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2024スペイン、アルジェリア»6日目 メリダ-アルマデン-サセルエラ
西サハラ難民キャンプ訪問とスペイン全自治州訪問完了の旅
2024年04月26日(Fri)
6日目 メリダ-アルマデン-サセルエラ
マンションのリビングで昨夜の残りなどの朝食をとる。居心地のいいマンションなのでチェックアウト時間までゆったり過ごしたいと妻がいう。もう元気そうだが、昨夜の疲れ方を見ていると無理は言えない。今日訪れるメインはアルマデンの鉱山だが、鉱山ツアーは予約制で前々日までに予約を入れなければ入れないことが昨夜判明し、時間に余裕はある。朝行く予定の奇跡の水道橋は一人で行くなら面倒に思う程度だったので、行くのは止めて、チェックアウトの11時までのんびり過ごすことにする。
11時前に出発し、アルマデンを目指す。エストレマドゥーラ州とカスティーリャ・ラマンチャ州の州境付近は、集落もほとんどない山道を走る。途中で羊の大群に行く手を阻まれた。車を停車させると羊も止まってしまったが、羊飼いが後方から現れて、羊に進むことを促す。車の両脇を羊の大群が通り過ぎるのを楽しんで、再スタート。
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カスティーリャ・ラマンチャ州のアルマデンに着いたのは13時半。アルマデンは人口5000人の小さな町だが、古代ローマ人によって築かれ、イスラムの時代を経て、レコンキスタによってキリスト教徒の手に戻ったのは、カセレスやメリダと同じ歴史といえる。
スペインが16世紀に手に入れたアメリカ大陸からは大量の金や銀が見つかり、その精錬に必要な水銀は飛躍的に価値を高めることとなる。そしてローマ時代から水銀を産出していたアルマデンも急速に発展することとなったのだった。水銀価格の下落に伴い2000年にアルマデン鉱山は閉山となったが、現在も世界最大の水銀埋蔵量があるという。2012年にはスロベニあるイドリヤ鉱山と共に「水銀の遺産アルマデンとイドリヤ」として世界遺産登録されている。
全体が世界遺産登録された旧市街にあるサンセバスティアン教会の前に車を停めて、旧市街を歩く。
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中世から続く趣ある街並みだが、鉱山と共に発展してきた街が閉山によって寂れてしまうのは仕方ないのだろう。
世界遺産の範囲から抜けてすぐにあるバー&レストランで昼食にする。ここのセットメニューはプリメロが5品から、セグンドは3品から選べ、ちゃんと名物料理も含まれている。
飲み物は今日もビール。付け合わせにはフラメンキン(色の濃い方)とコルテッサデセルド。フラメンキンはコルドバで生まれたアンダルシア名物で、生ハムと豚ロースの揚げ物。コルテッサデセルドは豚の皮を揚げたもの。どちらもビールによく合う。
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プリメロの一つ目はサルピコンデマリスコス。海鮮をマリネした海鮮サラダ。
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プリメロ2品目は、ガスパチョコンガルニシオン。ガルニシオンは付け合わせのような意味だが、ガスパチョと具が別盛りで食べ方が最初は分からず。スプーンで具を1種すくって、それをガスパチョに浸して食べていくのだそう。
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セグンドには、トルチャアラプランチャ。鱒の開きを揚げたもの。
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もう一品は、マグロデセルドコントマテ。マグロデセルドは赤身の豚肉。豚肉のトマトソース煮。スペイン全土に広がる料理だが、地域によってさまざまなバージョンがあるのだそう。
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ここではデザートとコーヒーも付いてきた。今日もお腹いっぱい。昼食をコースで食べるとやはり1時間はかかる。
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食後は再び世界遺産の旧市街を歩く。屋にドラム缶を乗せたような建物はポソサンミゲルと呼ばれ、13世紀以降は長らく鉱山に入る立坑の入口の1つだった。市街地にあるため20世紀半ばから閉山までは換気口としてのみの機能となっていた場所。
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旧市街の一番高い丘の上にあるのはレタマー城。イスラム時代に鉱山監視要塞として使われていた場所だ。
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1785年から鉱山学校として使われてきた建物。
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車に戻り、旧市街の外にある鉱山跡に移動する。
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ツアーには参加できないと思っていたが、飛び入りでも参加可能だといわれ、しかも5分後に出るという。ただし、ガイドはスペイン語のみで、ネット予約するよりも1€高い18€。それでも参加したかったので、すぐに申し込む。オフィシャルサイトでは、最少催行人数が12名とあったが、予約参加者は7名のみだった。
各自にヘルメットが配られ、鉱山ツアーがスタートする。まずは鉱山労働者たちが使ったエレベーターで地下50メートルに降りる。鉱山は最深700メートルまで掘り進まれたそうだが、ツアーで訪問するのはこの深さまで。後は坑内を歩いて進む。
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広くなった場所で大きな木製の掘削機械が置いてあった。坑内の写真撮影は基本的に禁止だそうで、ガイドがここはOKという場所以外は撮影禁止となっている。ここが初めての撮影場所で、みなさんたくさん撮っている。
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途中ほかにも何ヶ所か見どころはあったが、説明がスペイン語であまり理解できていない上に写真がないと多くは思い出せない。
この部屋が入った一番奥で、上下数十メートルの穴があり、下層階で採掘された鉱石を外に運んだ場所となっている。
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実際の鉱石。
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大きな掘削機。
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帰路はエレベーターの中間階で降り、坑内トロッコに乗り換える。そのトロッコで外に出てきてツアーは終了。約90分のツアーだった。
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ツアーの後は小さな博物館の展示を見て、出発。次は街の反対側にあるサンラファエル王立鉱夫病院を訪れる。鉱夫の水銀中毒は古くから発生しており、新大陸発見で産出量を急激に増やした16世紀からは大きな問題となった。その対応の1つとして18世紀後半に建てられた病院がサンラファエル王立鉱夫病院である。今は博物館となっており水銀中毒に関することを中心にたくさんの展示があった。
ツアーを諦めて朝ゆっくりしたのにツアーに参加できたため、アルマデンでの滞在が予定よりも長くなった。宿を予約しているサセルエラまでの途中には集落さえなく、サセルエラは食事処が一ヶ所しかない小さな集落である。遅くなったのでスーパーで買い出しをし、アルマデンの出発は18時20分となる。サルエラ到着は18時45分。思ったよりも近かった。
スペインの宿泊施設にはカサルーラルというカテゴリがある。直訳すると「田舎の家」となるカサルーラルは、スペインの田舎にある自炊式観光宿泊施設を意味している。本日の宿はこのカサルーラルだ。かなり部屋数がありそうだが、1階は2部屋とキッチンとリビングのみ。1階の部屋に案内されるとすぐに宿のおばさんはいなくなり、宿は貸し切り状態である。夕食は先ほど買った冷凍の海鮮パエリアにインスタントスープ。
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WIFIもなく、部屋ではスマホの電波も入らない。寒かったこともあり、今日も早くから寝てしまった。