2人の世界旅 日々の記録

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イスラエル&パレスチナ>2009年04月09日(Thu)
キリヤットビアリク→アッコ→キリヤットビアリク
:: 旅700日め : 世界旅105ヶ国め : 和人218ヶ国め : あづさ124ヶ国め ::

■旅して700日め
旅をしているときは、曜日感覚さえ失いがちです。だから旅して何日めに当たるのかなどは全く気にかからないのですが、今こうして日記をつけてみると、この日は無事に旅して700日めを迎えた日のようです。この100日間を思い起こすと、次のようなことが印象に沸いてきます。

・旅して600日めは、ソマリアだった。まだアフリカの旅は続くと思っていたが、国境封鎖により、中東へと針路変更。
・そうして突如さまよい込んだイエメンは外国人誘拐が相次ぐ地。国が外国人移動を規制し、オマーンへの脱出は困難を極めた。
・オマーンの首都マスカット。700日間、100ヶ国以上も旅して、マスカット以上に美しい白亜の首都は、知らない。
・マスカットでは豪華マンションステイ、そのとき、イラクへ行ける状況好転を、知ってしまう。
・ガルフ(バーレーン、カタール、クウェート)の旅は、リッチなアラブカントリーの心地よさ。
・イランを経てコーカサス北上を決断。冬のコーカサスは寒いが、重い民族問題と美しい遺産の数々。
・トルコ東部からイラク北部へ。クルド問題から治安を揺るがす地域は、幸い安全に旅が終了。
・アラブ諸国の旅を取るか、イスラエルを取るか。ヨルダンからは南下ではなく、イスラエルを選ぶ。

今はイスラエルにいます。イスラエルに来ていなければ、エジプトからリビア、行く先はアルジェリアとトライしている予定でした。

でも、今確実に思うことがあります。
イスラエルに来て本当に良かったということです。
そして、もっと早く来ているべきだったということ・・・。

ここははっきり言って、旅行者全員に「訪問地マストアイテム大賞候補」と伝えたい場所。だってキリスト教、ユダヤ教、イスラム教の理解と知識が一気に増やせるんですよ。アジア東部の旅ではどうか分かりませんが、西アジアでもヨーロッパでもアフリカでも、町では教会、大聖堂、モスク、シナゴーグを見ることが、実に多い。日本人がそれら宗教に無頓着だからと言っても、旅先で会う人々は多くがシビアにそれら宗教のどれかを信じているのだから、お金と時間を遣って来たのならば、無知ゆえスルーしてしまうより、壁に描かれている絵1枚でも、会話の一端でも、「あ、これ」ってその意味に気づくほうが、いい。

それは、あづさの自己反省でもあります。勉強はしてきたつもりでも、イスラエルに来て、生々しい実体験から得た様々な知識と記憶は、ここに来る事前に得ることが本当に難しかったと思うからです。

旅して700日めを迎えた今は、「今までの700日がもったいなかったー!」と思うような、後悔を覚えるほど、学びの連続となる旅をしています。これからどれだけ旅が続くにしても、今後の旅は、イスラエルに来たからこその知識増幅パワーが、旅をパワフルに充実させてくれると思います。

なお、この100日は、ソマリアとイラクという、世界2大紛争地(勝手に任命、でも案外悪くない選別だと思う)の旅を無事に終えたこともあり、今後の旅は、これほどの緊張を感じる旅はぐっと少なくなるでしょう。

次の100日後、どこにいるのか、とても楽しみです。

■アッコと十字軍の旅
今日のお勉強は、十字軍。
4月4日の日記に「そうしてエルサレムJerusalemは7世紀ごろからアラブの支配下に入ります」と書きました。それ以降ムスリム(イスラム教徒)はユダヤ人やキリスト教徒とも平和に共存していたのですが、11世紀から13世紀にかけて、カトリック諸国が、聖地エルサレムをムスリムから奪回するために十字軍(遠征軍事集団)を結成、世界は十字軍時代へと突入しました。アッコAkko(アクレAcre、アッコンAkkonとも言う)は、十字軍がエルサレムやパレスチナ地方を占拠する中で発展していった十字軍都市です。

今泊まっているナアマちゃんのダーリンのアレックスは、アッコに住んでいたこともあり、私たちがアッコ観光をしたいというと、喜んで車を出してくれました。

アッコ

海沿いに広がるフォート(要塞)に、世界遺産に登録された旧市街、交易拠点として古くから栄えてきた港。イスラエル独立後もパレスチナ人が定住しているこの土地では、多くのアラブ人を見ることができます(人口の1/3がパレスチナ人だそうです)。また、オスマントルコとの貿易も活発だったのでしょう、ミュージアムには、トルコを彷彿とさせる日用品なども多く展示されていました。

ナアマちゃんはイスラエル生まれのユダヤ人。生粋ですね。アレックスはシオニズム運動によって入植したウクライナ生まれのユダヤ人。

でも彼らも普通にアラブ人スーク(市場)を歩くし、普通にアラブ食堂に入って、ホブスやタブーリ、ホンモスといったアラブ料理を食べるのです。このことから、今、ユダヤ人は、アラブ人を毛嫌いしていないことが、分かった気がしました。これはなかなかの発見ね。店の人との会話はヘブライ語なので、アラブ人がユダヤの言葉を使っているのも、おおーと思います。

さて、ニッポン大好きナアマちゃんちでいただく3回めの晩ごはんですが、今日のリクエストは、そうめん!わーい♪ 何でも、買ってはみたものの、正しい食べ方が分からないんですって。

家にはおそばもあったので、今日はおそば&そうめん大会です。「お蕎麦屋さん」のきちんとしたつゆの味に近づくよう、そばつゆ作りは気合入れましたよ(^o^)

港町アッコのスークで大きめのカツオを1匹買ったので、家でさばいて、手作りぽん酢を添えてかつおのお刺身も出しました。魚が刺身になる変化を見たのは生まれて初めてらしく、とても驚いてくれました。

今日の晩ごはんも、和人はとっても喜んでくれました。
こんなに毎日が日本食とは、イスラエルでは本当に意外な展開ですね。
本日の旅
行動 :アッコ日帰り観光
朝食 :パン、カフェオレ、チーズ、バジルオイル/ナアマちゃんち
昼食 :ホブス(アラブの薄パン)、ホムスピトリヨット(ホムス(ヒヨコマメのペーストにタヒーニ(ゴマペースト)やレモンを混ぜたもの)にマッシュルームオニオン赤ピーマンソテーを乗せたもの)、ホムスムシャウシャ(ホムスににんにくとヒヨコマメを混ぜたもの)、タブーリ(トマトパセリ/アッコのアラブ食堂
夕食 :もりそば、そうめん、手作りつゆ、かつおのたたきとさらし玉ねぎ、手作りぽん酢/ナアマちゃんち
宿泊 :ナアマちゃんち

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旅情報
1シェケル=24.8円

*イスラエルでヘブライ語
ユダヤ人の共通言語はヘブライ語。ただ、旅をしていても、イスラエル以外でヘブライ語を使うことはまずなく、なおかつイスラエルでは英語(またはアラビア語)が通じる人が多い。なので、今回のイスラエル渡航で、ヘブライ語を使わなければと思うことはなかった。ただ、ありがとうという意味の「トゥダ」は、ユダヤ人も気軽に使う単語。これはよく使った。