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2023年酷暑期のインド

32日目 ムンバイ-

　最終日、朝から雨は降っていたが、小雨なので出掛ける。まずはATMを探して歩く。昨夜もそうだったが、Googleマップで調べた場所に行ってもなく、苦労した。昨夜ATMを探している時に「ATMは数が減ったので、今はどこにあるか分からない」と言われたのを思い出す。ATMが減ったのはごく最近のことらしい。QRコード支払いが急速に普及したインドは一気にキャッシュレス社会になっている。ATMが減っているのはその影響だろう。何とか無事にATMを見つけ、現金を手に入れた。
　現金を昨日ほぼ使い切り、屋台で朝食をとるにもお金がなかったのだ。朝から焦りながら歩いたのですでに空腹、ATMに一番近い屋台で朝食にする。食べたのはカトゥレトゥ。マッシュポテトサンドのてんぷらだ。

　もう一品はダルワダ。豆コロッケ？エジプト辺りのターメイヤに似ているかな？

　どちらも実際に食べる時は潰してチャツネとサンバルをかけて混ぜるので見た目はよく似てしまうし、味も似てしまう。写真はカトゥレトゥ。

　この後、昨日行ったスーパーへ。昨日キャンセルした土産を買うだけのつもりだったのに、妻は真っ先にドーサパン（ドーサを焼くための平らな調理器具）売り場に行って動かない。昨日も気になっていたそうだが、選ばなかったはず。昨日この店でキャンセルした金額に食事代と空港までの交通費を綿密に計算してキャッシングしたのだ。これを買うとまた現金が足りなくなるのに、近くにはATMがない。反対したが、押し切られ、ドーサパンは買い物カートへ。

　昨日の昼に入ったレストランが美味しかったので、インド最後の食事はその店と決めていた。しかし、そこは値段が高く、ドーサパンを買って現金不足になったので入れない。物価の高いムンバイは食事代も他のインドよりは高いのに昼食に使えるお金は一人80ルピーくらい。屋台で軽食くらいしか食べられないかなと思って歩いていると安くて食べ応えのありそうなメニュー看板を見つけた。一番高いセットの食事でも50ルピー(80円)！　助かった。

　私は当然一番高いセットを頼む。ライスプレートだそう。盛り切りだと思っていたら、ターリーと同じように食べ放題で大満足。

　妻は最後まで食の収集ということで食べたことのないミサルパオを頼んだ。パオはパンなので、麺の入ったカレーがミサル？

　料理についていろいろ妻が質問するので、カンダパジア（たまねぎのパコーラ）やプリも試食でいただけた。
　最後は店の人々と記念撮影。安飯屋でばかり食事をしていた昔の旅を思い出し、懐かしい気持ちになる食堂だった。

　雨が止んでいたので、少し歩いて空港へのダイレクトバスがあるバス停まで歩く。20分間隔で来るはずのバスがいくら待っても来ず、雨まで降りだした。もうオートリキシャで行く現金も残っていないので、バスをひたすら待つしかない。暇つぶしにスマホを使って、ATMの場所を探したり、ひんぱんに来るバスに乗って乗り換えで行くルートを探したりしていた。1時間近く待って空港行きバスが来て、ホッとする。
　空港に着いた時点で残りルピーは100以下。空港に入ると何も買えそうにないので、手前のガソリンスタンドまで戻って、ラッシーを飲む。

　さらに余ったお金でスナック菓子を買いルピーは使い切った。
　空港の建物に入ったと同時にスコールがやって来た。ルピーの使い切りどころか、バスターミナルから空港への移動も難しいような雨だ。
　これで今回のインドの旅は終了。行き残したと思っていた場所にもだいたい行けたので、インドはこれが最後かも。といいつつ、5年ビザを取ったし、ラクシャディープ諸島を残したので、すぐまた行くかも。
　帰りも全日空機の直行便。飛行機は空いており、快適だ。久しぶりにワインをたくさん飲んだ。

　3人掛けの座席を一人で使って横になれたのはいつ以来だろうか。