2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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イエメン>2009年01月10日(Sat)
アデン港沖→アデン→タイズ
:: 旅611日め : 世界旅89ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ109ヶ国め ::

■イエメン上陸、中東の旅の始まり
2回目の夜を、船の板張りの上で過ごしたら、朝起きたとき背中や腰がとっても痛かった。

今日は土曜日なのでアデンに上陸できます。上陸したところはイミグレーションで、入国スタンプをもらう場所です。

しかしイマドキのイエメン、そう簡単には旅を開始させてはもらえません。どういうことかというと・・・

旅行者がやるべきことは、入国スタンプをもらうことのほかに、旅行許可証を得ることと、外国人登録(所定の日数以上滞在する場合)があります。旅行許可証がないと検問を通過できず、実質移動不可となるため、入国したその都市で手続きをしなければなりません。

部族問題の甚だしいイエメンでは、かつてより、地方部族による外国人誘拐が相次いできました。外国人を誘拐することで政府に自分たちの要求を呑ませようというのです。そして政府の策として、外国人に対する許可証制度を設けることで、外国人を許可証にない地域(外国人を誘拐するような部族の地域)へ立ち入らせないようにしているのです。

さて、アデンで諸手続きを済ませたらタイズTa'izzに行こうと思います。アデンのイミグレーションで、「私もタイズに行く」と無料で乗せてくれるおじさんがいました。このおじさん、今日の日記では、とりあえずタイズおじさんと書いておくことにしましょう(ホントの名前は知らないのです)。

タイズおじさんはまず警察へ連れていってくれました。署内では、事前に2人で相談しておいたイエメンの旅の行程を提示し、アデンからサナアSana'a、サナア近郊、東の町、そしてオマーンまで陸路での移動に含まれる都市名が記載されたパーミッション(許可証)を発行してもらいました。サナアからサユーンへ向かう途中にあるマアリブMa'ribの地名までパーミションに書いてくれたのは驚きました。マアリブは最も外国人誘拐リスクが高い場所の1つとして悪名高いところで、近年日本人も誘拐されているところです。

パーミッションを発行する部屋には、ダンボールから出してまもない新品のパソコンがありました。新しく導入したみたいです。で、あれよあれよといううちに、和人が接続を手伝う羽目になり、それをイエメンの警察官たちはみんな喜んでいました。チーフは、あまりに嬉しかったのでしょう、「困ったことがあればいつでも電話をくれ」と、連絡先を書いた紙を私たちにくれました。

タイズおじさんの車に乗っていざタイズへ! と思ったら、おじさん、ガソリンスタンドで停車して私たちに高いお金を請求してくるので、「おいこら、さっきノーマネーと言ったじゃないか!」と私たちは怒って車を降りたわけです。降りたところがバスターミナルだったので、実は広いアデンをむしろ効果的に動ける結果になったわけで、すぐにタイズ行きのバスチケットを買えたのはラッキーだったかも。

写真はそのあと立ち寄ったネットカフェで、カフェの主人が自室に招いてくれごちそうしてくれた、イエメン料理のおもてなし。本当ごちそうさまでした!

昼食

アデンはイエメン南北統合前は、南イエメンの首都だったところです。北イエメンと異なり社会主義政策をとっていた地域で、その名残りなのか、町はとてもきれいです。またイギリス植民地時代に作られたというアデンの道は広くてとてもきれいです。本当は、この中東の社会主義国家の名残りなどをもっと見て歩けたらとも思いましたが、私たちは15時半にアデンを経つので、お散歩はわずかな時間で終了です。そして夜6時にタイズに到着しました。
本日の旅
行動 :船からアデン上陸、イエメン入国、旅行許可証取得、アデン観光、アデンからタイズへ移動
朝食 :ホブス(アラブの薄パン)、トゥーナザバディ(ツナ缶トマト玉ねぎを細かくして酸っぱくないヨーグルトで和えたもの)、サハワ(青唐辛子香草トマトのミキサーがけ)、シャイ(カルダモンとクローブがほんのりの甘いミルクティー)/アデンの食堂
昼食 :ビリヤニ(スパイス炊き込みご飯)、ダガーグ(鶏の炭火焼き)、マカローナ(ターメリック和えスパゲティー)、モース(バナナ)/アデンのインターネットカフェの主人の部屋、シャイマッハリブ(練乳ミルクティー)/アデンの茶屋
夕食 :フールゲラ(つぼの中で豆を煮込んだもの)、ルーティ(パン)、シャイ(甘い紅茶)/タイズの食堂
宿泊 :アルナスルツーリズムホテルAl Nasr Tourism Hotel

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旅情報
1イエメンリアル=0.47円

*イエメンの旅行許可証(パーミッション)
イエメンでは、国内を陸路で都市移動する場合は、イエメン観光警察(TOURISM POLICE)が発行する許可証(パーミッション)が必要である。サナアでなら旧市街の中、またそれぞれの主要都市でも無料で取得できる。できるだけ多くの地名を書いておき、あとから追加したくなったということがないようにしておきたい。サナアで取得する場合は「全土有効」、私たちがアデンで取得したものは、申請都市をすべて書いてくれた。しかしオマーンから陸路で入国し、ムカラ→アデン→サナアと移動してきた旅行者によると、ムカラでは次のアデンまでのパーミッションを取得し、アデンでは次のサナアまで行けるパーミッションを取得しなければならず、大変に手間が繁雑だったそうだ。パーミッション取得は警察への行き来を含むと相当時間がとられる作業になるので、移動にも余裕をみることが必要になる。

しかし、パーミッションがあれば移動可能、ということは断じてない。私たちはこの日記以降、陸路で東へ進みオマーンへ抜けるつもりでいたが、サナアでもアデンでも、パーミッションを持っているにも関わらず、全社にバスチケット販売を拒否された。

パーミッションは検問チェックの都度1枚ずつ提出しなければならないため、コピーを何枚もとって所持しておくこと。