丸5日以上島影を見ることもなく航海を続けたが、いよいよサウスジョージア島到着の日となった。今までなかったモーニングコールが今日は午前3時半に鳴らされることになっているが、それよりも早く目覚める。船はすでに停船し、サウスジョージア島のセントアンドリュースベイにて停泊していた。3時58分の日の出より前なので薄暗いが、波は穏やかで上陸できそうだ!

いつもは6時半からのコンチネンタルブレックファーストが今日は3時半からやっているので、初めて食べてみる。

4時過ぎに、上陸可能で準備するようにアナウンスが入る。今日もトリスタンダクーニャの時と同様に、ゾディアックボートに分散乗船し、島に渡る。ボートの順番が回ってきたのは4時半過ぎだった。島が近づくと無数にペンギンがいるのがわかり、ワクワクしてくる。

5分ほどで島に着いて上陸。先に来たクルーズスタッフが、旗を立てており、歩いて行く道の指示をされる。近くにはアザラシがたくさんいるが、ペンギンは遠い。

ナンキョクオットセイ(Antarctic Fur Seal )。オットセイはアシカの仲間で、よく動いており、人に近づいてきたりもする。

ミナミゾウアザラシ(Southern Elephant Seal )。オットセイと比べ何倍も大きいが、ほとんど動かない。大きな鼻から象アザラシの名前がついているが、鼻が大きいのはオスだけ。

少し進むとペンギンがたくさんいるところに到達する。ケープタウンなどにいるペンギンに比べるとずっと大きなキング(王様)ペンギンだ。19世紀まではこの種が最大のペンギンとして知られ、キング(王)の名が冠されたが、19世紀に南極大陸に探査の手が伸びた結果、さらに大きなペンギンが発見され、そちらは名にエンペラー(皇帝)が当てられたのだそう。

川のところまで来ると無数のペンギンが集まっており、オットセイやアザラシもゴロゴロいる。水を飲みにいてるのかと思いきや涼みに来ているのだという。雪が降っており、すごく寒く感じるが、彼らにとっては今が夏で、非常に暑いのだとか。

川の向こうには平原が広がり、どこまでもペンギンのコロニーが続いて見える。しかし、残念ながら川を渡って進むどころか、川べりに出ることも禁止されいた。

水色の上着はクルーズで用意された極地用ジャケット。これがなければ耐えがたい寒さ。黒い救命胴衣は意外に重い。ダクーニャの時は港に置いて歩けたが、ここではずっとつけたまま歩かねばならなかった。リュックに水やタオルを持って行ったが、地面に置くことも許されないので、出すのも面倒。この後の上陸からはリュックを持って行くのは止めた。

川沿いに内陸に進み、しばらく歩いた地点が、今回歩いて良い場所の終点だ。氷河の末端まで歩いて行けそうだが、時間もなし、スタッフの監視もあるので素直にここから引き返す。

同じ道を戻るのだが、ペンギンたちが私たちが歩くところに出てきており、来る時よりもずっと近くでペンギンを見ることができる。他の場所でペンギンに会った時にも思ったが、ペンギンは好奇心が強く、人に近寄ってくるのだと思う。

ペンギンと海獣はお互いに無関心で避けているように見えたが、ここではナンキョクオットセイとペンギンが対話していた。

ここにいたペンギンのほとんどはキングペンギンだったが、少しだけジェンツーペンギンの姿もある。キングペンギンに混じっているのでかなり小さく見えたが、ペンギン18種類のうち、コウテイペンギン、キングペンギンに次いで3番目に大きい種類だ。歩き方に特徴があり、ユーモラスなペンギンだ。

子供のナンキョクオットセイも好奇心が強いのか近づいてくる。

オオフルマカモメ(Southern giant petrel)。カモメという名称を持つが、カモメの仲間ではなく、ミズナギドリ目ミズナギドリ科フルマカモメ属の鳥で、翼開長は2メートルもある。ペンギンに混じっていたので仲が良いか思いきや、ペンギンの雛を捕食し食べるのだそう。

上陸地点に戻ってくると着いた時には全然いなかったペンギンがやたらと集まっている。

上陸地点から海岸沿いに延々とペンギンの群れ。上陸時にこれだとすごく感動しただろう。

オットセイは凶暴な面もあるのか、時々けんかをし噛みつき合っている。怪我をして血を流すまでやっているのもいて、近くで始まると少し怖い。

上陸して1時間半、6時を過ぎると気温も少し上がってきて、ホッとする。

上陸地点から歩いた方の逆側から続々とペンギンがやってくる。

妻の前を素通りしたペンギンは私の前に並び、挨拶をしてから進んでいくのであった・・・ような(笑)。

帰りのゾディアックボートに乗るのをペンギンが見送ってくれる。

ゾディアックボートに乗るところの写真を撮りたいこともあり、妻とは違うボートにしたので、妻が出発してからしばらく海岸で待つ。海岸にいたペンギンが次々と海に入って泳ぎだした。

逆側からは相変わらず続々とペンギンが集まってくる。

ゾディアックボートはまっすぐ船には向かわず、近づけなかった川の向こうのペンギンコロニーに会場から近づいてくれた。

大勢のペンギンに見送られている気分になりながら、7時前にクルーズ船に帰着する。

着替えて一息ついたら、いつも通りの朝食が始まる。写真のものの他に豚粥もしっかり食べた。たくさん歩いた後なので朝食がおいしい。

8時に船が動き出した。次の場所まで移動する間は島が見えていることだし起きていようと思っていたが、つい寝てしまう。
****この日は長いので日記は3分割。17日目-2に続く。****