2人の世界旅 日々の記録

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アルメニア>2009年03月06日(Fri)
エレバン→エチミアジン→ズヴァルトノッツ→エレバン
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■アルメニア歴史めぐり・1
アルメニアの歴史は古いです。西暦301年にすでにキリスト教を国教としたのですが、なんとそれはローマ帝国によるキリスト教国教化よりも古い!のですから、驚きに値しますね。世界最初のキリスト教国教化だそうです。

アルメニアの世界遺産は、上記背景よりその多くはキリスト教関連の建造物です。

今日はアルメニアの大事な、キリスト教国家としての長い歴史を見にいきましょう。目指すのはエチミアジンEchmiadzinです。エチミアジンへは首都エレバンYerevanからバスで40分ほどで到着しました。

エチミアジン大聖堂

ここは2世紀から4世紀にかけて、アルメニアの首都だったところで、エチミアジン大聖堂(主要部分はスルブ・アストゥアツァンティン大聖堂とも呼ばれるそうです)は現在でもアルメニア正教の総本山。敷地は広く、内装も荘厳。大聖堂入り口付近にいると、「ミュージアムにおいで」と館員に誘われ、聖堂内部にある書物や当時の衣類、宝飾品などの展示をも見せてもらえました。助かることに、英語のガイドが無料でそれらの説明をしてくれました。

近くの教会も見たあと、30分ほど歩いてズヴァルトノッツZvartnots教会跡へも行きました。外は寒いけれど、30分も歩けば体は暖かくなるものです。ここは7世紀にアルメニア初のカトリック教会が建築されたところですが、その後地震によって破壊されてしまい、現在は、まるで古い考古遺跡を見るような観光をするところとなっています。ここも歴史的に重要な遺構で、世界遺産に登録されてるところです。

今日は、それらの、比較的広い範囲の観光を徒歩で終えたあと、再びエレバンに戻りました。

■エレバンでオペラ
マロちゃんちはエレバン市街中心部にあるオペラハウスから徒歩2分というめちゃくちゃいい立地のことろにあります。私たちが帰宅したら、マロちゃんから、夜はオペラを見にいこうと提案されました! 幸い子供にわかりやすい内容となっている演目で、アルメニア語が分からない私たちも理解できて楽しめる内容で良かったです。そして、私たちは、その後夕食を食べに街を歩きました。

■アルメニア人のこと
そう、ここで、マロちゃんたちと接することで知った、アルメニア人のことを書いておこうと思います。

マロちゃんはアメリカ育ちのアルメニア人で、2年前にエレバンに移住して来ました。同居人のアレットくんはレバノン系のアルメニア人です。・・・まあ、言っちゃえばそれだけのことなんだけど、歴史を参照すると、「あああのときの・・・」と、1つ、歴史と現実が結びつきます。昨日の日記で、(1)をつけたところを、宜しければ参照ください。オスマントルコ(オスマン帝国)によるアルメニア人大虐殺の折、そのとき虐殺から逃れるために多くのアルメニア人がアメリカ、中東、ロシアへと移動しました。その大虐殺からおよそ1世紀の年月が経つ今、マロちゃんやアレットくんは、虐殺から逃れ命と血を後世につないだ人々の子孫にあたります。なんか、辛い歴史を思い出しながら彼らの笑顔と優しさと強さを見ると、涙がじんわり出てきそうになってしまうのです。

昨日、アレットくんが私たちの夕食を用意してくれたとき、「何が食べたい?」と聞いてくれ、あづさは「アルメニアの料理!」と答えました。それだけならよくあることなのですが・・・、回答のあと、更に彼は、「ターキッシュアルメニアン?(トルコのアルメニア料理?)」、「レバネーゼアルメニアン?(レバノンのアルメニア料理?)」、「アルメニアンアルメニアン?(アルメニアのアルメニア料理?)」・・・と、続いて尋ねてきます。

それは、昨日の日記に書いた(1)の歴史を、実に反映しています。辛い歴史から、世界に散らばらざるを得なかったアルメニア人のことを。

普通に宿に泊まって風光明媚な観光をしただけでは、アルメニアのことは分からなかったと思う。

辛い歴史を背負いながらも頑張って今を生きる2人のアルメニア人と接したことが、涙が出るくらい、良かったと思う。その涙は嬉しい涙ではなくて、かつてのアルメニア人の冥福を祈るような、そして、今を生きるアルメニア人を尊敬するような、複雑な涙です。
本日の旅
行動 :エチミアジン、ズヴァルトノッツ観光、オペラ鑑賞
朝食 :コーヒー/マロちゃんち、ナスーシュトルマ(麦ひき割りや豆数種をケチャップ煮にしたもののキャベツロール)/バスの中
昼食 :lahmajo(ラマジョ、羊肉挽き肉少々のスパイシートマトソースを塗った薄ミニピザ)/エチミアジンの食堂
夕食 :野菜ソテートマトソースのスパゲティー/マロちゃんち、ラマジョ、ホムス(ひよこ豆ペーストやゴマペーストのミックスピューレ)、ドルマ(ぶどうの葉でビネガーライス&麦をくるんだもの)、トピグ(ナッツレーズンペーストシナモンシュガー入り)、キャバブ(ひき肉串焼きをラバッシュ(薄パン)でくるんだもの)、ラバッシュ、ターヌ(ヨーグルトドリンク)、チャイ(紅茶)/エレバンのファストフード
宿泊 :マロちゃんち

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旅情報
1ドラム=0.283円

*エチミアジンへの行き方
エレバン中心部は環状道路に囲まれており、その内部、Saryan St.とM. Mashtots Ave.の交差点あたりがエチミアジン行きバス乗り場。ここから111番バスに乗る。1人200ドラム、所要40分。ズヴァルトノッツはエチミアジンの数km手前にあるので、そちらへ行きたい場合は途中下車する。