東チモール情報 2010年再訪問版

 2002年12月、独立から約半年たった東チモールを訪問した折、最初にこのコーナーを作成しました。情報の少ない国だけあって、今でもこのコーナーにはかなりのアクセスがあります。今回、2010年の再訪問を機に、古くなった情報を全面改訂しました。
 以前の情報も比較のために残していますので合わせてご覧ください。

出入国について

ビザ  ビザは必要。ディリの空港や港で到着時に取得できる。30米ドルで90日間の滞在が可能。
 陸路入国の時は要注意。2010年4月から国境でビザ取得に対し、事前にVisa Application Authorizationと呼ばれる許可が必要となった。ルール変更後半年近くになっても取得方法が流動的なので、まずはチモール政府イミグレーションの公式サイトImmigration Service of Timor-Lesteで確認をすべし。ただし、ここでの説明と実際の運用はかなりずれている。とりあえず2010年9月時点での経験を旅メモに詳しく書いたので参照してください。
 インドネシアへの出国時も国境ではビザが取れないので、インドネシア大使館での取得が必要となる。
空路で行くには  現在の定期国際線は、
1、インドネシアのデンパサールからメルパティ航空が毎日一便。往復約360米ドル、片道約230米ドル。ちなみにほぼ同一距離のデンパサール-クパンは片道60ドル以下からある。オンライン予約は今のところ不可能。旅行代理店でも一般的には予約を扱っておらず、航空会社にダイレクトで予約するしかない。同航空のウェブサイトは、ワメナ線やディリ線など一部路線のみ意図的にオンライン予約不可にしており、他区間の予約は可能。同航空はクパンからも飛ばすと発表しており、現在は政府認可待ちとか。バタヴィア航空もデンパサールからの運航を開始する予定で、現在認可待ち。
2、シンガポールからチモール航空が運航。8月まではシンガポールの格安航空会社のはずのSilk Airが異常に高い値段で運行していたが、9月からは新しいチモール航空が引き継ぐという話。
3、オーストラリアのダーウィンからエアーノースが週に7便(毎日ではない)し、カンタスとの共同運航なので日本からならカンタスでの予約が便利だったはずだが、新しいナショナルフラッグであるチモール航空にこの路線は譲渡されるはず。
陸路で行くには もちろん国境を接するのはインドネシアの西チモールのみ。
 西チモールの中心都市クパンへはインドネシア各地より空路や海路があり。空路はオーストラリア・ダーウィン便もある。
 クパンから国境近くの都市アタンブアまでは時間帯によるがバスは数多く走っている。約8時間。うまく行けばその日に東チモールまで行けるかもしれないが、国境でトランスポートが終了していた場合に宿がないのでお勧めしない。アタンブアにはホテルも食堂もたくさんあり、しかも安い。本当のお勧めは、アタンブアにも直行せず、途中の村で精霊信仰の村や市場などをチモールならではの見どころを訪問しつつ、日数をかけて行くこと。
 アタンブアから国境はべモ(ハイエース型のミニバス)で1時間半。国境間は歩き。東チモール側のイミグレーションが移転しており、以前に比べかなり歩くことになる。
 国境からディリはバスで、約3時間、5米ドル。
 現在人気なのは、クパン・ディリ間をドアツードアでサービスしている旅行会社のミニバス。一般のバスが値上がりしているのに対し、こちらは値下がりをしており、料金差は少なくなった。確実に一日で行きたいのならこれ。チモールトラベル&ツアーのバスは、クパン発185000RP、ディリ発20米ドル。予約制、宿で聞けば電話番号を教えてくれるはず。
海路  定期便はない。

通貨

 米国ドルを使用。ただし、コインは独自のものに切り替えられた。

移動

 ディリ市内はミクロレット(トヨタハイエースなどを改造したミニバス)が走っており、ルートは番号表示で示される。値段は距離によって25セント。乗っていない路線でもっと高いのがあるかもしれない。タクシーも市内なら1$なのでさほど高くはない。  長距離は場所によってバスかトラックかミクロレット。乗場は何ヶ所かに分かれる。  飛地のオケアウシやアタウロ島に定期航路あり。

宿

 安いのは、バックパッカーズ。ドミ12$、シングル20$、ツイン25$。エアコンの壊れたツイン20$。ホテルビラハーモニアもほぼ同一の料金らしいが、中心から遠いので見に行っていない。
 ツイン30$台の宿が増えているらしい。
 最安で評判も良かったディリゲストハウスはなくなった。
 他都市には行かなかったが、ガイドブックなどを見る限り宿がある町が多く、ディリよりは安い。ただし、予約しないといっぱいで泊まれず困ったという話がネット上で散見される。
 ディリのバックパッカーズも常に予約でほぼ埋まっているので、どこの宿でも予約することをお勧めする。行き当たりばったりの旅行者はまだまだ非常に少なく、NGO関係など援助できている外国人がどのクラスの宿も主な客なので、予約をする習慣となっているのだ。

言葉

 ほぼすべての人に通じる言葉は独立前までの公用語インドネシア語。過半数の人はテトゥン語を話す。今一番人気があるのは英語。公用語はポルトガル語だが地元民が話しているのは一度も聞かなかった。

食べ物

 ディリ市内には外国人目当てのレストランが乱立。日本食でさえ何軒もある。しかしいずれも高い。ローカルフードは当然西チモールと同じで、値段もほぼ同じ。ナシアヤン(鶏飯)1.25$、バクソ(団子入り麺)0.5$といったところ。ただし、中心部の店はローカルの店も高め。

飲み物

 ヤシ酒を売っている場所が非常に少なくなった。海辺の公園内で見かけたくらい。1リットルで0.5$。蒸留したソピは0.5リットルで1$。ローカル酒が減った代わりに、ビールをよく見かけた。

見所

 ファツカマ岬のキリスト像とその近くのビーチ。裏山に登ればすぐ伝統家屋の村がある。しかしこれといった観光ポイントはない。
 内戦で廃墟になった建物群もわずかだがまだ残っている。コモロ市場は寂れはてており行く価値なし。
 訪れていないが、田舎には伝統文化が色々残っているらしい。

インターネット

 ネットカフェはたくさんある。1時間6ドルという昔の値段でやっている店もまだあったが、現在の主流は1時間1ドル。日本語が読める台は少ない。

感想

 前回の訪問が独立直後、その後数年で随分変わったと聞いていた。しかし、8年振りに訪れた第一印象は思ったほど変わっていないなぁということ。いまでもUNが巨大な敷地を占めており、目につくのはまずUN関係で、旅行者は皆無。もちろん廃墟がビルに変わり、ネットカフェなども増えたが、これは予想の範囲内。英語が通じやすくはなっていたが、私としてはもっと英語化されるかと思っていた。
 詳しいガイドブックも出て、治安状況が改善され、ネット情報も豊富になり、以前に比べ格段に訪問しやすくなったのに旅行者がいないのは、これといった見どころがないことが大きいのか。飛行機代は異常に高いし、陸路で来るにはビザ関係が面倒といったこともあるだろう。
04Oct2010