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ピラポ

情報|08Feb2010|URL
 南米を旅していると色々な場所で日系の人々と会う機会があり、自然と日本人移民の歴史に関心が向く。南米を旅するなら日本人移民の開拓した日本人入植地を訪れたいと思う人は多いはずだ。現在は、パラグアイのイグアス市が、ガイドブックに載っており、大観光地イグアスの滝に近いことや日本人経営の宿が何軒もあること、交通の便が良いことなどを理由に訪れる人が多い。
 我々が訪れたのはイグアスに近いが別の入植地であるピラポ。日本人移民が開拓した日本人入植地は各地に点在するが、日本人入植地として世界最大なのが、パラグアイにあるこのピラポだ。ここでは今も多くの日本人が住んでおり、2世、3世の人も日本語を話す日本人社会が存在する。そういう意味ではイグアスよりもおもしろいのではないかと思われるが、中心部に宿がないのでお勧めするのは難しいかな。でも本当は是非多くの人に知ってほしい場所。
 1960年代に始まった高度成長による労働力不足によって日本から移民する人がほぼいなくなったため、新たな入植地は開かれなくなった。このため、一番新しい(最後の)入植地が1962年から開かれたイグアスで、その前が1960年からのピラポ。現在50年弱の歴史なので、1世の方がまだまだ健在。開拓当時の話を直接の当事者から今も聞くことができるのがこの2ヶ所の大きな魅力だろう。
 ピラポはエンカルナシオンの北数10キロにあり、広大な面積を占めている。シウダーデルエステとエンカルナシオンを結ぶ幹線もピラポを通るが、市役所、日本人会館(開拓当時の写真展示あり)、農協(大スーパーがあり、ピラポ産の納豆や豆腐、味噌などが安い)、学校、銀行などがある中心部は幹線から7キロ入った場所にある。エンカルナシオンからピラポ行きのバスに乗ればこの中心部まで来れるそうだが、本数は少なそう。ピラポに4泊したが一度も見ていない。我々は幹線からの分岐でバスを下車、ヒッチハイク、待ち始めて数分で来た1台目の車が乗せてくれた。昔来たときもそうで、ヒッチは難しくないと思われる。まあ7キロ、歩くことも可能だろう。地平線まで広がる大豆畑を見ながら歩くのも一興か。