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2016 北東アジア周遊
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中国東北部、シベリア、極東ロシアの旅
Day2 北京空港-長春空港-長春
朝早いフライトなので4時半には起きており、朝食ビュッフェの開始時刻5時にレストランへ。まだ客はおらず、従業員が品物を並べている最中で、ゆっくりと食べるものを選ぶことができた。品数はまあまあで、味も良かったが、ゆで卵以外はベジタリアンフード。ジュースもコーヒーも不味かったのが残念だった。
5時45分の送迎バスで空港に向かう。昨夜チェックイン時に最初は5時15分のバスを勧められたが早すぎるので、6時15分のバスを希望した。しかし、フロントの人が間に合わなくなるぞというので仕方なくのこの時間。しかし、福岡でボーディングパスをもらっていたのでチェックインに並ぶ必要はなく、1時間以上もゲート前で時間を持て余す。チェックインのカオス状態を見ているのでホテルフロントのいうことも理解できたが、次回はチェックインしてあるのでと強く言おうと思った。
ホテルのビュッフェでお腹一杯なのに機内食が出されるとつい手が出てしまい、食べ過ぎで苦しい。
長春空港にある龍嘉駅で長春行きの切符とともに明後日の大慶行きの切符も購入した。龍嘉駅は小さい駅だし、飛行機のタイミングでしか客が来ないので行列が短く切符が買いやすい。自動販売機が数台あってそちらなら列はないのに中国人がなぜ窓口に並ぶのか・・・。外国人旅行者は中国の身分証がないので窓口に並ばざるを得ないが彼らは並ぶ必要ないのに新しいものは苦手なのか。
列車は込んでおり、立ち席の人もいたが、窓口で無事に指定席が買えたので助かった。とはいえ長春駅までの乗車時間はたったの15分、高速鉄道なのであっという間だ。
駅前に映画のモニュメントがある。長春には満映(満州映画協会株式会社)の施設を引き継ぐ中国最大の撮影所があり、ここは中国映画芸術発祥の地なのだ。
ホテルは日本から予約しておいた錦江之星。予約するにしても普段は中国のサイトでするが、今回はじゃらんを使った。中国のサイトからならホテル予約は基本的に現地払いでキャンセル料もかからないが、じゃらんでやると同じ値段で前払い。そのうえキャンセル規定が厳しい。でも今回は貯まったポイントを使いたかったのでした。
昼食は近くの店で。犬肉を食べたことのない妻が専門店を見て入りたがったので、入ってみた。私自身は同じ吉林省の延吉朝鮮族自治州で以前トライしており、非常にまずかった記憶があり、気は進まなかった。しかし、今回は食べてみると2品とも非常においしく、中華と朝鮮の良いとこどりしたかのような味である。前回は朝鮮族の店で、今日は漢族の店だったためだろうか。
吉林省の省都長春は、満州国時代の首都新京だった都市だ。日露戦争の後にロシアからこの地域の権益を得た日本が建設した計画都市で、非常に整った道路計画が成された街であることが地図を見ると一目でわかる。今も当時の建物が点在しているが、現在の残念な日中関係を反映し、観光資源としても活用もなされず、保存状態の良くないものが多い。今日は満州時代から残る建物を中心に見ながらひたすら歩いてこの計画都市を味わうことにした。一部の有名な建物には表示もあるが、基本的にはそのようなものがない建物が多く、改装も進んでいるので当時の物か判別のつかない建物も多い。しかし、多くはその作りからこれだと分かるのも面白いところだ。
最初に案内板の残っていた建物は長春駅前にある春誼賓館。1909年に大和ホテルとして営業を開始したホテルで、ここは今もホテルとして営業をしている。ロビーの写真でわかるように非常に立派なホテルだが、古いために意外に安く泊まることができる。実は数年前、大連に残る旧大和ホテルに予約していたところ飛行機が遅れ、泊まれなかった経験がある。もしホテル予約の前にこのホテルに気が付いていればここに泊まることを考えたはずだが、今のところに前払いしてしまっており、残念。
駅から少し南に歩くと郵便局がある。今も郵便局として使われているこの建物は1910年建造の郵便局であるが、ここは案内板なし。
さらに進むと1931年建造の旧満鉄図書館。
次は旧満州国国防会館で1937年建造。
そして、一番目立つ日本の城のような建物が、旧日本関東軍司令部。現在は共産党吉林省委員会となっているために、案内板などなく、しつこく写真を撮っていると怒られる。
同じ敷地内に当時の建物がたくさんあるが高い壁に囲まれ、屋根しか見られないのが残念だ。
共産党と同じブロックにあるのが広大な敷地を持つ松苑賓館という5つ星のホテルがある。ゲートがすでに歴史が感じられるものだ。
松苑賓館はいくつかの建物に分かれている。いずれも歴史あるものであると一目でわかるが、案内板はない。関東軍司令官官邸だった建物はネットで写真が見つかるが、木々に囲まれた寺院ぽかったものは見つからなかった。ここのロビーで一休み。
次は、旧東本願寺新京別院。1937年竣工の寺院だが、取り壊しが進んでいる。
東本願寺の周りは写真のような工事用の覆いで囲われており、ショッピングセンターに変わるのかと思って見学したが、調べてみると無許可工事であったため工事中止、原状回復が命ぜられたという2014年の記事が出てきた。
計画都市のほぼ中央部に位置するのが現在の人民広場、この周りにも歴史ある建物が並んでいる。現在中国人民銀行長春分行となっているのは、旧満州国中央銀行。
続いて、旧満州国電信電話株式会社。
さらに南に歩くと左手に牡丹園がある。その敷地内に旧日本神武殿がある。神武天皇が祀られていた場所で、武道館としても使われた。現在は吉林大学の講堂。
皇帝溥儀の新宮殿は1938年に起工したものの未完成に終わった。後に設計を変えて完成し、吉林大学地質宮博物館として公開されていたが、現在は工事中で近づけず。
新宮殿の南に続く大通りにも重要な建物が並んでいた。まずは1935年完成の旧満州国軍事部。現在は病院になっているのでここは内部にも入ることができた。
軍事部の向かいには旧満州国国務院。
さらに旧満州国司法部。
そして旧満州国交通部などが続く。
本日最後に見たのが、旧満洲国総合法衛。総合法衛は最高検察機関を意味していた。
総合法衛の前から駅行きの市バスに乗って駅に戻り、そこから歩いてホテルに戻る。睡眠不足のまま歩いて観光したので非常に疲れた一日。
*本日の宿:錦江之星 長春火車站店 (ジンジャン イン長春トレイン ステーション ノース スクエア)
*本日の移動 送迎バス:ホテル→北京空港, 中国国際航空:北京空港→長春空港, 高速鉄道:長春空港→長春