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2019 モンゴルからロシア
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モンゴル横断、そしてアルタイ共和国からシベリアへ
35日目 スルグト
ハンティ・マンシ自治管区はもともとユグラと呼ばれていた地域で、ハンティ人とマシン人の自治管区となっており、正式名称は、ハンティ・マンシ自治管区・ユグラという。北隣にあるヤマロ・ネネツ自治管区と同様に、原油や天然ガスの産出が盛んゆえに、人口の大半はロシア人となっている。2010年の人口統計では、ハンティ人が1.3%、マシン人が0.8%をそれぞれ占めているに過ぎない。
ハンティ・マンシ自治管区最大の都市スルグトは、人口約37万人で、ロシア人がこの地を征服してすぐに築いた歴史ある町である。といっても数百年の間、スルグトは小さな町のままで、原油や天然ガスが発見された1960年代以降に急速に発展し都市化している。
昨日はホテル到着時点ですでに暗く、明日は昼前に出発する飛行機なので観光する時間はない。スルグトの街を見れるのは今日だけなのに、朝から豪雨で、外出できない。10時過ぎにようやく雨が弱まり、外出する。
雨が降っているのでまずは近くのスルグト地方伝承博物館に入る。3フロアあり、1階はソビエト時代の展示、2階は民族学博物館、3階は美術館で、入場料はそれぞれ分かれている。ロシアの博物館では入場料はフロアごとに分かれていることが多いが、何階に何があるかの説明がロシア語なので、いつも全部入っていた。しかし、ここでは係員が総動員で説明してくれたので、見たいのは2階だけだと分かって助かった。各フロアの料金は100ルーブル、全部入ると約500円だが、それが3分の1で済んだ。2階は、2つのコーナーに分かれており、前半はスルグトに住む色んな民族の展示で、後半はスルグトの原住民であるハンティ人について。いずれも非常におもしろく、ゆっくりと見学した。
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プロジェクターでスクリーンに映した展示が、タッチパネル式で驚いた。おもしろくてついつい遊んでしまう。
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のんびりと博物館で遊んでいたら、ついに雨が止んだ。入る時には目もくれず博物館に飛び込んだが、博物館の前にはおもしろいモニュメントがあった。
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聖ジョージ正教会をちらりと見て、道路を渡って中に入る前に近くの食堂に入る。
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カフェテリア形式のストロバヤだが、おしゃれでおいているものの種類も多い。珍しく大きな魚(アコウ鯛)などもあり、美味しくいただく。
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食事中にまた一雨来たが、出た時には雨は止んでいた。道路を渡って、教会を見た後、その裏手に広がるザサイモイ公園を散歩する。市の中心部にある公園では最大のもので、市民の憩いの場だということだが、悪天のために人はほとんどおらず寂しい。
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公園の端から川の対岸に、金色のちいさな教会が見える。聖タチアナ教会である。
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橋が遠くて大回りし、その上川沿いの道が水没して歩けなかったので、聖タチアナ教会まで行くのは諦めた。スルグツキー・ガスダールストヴェンニの前を通って、オールドスルグト博物館に向う。
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オールドスルグト博物館は、石油が発見される前の雰囲気を再現した野外博物館で、移築された14軒の木造建物と再建された木造教会からなっている。木造建物は、観光案内所兼チケットオフィスとカフェテリア以外の12棟がそれぞれ別入場料の博物館となっている。写真の建物はスルグトの著名ジャーナリストだった人の家を移築したもの。
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教会は修復中で中には入れず。
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ネネツ人と同じような倉庫とそりが庭にある建物があり、ここはハンティ人の家を移築したものだったが、閉まっていた。
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博物館から数百メートル離れた場所にスルグト唯一の19世紀の建物であるというGSクレピコバの家がある。シベリアスタイルである商人の家で、博物館になっているがここも閉まっていた。実は裏側に回って外からのぞいている時に、人が戻って来て鍵を開けるのは見えたが、引き返さず。
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スルグトモスクは、大きくて新しい建物だ。礼拝の時間に近づいているのか、中に入って行く人が多かった。
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この建築家のモニュメントを見に行ったところ、地図の場所には見当たらず。せっかく雨の中を来たのにと思ったが、仕方ない。戻りかけたところ、道路の反対側に見つけた。新しく拡張された公園の中にあり、移転されたばかりの様子。見れなかったと思った後に見つけただけあってうれしく、細かいところまでしげしげ観察する
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最後に博物館写真のあった巨大モニュメントであるスルグト市の創設者の記念碑を見学し、スルグトの観光を終了する。
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朝から大雨で、一旦止んでからも降ったり止んだりで、疲れた。見たかった場所はもう少し残っているが仕方なし。
ラグビーのワールドカップ日本大会が開幕で、今日が初戦の日本対ロシア。これを見ようと早めに宿に戻ったのに、テレビ中継をやっておらずがっかり。また雨が強くなり、追加の買出しが出来ないまま、昨日の残りのペリメニなどで夕食とする。