2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
 旅して » 2人の世界旅 »旅日記 » 日本 »
 旅して » 旅紀行 »旅日記 » 世界旅» 日本 »
日本>2011年08月11日(Thu)
★平塚→明石
:: 旅1554日め : 世界旅230ヶ国め : 和人245ヶ国め : あづさ234ヶ国め ::

■4年3ヶ月の旅の、最後の日記
今日は、帰宅の日。
平塚駅で青春18切符を買って、東海道線を乗り継いで明石に向かいます。
平塚-熱海-掛川-豊橋-米原-明石。
電車の乗り換えが多いけれど、バックパッカーやってきたら、こんなにもへっちゃらです!
豊橋を過ぎたあたりから、大学時代の親友が電車に乗ってきてくれて、30分くらいでしたが、本当に楽しい会話をすることもできました。



この日記は、いったん今日で更新を終了します。
帰国してから数ヶ月を忙しく暮らして思った、この4年3ヶ月の世界旅のことを、以下綴っていきます。



帰国するということは、日本に戻ってくるということ。
1500日以上離れた郷へ、戻ってきた。

長い旅でした。
出発当時、中学受験の勉強をしていた小学生の姪は、中学生を通り越して、高校生になっていた。

私は、4年以上も日本を離れたからこそ、帰国時に楽しみにしてきたことがある。
「どれだけ日本は変貌しているか。」
「どれだけ私は変容した社会に戸惑うだろうか。」

そういう、外から日本に入る感覚に、どきどきわくわくしてきた。
なのに実際は、まったくもってすんなり日本に入り込めてしまった自分がいた。

なんだそれ、日本ってあまり変化していなかったのか。つまんないなー。


感じたことは、日本自身の変化ではなくて、世界各国との比較でした。
スーパーマーケットの品ぞろえが、怠惰であることに唖然。
粉の種類、香辛料の種類、油の種類が、少なくて、ナントカの素、ナントカ味ドレッシング、そういう、インスタントなものが多くて、脱力しました。外国だと、材料から食事を作るのにな。

電車の中では、みんな携帯いじってばかりで、イキイキとした様がない。アフリカで出会った、日本に住んでいたことのあるオーストラリア人が「通勤電車はみんなゾンビのようだ」と言っていたのも、よく分かる。

帰国後の、感想は、そんなところから始まりました。


あとは、日本って本当に便利ですね。
洗濯機も、冷凍庫霜取りも、車も、いろいろなものがオートマチックで、
ガスコンロだってマッチがなくても自動着火です(外国ではこれは少数派なんです)。
便利が過剰である気もしますけれど、やっぱり便利ってすごいです。

ちなみに、デフレと言われていて、どれだけ物価が下がっているかと思って楽しみに帰国しましたが、実際は物価は出国の頃よりも高いと思うことのほうが多いです。


さて、4年以上も日本社会を棄てていた私も、有難いことに帰国当日から仕事の打ち合わせです。帰国してからこの最後の日記を書き終えるまで、本当に忙しく働いてきました。
でも、長く海外の感覚に馴化したおかげで、仕事の仕方は明らかに変わりました。
暮らしの価値観も、旅の前と後で、全然違います。

私はそれを、大変に幸せなことだと思っています。

旅に出て、全世界でいろいろな社会に触れて、いろいろな人々に合って、自分の価値観は変わる。
仕事なんて、大きなことじゃない。
自分にとって必要なものは、生き生きとした自分と家族なんだもの。



途上国で、お金がなくても物がなくても、「アイアムハッピー」、
満面の笑みでそう言う人と一緒にいると、どれだけ自分も幸せになれるか、想像つきます?
地球の恵みに支えられて、大地に触れて、いい空気を吸って、太陽を浴びて暮らす。

その豊かな幸せが、本当にすがすがしく、最高なんです。



私ね、旅に出て本当に良かったと思ってる!

旅に出て、「働かない生き方」をいっぱい目にして、本当に分かったの。みんな、自分が本当に大事なものは、自分自身が生き生きとすることと、家族が幸せに暮らすことなのですから。


これから仮に50年続く2人の人生に対し、この旅は、4年。短いよね。
こんなに長く旅をしたのに、旅って、短いな。

2人で厳しい旅を越えて、精神的に豊かになったし、同じ価値観を共有できるようになったから、これから先ずぅっと幸せなのだと確信する。




生きる本質を教えてくれた、特に途上国で交流してくれた人々に、本当に感謝しています。
そしてその世界を一緒に歩いてくれた和人にも。


旅で得た財産は、そういう「思い」です。
その大事なものが分かっているから、和人は、単に観光地めぐりだけでない、本当の旅に私を歩ませてくれたのだと思います。









旅に出て良かったこと、他にもいっぱいあります。
ここから下に、綴ってみます。



まずは、冒険。
旅だもの、子供心のような冒険心がなくちゃ楽しくない!
そして幸せなことに、私たちは、旅の道を自ら切り開く、本当の旅ができました。
調べて調べて、聞いて聞いて、切り開いて進んだ道。冒険の成功は私の誇りです。

今世界一周が簡単になり、有り余る情報から自分に合うものをチョイスすれば簡単に旅ができる。もっと簡単に言うと、他人の旅の真似をする人が多いと思う。でも私は、旅の道を切り開く、そういった意味での「旅人」でありたいと、ずっと思っていた。だから、未知の道を進んだ。



間違いなくこの旅の一番の冒険だった。ケニア-エチオピア、トゥルカナ湖西岸国境越え。
エチオピア

安全なアフガニスタンを目指した。何があるかも予測もつかなかった町の滞在。
アフガニスタン

緑の魔境コンゴザイール。そしてピグミー村を見つけ当てた。
コンゴ民主





あとこれも非常に重要なことなのですが、
語学に関心と興味と楽しみをもて、小さな特技になりました。
語学って、自分の世界を広げてくれる財産です。

旅の序盤英国圏。英語の壁にとまどう毎日。
アイルランド

フランス語を一番頑張っていたのは、フランスではなくて西アフリカでした。
モーリタニア

中米グアテマラでスペイン語学校。3週間猛勉強して、その後ずっとスペイン語圏。
グアテマラ





私の旅の嗜好は、「伝統文化」にある。
だから自分からそこにある文化に入り込む努力をした。
伝統文化の中で生きる人々の暮らしに入っていった、その思い出は格別です!

イヌイット(エスキモー)の村でホームステイ。
グリーンランド

世界最高所、南米チチカカ湖の、草で作った浮島でホームステイ。
ペルー

地球の隠れ家、秘境バヌアツのタンナ島。
バヌアツ





「その町に住むみんなが、私たちを歓迎してくれた。」
こういう旅って最高!!
観光地や大都会では難しいことだから、旅行者がなかなか来ない辺鄙な町や村へ行くのは、本当に醍醐味、旅の喜びなんです。

新疆ウイグル自治区、アイデン湖の、ツーリストの来ない村。
中国

スーダンの東の果て、国境カッサラの町。
スーダン

ウズベキスタン、国境デナウの町。
ウズベキスタン





家族のような、自分の居場所のような、一生忘れられない交流ができたこと。

和人が初めて住みたいと思った海外の国、大西洋の孤島セントヘレナ。
セントヘレナ

天使のような子供達と家庭で過ごした、フィンランド。
フィンランド

遊牧民ゲルに感動のホームステイ。モンゴル。
モンゴル





一生の友人のように、仲よくしてくれた人もいる。
メールやインターネットの時代に、Keep in touchに、本当に感謝している。

いろいろな人の家で、いろいろな文化とお料理を学べたこと、すっごく良かった!
いろいろな人が教えてくれた美味しいごはんを、家でも作って、和人と思い出語りながら食べたいな。

北京で中国料理。
中国

パリでフランス料理。
フランス




政治のこと、今まであまりよく知らなかった。だから和人に教えてもらいながら、ものすごく勉強した。

歴史のこと、今まであまりよく知らなかった。だから和人に教えてもらいながら、ものすごく勉強した。

宗教のこと、痛いほど、身にしみた。
宗教は、そこに住む人々の規律も道徳も束縛も自由意思も美徳にも、あらゆるものに影響している。


ああ、もっともっと書きたいことがいっぱい!
動物もいっぱい見たし、観光地もいっぱい行ったし、世界中の料理を勉強した!

ペンギンとの対話。南アフリカ。
くわちゃん

ワオキツネザルとの対話。マダガスカル。
わおちゃん


もっといろいろなことを見たいな、知りたいな。

だから、私は、いつかまた、旅をしたいです。

幸せにしてくれて、本当に、ありがとう。
また、和人と、旅をしたい。

この2人の世界旅は、4年3ヶ月、1554日、世界230ヶ国。

順風も逆境も、どんなことも乗り越えてきたあとで、
世界中の異国の思い出を語ったり、世界中で培った知識を共有して会話する。
一生、ずっとずっと、会話が楽しいのだと思うと、未来が楽しみで仕方ありません。

本当に、様々なものを学ばせてもらえ、ありがとうございました。

それが、この旅を終えた後の、一番の思いです。



この日記は、いったん今日で更新を終了します。
読んでくれた方に、御礼申し上げます。
ありがとうございました。

松本あづさ
本日の旅
行動 :平塚から明石へ移動
朝食 :コーヒー、トースト、ハム、チーズ、桃ヨーグルト、カマンベールチーズ/あづさ実家
昼食 :どらやき/列車内
夕食 :筑前煮、納豆、ねぎとかつおぶしの冷や奴、ピーマンとじゃがいもの炒り煮、ビール/自宅
関連ページ
行程 行程  お金 お金  写真 写真  お宿 お宿  ご飯 ご飯  ≫2人の世界旅トップ
旅情報

*JR西日本ホームページ
http://www.westjr.co.jp/