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2024スペイン、アルジェリア»8日目 オカーニャ-アランフェス-トレド-マドリード
西サハラ難民キャンプ訪問とスペイン全自治州訪問完了の旅
2024年04月28日(Sun)
8日目 オカーニャ-アランフェス-トレド-マドリード
地下室は完全に静かで、真っ暗。非常によく眠れたが、起きるのが少し遅くなってしまった。昨日買っておいたサラミ、パン、ヨーグルトに宿のコーヒーで朝食にする。
10時に出発。そのままオカーニャを離れるつもりだったが、この街を見ていない妻がマヨール広場を見たいというので立ち寄る。街の中心は一方通行ばかりだし、車を停める場所はなく、思ったより時間を食いオカーニャを出たのは10時半だった。
カスティーリャ・ラマンチャ州を抜け、20分ほどでマドリード州にあるアランフェスに到着する。アランフェスは、スペイン王室の宮殿と庭園が知られており、その王宮と3つの庭園が「アランフエスの文化的景観」として世界遺産登録されている。写真正面の建物が王宮で、川の右側が島の庭園。
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王宮の周りを一回り。正面は逆光なので、東側からの写真。
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王宮の北側にある散歩道を歩く。川の対岸は島の庭園で、途中の橋から入れると思っていたが、橋の門が閉まっており、往復の散歩。島に渡る橋は王宮の南側だった。庭園の中にはたくさんの像がある。中でもアポロンの泉は良く知られており、次々とツアー客が団体で訪れていた。
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12時前にアランフェスを出発。方向を西に変え、再びカスティーリャ・ラマンチャ州に戻り、世界遺産登録された「古都トレド」にやって来た。
トレドの歴史は古く、青銅器時代にまで遡ることができる。ローマ時代に都市として発展し、6世紀初頭に成立した西ゴート王国においては都となった。イスラム時代の終盤、ウマイヤ朝が崩壊した11世紀には、イスラム系のトレド王国となり、その都となったが、その半世紀後にはキリスト教勢力が征服し、それがレコンキスタの節目の1つといわれている。
まずはテージョ川の対岸にある展望台からトレドを眺める。
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橋のたもとにある駐車場に車を停め、トレド旧市街に向かう。昔来た時にバックパックを背負ったまま急坂を登ってへとへとになった記憶があり、荷物がないとはいえ大変だろうなと思っていたら、延々と続くエスカレーターがあって拍子抜け。あっという間に上まで登れてしまった。
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マドリードから日帰りで来れる近さのトレドは人気の観光地、日曜日ということもあり、旧市街は人だらけだ。レストランにも行列が出来ており、うんざり。
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3世紀にローマの宮殿であったアルカサルは、イスラム時代には要塞になっており、その名前の由来となっている。16世紀に修復され、スペインの要塞となった。20世紀半ばにも修復され、現在の姿となっている。一辺60メートルのほぼ正方形の建物で、4隅にある塔の高さも60メートルとなっている。中には図書館や軍事博物館が入っており、観光客も訪れることができる。
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人込みを避け、裏通りで見つけたレストランで昼食をとる。今日も飲み物はビール。左は、カルカムサストレダナス。トレダナスはトレド風を意味するが、もともとカルカムサス自体がトレドの郷土料理で、豚肉とグリンピースのトマト煮込み。右は、ピストマンチェゴコンウエボスイハモン。マンチェゴはラマンチャ風を意味するので、ラマンチャ風ピストと目玉焼き&生ハム。メインは目玉焼きの右にあるピスト=ラタトゥイユ。2品ともトマト味の煮込みで、パンに合う味だった。人気観光地だけあって、値段の割に量はないが、それでもお腹いっぱいになる。いつもの昼のセットメニューが多過ぎるのだ。
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路地の向こうにトレド大聖堂が見えて来た。1226年に建設が開始されたが、完成したのは1493年。着工後140年経っても未完成で有名なサグラダファミリアの比ではない工期の長さ。建設に270年近くかかっている巨大な大聖堂である。
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大聖堂は、扉や壁、柱など至るところに像が彫られている。ここも人が多かった。
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15時過ぎにトレドを出発。1時間20分でマドリードの宿の前に着いた。ちょうど日曜の青空市が終わったところで、片付けの終了したバンやトラックが次々と出ていく。駐車禁止の表示に時間があるので、今は良いのか聞こうと何人かに話しかけるが、中々英語のできる人がいない。最終的にはお巡りさんが、スペイン語交じりの片言で意味を教えてくれ、助かった。
lab. は平日の意味で、平日は8時から14時、16時半から19時が駐車禁止。carga y descarga は、荷物の積み下ろしと乗り降りで、それは例外。つまりそのためなら停めて良く、その場合は最大45分。日曜と祭日は0時から16時が駐車禁止。
つまり日曜の16時半である現在から明日朝8時前までなら停めて良いとのことで、安心して車を停める。
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宿にチェックイン。今日の宿は、ホステルのドミトリー。一休みしてから、車を空港に戻しに行く。18時前、無事に車を返却。5日間の走行距離は1096キロだった。
空港からメトロを乗り継いで、街に戻り少し買い出し。宿に戻って地下の食事スペースで、夕食をとる。左から、ポップコーン、ボケロネスアルビナグレ(イワシの酢漬け)、タブレ(クスクスサラダ)とサラミ、ぶどう。そして飲み物はずっと運んでいたワイン。スペインレンタカー旅の前半を終え、乾杯!