:: 旅983日め : 世界旅176国め : 和人235ヶ国め : あづさ190ヶ国め ::
■ラパスを出る日に
朝、和人がバスターミナルへ行ってくれました。泊まっているところはそれなりの観光見所が集まっている、ツーリストの多いサンフランシスコ地区ですが、バスターミナルはそこから少々離れています。今夜の夜行バスで移動するための、バスチケットを買いに行きました。
和人が帰ってきたら、「やられた」と一言。背中には、肩から靴まで、黒いものがかけられていて・・・。
南米ではよくある、「ケチャップ強盗」と称される強盗です。グループで犯行に及び、1人がケチャップの類をひっかけ、他の人が 【何かついてるよ】 と声をかけ、気をそらしているうちに荷物を盗るというのが手口です。
でも今回かけられたのはケチャップではなく、ドブのヘドロに匂い消しのための辛子を混ぜたもの・・・。ひどい・・・。幸い何かを盗られるという被害はなかったのですが、流石、世界有数の最貧国ボリビアの、危険地帯ラパスLa Paz・・・、危険なところだなぁと実感しました。
ズボンとシャツを洗ったこともあり、私たちはお金の持ち方を変えることにしました。ポケットに少々の小銭を入れ、・・・まああとのお金の持ち方はヒミツにしておきましょう。そして、幸い今日はお天気が良かったので、洗ったズボンも出発までには乾かすことができました。
夕方バスターミナルに行きました。バスターミナル前はこんなところです。「すり鉢状の街」と表現されるラパスの様子、分かります?
ラパスは高地で寒いのでここに来るまでは着込んできましたが、バスに乗る前に1枚脱いでおこうと思ったとき、誰かが和人に 【何か落としたよ】 とコインを見せています。ここからはあづさも迂闊だったのですが、先述のように、お金の持ち方を変えていたことがあったので、「ズボンのポケットからさっき入れたコインが落ちたのね」と思ってそのやりとりを「見てしまった」んですよね。見ていた時間は一瞬ですけど。・・・でも、その間に、パスポートを含めて、幾つかのものが、盗られていました。
ショックを受けたかどうかと聞かれると、正直言ってよく分かりません。
数年前に同じくラパスで強盗に遭ったときは首絞め強盗で、翌日日本人通訳に「命があって本当によかった」と言われるような、命を落としてもおかしくない事態でした。でも今回はうっかりした隙のスリですから、体は無傷です。元気です。
しかし、こんなに旅していても窃盗被害に遭ったのはこれまで2回で、あづさ通算渡航国が190ヶ国にもなるというのに、2回とも同じ国の同じ街だなんて・・・、これって鬼門ということなのでしょうか? それとも昨日の日記に書いた日本大使館医務官の話の通り、標高3800mの高地(低酸素)ゆえ私の脳みそ機能はラパスに来ると低下してしまうのでしょうか?
数年前のときは、翌日観光警察に行って盗難証明書を発行してもらって日本大使館でパスポート再発給の手続きを受けて、旅を再開しました。皮肉にも同じ国の同じ街ですから、今回もやるべきことはまったく同じです。ともあれ明日は上記2ヶ所に行かなければならないので、今いるバスターミナルに近いところに宿をとって、部屋に入りました。
盗られたものを整理してみました。お金はちょっとだけだし、インクの出方がおかしいペンとか、どこかで拾った髪留めのゴムとか、しょっちゅう時刻が0時0分に戻るアフリカで買った安時計とか、しょーもないものが多い(苦笑) でも観光警察に提出する書類にはそれらを逐一書かなければいけないことを知っているので、PC辞書でそれらのスペイン語名を調べてまず紙に書き出しました。
ああでも、失ったものがカメラとかパソコンだったり大金だったり、もしくは自分自身が怪我をしたりしていたら、めちゃくちゃショックを受けていたと思う。パスポートはお金を出せば買える。小さなデジカメ1個+記録メディアの数分の1の値段だもの。撮った写真や大金は失ったら帰ってこない。・・・でもまあそれはここがラパスだからそう言えること。地方でパスポートを失ったら、日本大使館のある都市まで行かないといけないから、被害に遭ったのがラパスだからこそ救われる面もあります。
こんな私でも、数年前の首絞め強盗の日の夜は、寝ても頭の中で強盗に襲われながら強盗に対抗するような嫌な夢を見ていました。でも今回は、宿に入っても落胆するような感じはありません。何故かむしろ「やる気」が出てしまったくらいです「もしカメラを撮られてしまっても失うものが少なくなるように撮った写真はどんどん外付けHDやPCにバックアップを取ろう」とか、「もし旅の記録メモがなくなっても後悔しないようにメモ用紙を写真に撮ってバックアップを取ろう」とか、「もしPCや外付けHDが盗られても失うものが少なくなるようにSkyDrive(≫
こちら)に写真データをどんどん上げていこう」といった具合です。部屋では和人の記憶とも照合して、最近記録したメモ記録内容の復元を頑張っていました。
でも、もちろんそれなりのショックは受けています。でもそのショックにやる気が加わってしまって、自分も強くなったなあと、思います。
夜は、作業に徹してほとんど眠れませんでした。
本日の旅
行動 :ラパス滞在、強盗に遭う
朝食 :パン、ジャム、バター、コーヒー/宿
昼食 :Thinpu de res(ティンプーデレス、牛野菜スープ煮)、パパ(ゆでじゃが)、チュニョ(ゆで脱水じゃがいも)、サフタデポジョ(Sajta de pollo、鶏野菜スープ煮)、パパ、チュニョ、玉ねぎ香草トマト乗せ、sopa(ソパ、ゆで汁)/ラパスの食堂
夕食 :Pollo al horno(ポジョアルオルノ、鶏のオーブン焼き)、tallarines(タジャリネス、パスタ)、papafrito y postres(パパフリトイポストレス、フライドポテトとフライした甘いバナナ)/ラパスの食堂
宿泊 :ラカサデラアブエラLa Casa de la Abuela
旅情報
1ボリビアーノ=13.5円
*観光警察の場所
ラパスで被害に遭ったら観光警察へ。スタジアム(スペイン語でEstadio Hernando Siles)の前にあるロータリーに面したところにありますが、看板などを出していないので近くに行ったら誰かに尋ねるとよいでしょう。