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2016-7 イタリア、バチカン、マルタ

イタリア、バチカン、マルタの3ヶ国周遊 by Azusa
日記:2016年12月26日(Mon)

→オルビア→アルツァケーナ→アルゲーロ


「サルデーニャ」「サルディーニャ」「サルディニア」「サルジニア」・・・ここは、イタリアの離島にあたる、地中海の素敵な素敵な島。「Sardegna」がイタリア語です。「de」にアクセントがつき「gna」が「ニャ」の音になるので「サルデーニャ」。「Sardigna」がサルド語すなわちこの島の言語表記です。「サルディーニャ」ないし「サルディニア」。「ディ」の音は日本語にはないので、「サルディニア」を日本語表記にすると「サルジニア」。ついでに英語表記は「Sardinia」で、これを日本語表記にしても「サルジニア」。

高校の社会科では「サルジニア島」と習った記憶がありますが・・・、さて、ここからの表記をどうしましょう、悩みますね。・・・ちょっと悩みましたが、悩んでも仕方ないかな。当面「サルジニア」と表記していくことにします。

サルジニア島は広い島で、四国よりも大きく、イタリア本土の約1割に相当する面積をもちます。大きい上に見どころも点在していて、公共交通機関も至便ではないので、ここは、最後まで悩みましたが、レンタカーを借りて移動&観光をすることにしました。

イタリア本土からフェリーで9時間、サルジニア島の旅の玄関口となるのはオルビアOlbiaの街です。下船して、朝7時くらいに空が明るくなってきたので、少しオルビアの街を歩くことにしました。オルビアの目抜き通りを歩き、さらに1000年以上の歴史を持つサンシンプリッチョSan Simplicio教会などの観光をし、そしてレンタカー会社のオフィスへと歩いて向かいました。

今回借りた車は、シトロエンの左ハンドルのマニュアル車です。最近は日本でもマニュアル車に乗っているので、海外レンタカーがこんなにも運転がスムースに!! やっぱり慣れ親しんでいるとここまで違うものですね。ともあれ順調に車は走りだしました。

今日の予定は、アルツァケーナArzachenaの郊外にあるヌラゲやネクロポリスの観光。そして、島北部を西にドライブをして、宿のあるアルゲーロAlgheroへと向かいます。

ヌラゲ(Nuraghe)とは。
サルジニア島のいたるところに点在している、紀元前3000年?から紀元前500年ごろ?の間に作られてきたという石の建造物です。石を円筒タワーのように積み上げたり、城壁のようにしたり、またその形や規模や残存度はヌラゲによっても異なります。当時は島全体で2万のヌラゲがあったと推測されており、今も7000のヌラゲが残っているそうです。

さあ、到着しました!
最初の観光はトンバデルギガンティTomba del Giganti。「トンバ」は墓石の意味ですね。巨石が並ぶ遺跡です。

次にネクロポリディリムリNecropoli di Li Muri。

Necropoli di Li Muri

ネクロポリまたはネクロポリスとは地下神殿や墓所のことです。石の遺跡って浪漫ですよね、見ていてとてもわくわくしてきます。ネクロポリディリムリの入り口付近では犬のお散歩に来ているおじいさんもいて、のどかな光景が、一層のどかに感じられました。

遺跡の観光が終わったとき、犬のお散歩をしているおじいさんが声をかけてきました。近くの丘の上の岩を指差して

「もしよかったら、あの岩まで行かないか。360°の眺めが見られるんだ。」

と誘ってくださいます。そのときは、えーおじいさんあんなところまで登ったらしんどいよ(^^ゞ と思ったものの、歩いてみると割とすぐのところにあって、そして行ってみたらそこはおじいさんの家だったのです(笑)

そこは素晴らしい家でした。終の棲家(ついのすみか)としてドイツ人おじいさんが選んだ場所は、魅惑的な巨石や古代からのパワースポットにあふれる、言葉の通り見渡す限りの360°の眺めがある、筆舌に尽くしがたい絶景の場でした。何kmも離れた道路を走る車の音がかすかにするだけで、あとは、鳥の声が時折聞こえる、心地よい静寂そのもので、まさに楽園です。おじいさんはここにお一人住まいなのだそうです。ゲストハウスも運営されていて、家のお庭も、家屋も家具も素敵なものばかり。

美味しい飲み物やフルーツをいただき、おじいさんがおすすめするガーデンではひさしつきのお昼寝チェアを出してくれ、私たちは楽園の午後のひとときをゆったりと過ごしました。

 * * *

予定していなかった素晴らしいひとときを過ごすと、もう午後3時を過ぎていました。ここからアルゲーロAlgheroまではロングドライブです。イタリアの道路や運転は日本にはないものがたくさんあって困惑もしましたが、ともあれ無事にアルゲーロに到着しました。

サルジニア島は、思いがけない出会いから、到着早々にして素晴らしい体験ができました。おじいさんが終の棲家と決めた家があまりに素晴らしくて、私も、何というか、帰国してからの住まいづくりをもっと頑張ろうと、一層ヤル気をいただけたのでした。
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