣れた烏魯木斉(ウルムチ)駅に到着した。

激・混雑! 烏魯木斉。
人の多さは相変わらずの烏魯木斉駅。

中国

私たちは、目指す西安への切符を、既に持っている。

ここから再び列車に乗るわけであるが、今度の列車は「2夜連続夜行」である。パキスタンのカリマバード(フンザ)からここまで絶え間ない移動を続け、昨日と一昨日は夜行移動。なのにまたも、移動が続くのだ。そしてそれを、四川省にたどり着くまで、続けるのだ。

ここから列車に乗ってしまうと、次の訪問地は陝西省(日本語ではせんせいしょう)となる。すなわち、今いる瞬間が、この旅の「新疆ウイグル自治区」の最後になる。最近中央アジア各国とアフガニスタンで女性用のスカーフを買い貯めしているあづさは、ここで最後のスカーフ買いだめのために、ショッピング。「イスラム教の地域でないとなかなか買えない」という思いが、疲れていても商店が集まる地域へと足を運ばせる原動力になった。

その後和人と、新疆の名物料理の1つである「ラグマン」を食べ(食べ納め)に行った。しかし最後の最後で面白い事態に会う。「清真料理」を掲げる店で出てきたのは豚肉のラグマンだ。店の人の風貌や衣服は明らかにイスラム教徒だし、流暢でない中国語で会話して確認もできた。実はこの店に入る直前、あづさは商店の精肉売り場で「肉の価格調査」をしていた。喀什(カシュガル)で会った、大学で日本語を学んだウイグル人と会話をしているとき、今は新疆人も豚肉を食べるようになってきたという会話をしていたので、興味を持っていたのである。その青年の話とあづさの調査によると、今や、羊の肉は豚肉の4倍の値段がする。店で一番値段が高いラグマンは羊肉で作るそうだが、羊ばかり食べていられない経済事情が、新疆の庶民を襲っているのではないかと思われた。何より漢民族が大好きな豚肉は安価で供給されている。そりゃそうだよな~、日本で豚コマ100g100円で買えるとき、ステーキ肉100g400円ばかり食べていられないものな~。我が暮らしを振り返ると一層親身に思える。

あづさは、外部の人間がイスラム教徒は豚肉禁止などと言ってはいけないと思っている。世界を旅すると、髪を隠さないムスリム女性も、酒を飲むムスリムも、ラマダン中に水を飲むムスリムも、世界のイスラムの事実をいろいろ目にすることができる。一方でもちろんコーランの教えを律儀に守る者もいる。そんな彼らと分け隔てなく会話をすれば、彼らが「自分のルール」の中でどう生きていくのか、いろいろな考え方があることが分かるのだ。イスラム教徒は画一的なものでない以上、その人の考え方や戒律を守る度合いの「差異」を個々に尊重していけばいい。今日のことで、新疆を含めたイスラム教地域の動向が、楽しみに思えてきたのは、今日の大きな収穫だなと思っている。

夜10時半。混雑の激しい烏魯木斉駅から、やっと列車にたどり着き、今日から「2夜連続の夜行」の移動が始まった。

この列車で、一路西安を目指す。

もう何日もシャワーを浴びていないかな。あと2晩?3晩?まだまだ移動が続く。

頑張ろう。帰国まで、あと12日。
本日の旅
行動 :烏魯木斉到着、烏魯木斉から列車に乗る
朝食 :カップラーメン/列車内
昼食 :カップラーメン/列車内
夕食 :过油肉拌面(グイユルーバンミェン、豚肉野菜トマト煮込みかけ麺)、茄子拌面(チエズーバンミェン、豚肉茄子トマト煮込みかけ麺)/ウルムチの食堂
宿泊 :西安行き夜行列車
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