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2023年インドネシア»4日目 テルナテ島一周
2023年08月30日(Wed)
4日目 テルナテ島一周
ホームステイは朝食付きだが、ホストは料理する習慣がなく、朝食はテイクアウトで買ってきてくれる。今日の朝食は、昨日の朝に食べたのによく似たナシクニンイカントゥルールである。ご飯に具材をかけた状態ではなく、自分で食べたいだけ食べられるようにしてくれている。赤い蓋のビンに入っているのはクロポと呼ばれるチップスで、ご飯の上に乗せられて出てくることが多い。そのまま食べても美味しいスナックである。4種盛りになっている皿の右下が魚で、右上は焼きそば。朝から美味しい食事でありがたい。
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デザートはサラク(Salak)と呼ばれる果物で、サラカヤシの実である。皮がうろこ状で英語ではスネークフルーツというらしい。甘味控えめだが剝きやすく、食べやすい果物だ。
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バイクを借りて10時前に出発する。バイクはレンタルでしか乗ったことがなく、不慣れなので、いきなり坂道を二人乗りで走るのは少し怖い。島の周回道路に出るまでは道も入り組んでおり、かなり緊張した。
最初に訪れたのはカラマタ砦、1540年にポルトガルが建てた要塞で、その後オランダ、スペインと砦の支配者が変遷した後、最終的にオランダに占拠され、クローブ交易の拠点となってきた歴史的要所だ。
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さらに進んでコタ・ジャンジ砦。こちらも16世紀にポルトガルが建てた要塞で、海抜50メートルの見晴らしの良い丘に位置している。カラマタ砦同様、欧州人の支配権をめぐる戦いに翻弄された要塞だ。スペインが去って戦いが収まった後、300年以上放置されていたそうだが、1994年に修復が行われ、今はきれいに管理されている。
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周回道路を外れ、急坂を登った先にンガデブンチャクバックアイルよ呼ばれる展望台がある。眼下に、ンガデ湖、海峡、円錐形のマイタラ島とその奥のティドレ島が見える景勝地だ。
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1000ルピア札の絵に採用されていた場所であり、晴れている時の写真を見ると非常に美しい。今日は残念ながらティドレ島の上部が見えない曇天ではあるが、持ってきた1000ルピア札と比べる写真を撮ってみた。この札は日本から持ってきた前回の残りで、今は2016年発行の新しい1000ルピア札が行き渡っている。
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周回道路に戻り、しばらく進むと再び要塞がある。カステラ要塞と呼ばれるこの要塞は、1522年、ポルトガル人がマルク諸島に建てた最初の要塞で、スパイスを欲してやって来た欧州人の手によるマルク諸島最初の要塞でもある。1570年にテルナテスルタン国の皇太子が、ポルトガルに殺害された砦でもある。
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さらに進んでいると民家の庭先でクローブとナツメグを干しているのを見かけた。スパイス諸島として知られてきたマルク諸島で今もスパイスを生産しているというのが、良く分かった。
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庭にはクローブの大木があり、クローブの花や実を初めて見ることもできた。
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食事場所を探しながら島の西岸を北上するが、これといった場所がなく、最北端に近いパンタイ・ジコマラモを訪れる。美しい入り江に水上レストランがずらりと並んでいる。しかしよく見ると大半は閉まっており、開いているのは数軒のみである。
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海は非常にきれいで、ここでのんびりするのも良さそう。しかし、ここまで来たら街に戻って食事をしようということになり、朝の残りであるサラクを食べて出発する。
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空港手前のバトゥアンガスは、1737年に噴火したガマラマ山からの溶岩流が独特の景観をしており、国立ジオパークになることが決まっている。
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溶岩流地帯の前でドリアンが売られており、果物の王様ドリアンを食べる。ねっとりとして濃厚な果実は、私の大好物! 食べ応えのある果物なので、これを食べれば少々昼食が遅くなっても問題ない。
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空港を過ぎると後は市街地が続く。海岸沿いの道に巨大なマグロの骨を模したモニュメントがおもしろい。
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モニュメントを過ぎるとすぐに市場となる。テルナテは明日出発予定なので、今日中にテルナテ名物のゴフーイカン(Gohu Ikan)を食べたいという妻が、色々店を尋ねまわる。しかし、昼食時間が過ぎてしまったこともあり、中々見つからない。昨日食べた店の近くで置いているという話は聞いていたので、その付近の食堂で妥協せず、先に進むことにする。
最後に訪れた見どころがトルッコ砦。テルナテ最古のポルトガル要塞であるカステラ要塞に続き、スペインが建てた要塞がこのトルッコ要塞だ。これまでの要塞と違ってきれいに整備され、他の観光客がおり、土産物屋もある。数多く残る要塞の中で一番観光地化されている場所だといえよう。
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そして昨日のレストランの近くにあるもっと大きなレストランへ。テーブルがたくさん並ぶ大きなレストランで、海に面して景色がよく、観光客が喜びそうなところだ。各テーブルには昨日同様に最初から野菜料理が並んでいる。そして今日もパペダを別注文。そしてお目当てのゴフーを注文する。ゴフーは生魚をライムと塩でしめたものに色々とスパイスがかかっている。日本人の口に非常に会う味で美味い。パペダ原料は、伝統的なサゴ粉以外に、キャッサバ粉を用いることも多いことがここで判明。説明を聞くと昨日のはキャッサバ粉のものだったようなので、今日はサゴ粉のものを注文した。
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本日も美味しい料理を苦しくなるまで堪能した。
宿に帰るなり今日もスコールが来た。バイクで走っている時に降らなくて本当に助かった。
夜は明日からソロン行きの船が出る日までの3泊をどこでするかを悩んだ。北マルク諸島で一番大きな島であるハルマヘラ島に行くことは決めているが、観光ポイントのある町は島の逆側で遠い。移動時間を考えると行くのは難しく、新たに州都となったソフィフィに2泊し、船の出るティドレに1泊というのが当初の予定だ。しかし、ソフィフィは調べても見るものがなさそうである。迷ったがテルナテを一日延ばし、ソフィフィとティドレは一泊づつに決めた。