2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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パラグアイ>2010年02月08日(Mon)
★ピラポ
:: 旅1005日め : 世界旅178国め : 和人235ヶ国め : あづさ191ヶ国め ::

■ピラポで農場見学
昨夜、園田さんの親しい友人である所谷さんから「明日大豆畑を見せてあげますよ」と電話をいただいていました。あづさは、ピラポPirapoに来て、日系移民が農業で成功するきっかけとなった大豆畑を是非見たいと思っていたので、これは本当に嬉しいお誘いでした。所谷さんの、日本から来た旅行者にピラポを見せてあげるというお気持ちがすごくすごく嬉しいのです。まず見たところは教会、共同墓地、農協。農協の建物内にはスーパーがあり、様々な食料品が売られています。中でもピラポの農家で手作りされたお豆腐やお味噌、納豆などもあり、日本から輸入された日本料理の食材や調味料も揃っています。「ピラポは日本人が作ったパラグアイの町」であることを、このスーパーの品揃えからも実感することができます。

所谷さんの自宅へ行きました。奥様が作ってくれた美味しいフルーツジュース! 本当に美味しくて、作り方を聞いている中で、「食べるものは美味しいうちに冷凍しておくと良い」という農家のコツを教わりました。このあたりの農家ではお米も冷凍しているそうです。でもそれって理に叶っていますよね? 日本でよくあるようなお米の保存の仕方だったら、当然室温に置いておくと水分は蒸発して抜けていく。だからごはんを炊く前に「吸水時間」が必要になって、忙しい日には、おかずを作るよりもごはんを炊くほうが時間がかかったりするものです。でも所谷さんのアドバイスでは、お米を冷凍すると、冷凍している間は米の内部から水分が逃げていかないので、お米を研いだらすぐごはんが炊き始められるのだそうです。教えてもらえたアイディア実践します、ありがとうございます!

また、所谷さんの奥様は「チーパ」作りの名人で、私たちに美味しいチーパをごちそうしてくれました。チーパとはパラグアイ伝統料理の1つに挙げられる、マンディオカ(キャッサバ芋)のデンプンとチーズで作ったパンのことです。路上の売り子がバスに乗り込んできて売る安いチーパを食べたときは正直美味しいとは思いませんでしたが、今日ここで食べたチーパは、絶品の美味しさでした。

4人で大豆畑へ向かいました。地平線まで見える大豆畑。昔ここが、猛獣も出たというジャングルで、起伏の多い荒れ地だったとは信じられないほど、麗美な土地が広がっています。

パラグアイ

でも、今日は肝心の大豆は元気がありません。記録的猛暑に加え、もう3週間も雨が降っていないので、大豆に水が足りないのです。雨が降らなければ農家には大打撃。所谷さんは、今は息子さん夫妻が受け継いだという大豆畑を見て、その元気のなさに、雨を切望していることを何度も伝えてくれました。さらに見せてもらったのは大掛かりな農具、コンバイン(種まきや収穫を行う農業用の車)、サイロ(収穫した作物を乾燥させるところ)です。

そんないろいろなものを見せていただきながら、やはり50年の苦労や報われたことなどのお話をいっぱい伺えました。

家に戻って昼食・・・わーびっくり! 何と手作りの素麺です! 新鮮きゅうりのもろみ和えも、なすの黒ごま塩もみも美味しくて、美味しい野菜がいつもある暮らしは素晴らしいなと思いました。よく日本でも、定年退職後には田舎暮らしへと転向する人々をクローズアップしたテレビ番組がありますが、その人たちの、真の豊かさを求めている気持ちがよく分かった気がします。

更に嬉しいことがありました。「雨が本当に降らなくて、このままでは・・・」と、広大な大豆畑を心配する会話をしている中で、なんと3週間ぶりとなる土砂降りが降ってきたんです! 旅をしていると、特に私たちは傘を持っていないので、雨が降ると観光の予定も狂ったりするし、曇天では写真もきれいに撮れないしと、雨を好ましく思ったことがありません。でもここのところずっと農家の方々の体験話を伺い、作物の豊作を願う気持ちに傾倒していただけに、ポツっと雨が降ってきた瞬間から、心の底から嬉しさが湧き上がり、歓喜の声を出してしまったほどです。

幸い雨は長時間続きました。明日は、大豆畑の緑は、きっと昨日よりもぐっと豊かになっていることと信じています。


園田さんには、突然訪問したにも関わらず家に招いてもらえ、あっという間に4泊もお世話になってしまいました。美味しいものをいっぱい食べることができ、ついでにNHKも見まくりました。

和人が17年前にも滞在したこの家には、また戻ってくるチャンスはあるかしら? そういう時がきたら、今回お世話になった園田さんの友人の皆様にもまたお目にかかりたいと思います。楽しく素晴らしいピラポ滞在は、様々なことが勉強にもなったし、本当に来て良かった。今回お世話になった方に、心から感謝しています。
本日の旅
行動 :ピラポ観光
朝食 :ビスケット、昨日のと同じミックスフルーツジュース/園田さんのお宅
昼食 :チーパ(キャッサバデンプンとチーズのパン)、アイスコーヒー、素麺、きゅうりもろみあえ、なすの黒ゴマ塩もみ、玄米ご飯、アイス緑茶/所谷さんのお宅
夕食 :春巻き、豚汁、ごはん、納豆、冷やしトマト、冷やしきゅうり、三尺豆のにんにく醤油いため、たけのこの土佐煮/園田さんのお宅
宿泊 :園田さんのお宅
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旅情報
1グアラニー=0.02円

*ピラポの地名の由来
グアラニー語でピラは魚、ポは手。手で魚が取れるほど魚が多く住む川がある土地という意味。なお日本人移住当初はアルトパラナ移住地という名称でしたが、隣接県と同じ名前で混乱を招くという理由で名称変更手続きがされた。