東チモール情報 2003年版

 03年07月に東チモールを訪問された伊藤道大さんからメールで頂いた情報です。
ご本人の許可を頂き、アップしました。


2003年7月に21世紀最初の独立国、東チモールを訪問してきましたのでご報告します。

1)東チモールへの道

西チモールのクパンからの陸路での国境越えも可能だが国境周辺の治安状況は微妙なので常に情報収集が必要。
ちなみに空路はデンパサールからのメルパティ航空が毎日1便ある。

フライトスケジュール(2003年7月時点)
デンパサール>ディリ
MZ8480 AM9:15>PM12:05

ディリ>デンパサール
MZ8490 PM13:00>PM13:50
機材:B737もしくはフォッカー100

ちなみに東チモールとバリ島は1時間の時差がある。(東チモールと日本は時差なし)
メルパティ航空のチケットは日本でも発券可能。
一番安い30日FIXエコノミークラス往復のチケットでUS260$。詳しくはメルパティ航空東京支店 (TEL:03-3562-4002 FAX:03-3562-3930)まで。尚デンバサールの出国税が100,000ルピア必要。
機内サービスは機内食と飲物のサービスがある。(国際線なのでビンタンビールも飲めます)
尚リコンファームは絶対に必要。ディリのオフィスはコルメラという地区にある。(電話:001-670-321880)

尚オーストラリア・ダーウィンからは非常に小さいプロペラ機にて直行便があります。日本から行くならばインドネシア経由がベストでしょう。

2)ディリ空港での入国。

30日までのビザが空港にて取得可能。
(ビザ代金US25$)入国審査時に口頭で滞在日数を申請。他に入国及び税関申告書類の記入が必要。自分の場合2週間滞在と言ったらそのままパスポートに「14DAYS」と記入された。係官はチモール人。
尚空港においてある東チモールの無料ガイドブック(というか小冊子)「DISCOVER DILI」は有ると便利。
ディリの地図やティトゥン語の会話集が載っている。

3)空港から市内へ

空港タクシーは市内までUS5$。空港を出てしばらく歩くとロータリーがありここで流しのタクシーを拾えばUS2$。
同じくミクロレット(乗合いのミニバス)なら15セント。
市内まで車で15分から20分といったところです。

4)通貨

アメリカドル。空港には両替所無し。予め日本で少額紙幣を用意しておく必要がある。特に1ドル紙幣は必要。ちなみにコインは5セント以上から流通している。
尚クレジットカードでのキャッシングはポルトガル系銀行の「BNU」もしくはオーストラリアの銀行「ANZ」にて可能。
「ANZ」の営業時間は月曜から金曜のAM9:30からPM3:30までで銀行の外にATM有り。

5)ディリの宿

旅行人ノート「海洋アジア」の頃よりもかなり増えた。が安宿は種類が少ない。お勧めは下記2箇所。

*「ディリゲストハウス」
街の中心にあるスタジアムの南側数分の旧市場前にある。民家を改装したものでシングル1泊5$、ツイン10$。(ファン付き・水浴び場共用)
部屋はまあまあだが蚊取り線香は必要。停電は無かったが断水は多い。女主人は親切。

*「バックパッカ-ズ」
市内南西、UNMISET工兵隊基地前。ドミ8$(ファン付き)、エアコン付きドミ10$、シングル(ファン付き)10$。トイレ、マンディ共用。
共用のキッチン、洗濯機、冷蔵庫有り。部屋や設備全て綺麗。
こちらも親切な女主人がいる。レンタルバイク有り。

その他のホテルはシングル10$から20$くらいのところが多い。

6)東チモールの物価

タクシー:近距離50セントから1$,長距離2$
ミクロレット:1回で10から15セント
市場などの食堂:50セントから1$程度
(パダン料理が多いが味はインドネシアより落ちる。)
外国人向けレストランでの食事:3$から5$くらい。
外国人向けカフェで飲むアイスコーヒー:2.4$
外国人向けファーストフードでの
フライドチキン2PCSとペプシコーラ
フライドポテトのセット:3.5$
缶ビール:1.5$(オーストラリアの「VB」(375ml))
コカコーラ:75セント(オーストラリア製375ml)
ミネラルウオーター600ml:25セント(インドネシア製)
ミネラルウオーター1L:50セント(インドネシア製)
チモールビール(米が原料の地ビール):大瓶で1.7$
浜辺で売っている焼きとうもろこし:一本20セント
浜辺で売っているヤシ酒:1リットルで25セント
コーヒー豆:250Gで1.5$から
(綺麗にパックされているものだと250Gで4.5$)
チモール名産の布「タイス」:1$から
(この布をポシェットにしたものは5$でした。)

7)郵便事情

GPOはディリ港前UNMISET庁舎横のポルトガル大使館の隣にあります。日本まで葉書エアメール1枚50セント。
ただし日本に届くのに1ヶ月以上かかる。絵葉書はホテル、市場、スーパーなどで探したが見当たらない。
(注:友人はコモロ(空港から市内に行く途中)のトヨタの自動車販売店の隣のスーパーで購入できたということだが自分が行った時には無いといわれた。ちなみにこの店はかなり規模の大きいスーパーだが店を出ると海賊版VCD売りの売り子に囲まれる)

尚GPOの営業時間は月曜から金曜のAM8:00からPM17:00まで。ポストは市内にもある。

8)ディリ市内観光

見所は大体歩いて行けます。
「UNビーチとキリスト像」
街の東側の丘の上にキリスト像が立っています。街の中心から歩くと2時間程度。行きはタクシーで行って(2$)帰りは歩いて戻るのが良いでしょう。街からキリスト像までにはレストランが多い。ディリの海は思ったほど綺麗では無く、キリスト像の先の方がより綺麗です。

市内はどことなくポルトガルというかマカオ風の建物が並んでいますが、いたるところで過去の騒乱(昨年の暴動で焼かれたスーパーや99年の大騒乱の際の民家や政府施設など)の傷跡が見れます。商店もシャッターを半分閉めて営業している状況です。

ディリ港を海岸沿いに西に行くと日本大使館などの大使館街になりますがこの辺りには海が見れるレストランが多く点在します。
海辺では魚やモロコシを焼いて売っている人がヤシ酒を売っています。
夕焼を見ながらヤシ酒も良いですが日没後は街灯が無く真暗になり、タクシーも数が激減します。
外国人向けのレストランやカフェは車で行動することが前提で立地されており、この点個人旅行者にとっては不便です。

尚マーケットは市内から空港までに行く間にあるコモロの市場がお勧めです。野菜や古着、コーヒー等を売っておりそれなりに活気があります。

尚夜の楽しみが余り無いので食事が一番楽しみでした。
スタジアム前のあたりは中華街(といっても中国人経営の店が幾つか並んでいる程度)で例えば「88飯店」ではおかず2品にスープと大盛りご飯と缶ビール1缶で4$でかなり美味しかった。
営業時間もAM7:00からPM10:00までで便利です。
この並びの中国スーパーも夜遅くまで営業しています。

尚昨年の暴動で焼けたス-パー「ハローミスター」の近くに「スターゲイト」というタイ料理屋兼タイマッサージ屋が有ります。
タイマッサージ1時間18$と高いがお勧めです。レストランも含めてタイの雰囲気そのままです。

外国人向けのカフェはGPOの海に面して東側に集中しています。
ただしUN関係者の集中している店と閑古鳥が鳴いている店とで色々あるようです。コーヒーやエッグタルト(1個1$)など色々有ります。
ホテル内のレストランも朝や昼にお得なバイキングをやってます。(一食で3$程度)

尚お土産ですが名産のコーヒーは市場やスーパーにて手に入ります。タイスの布は市内コルメラ地区の西、「ホテルディリ2000」の近くに専門のマーケット(といってもただのバラック)にて買えます。

9)東チモールからの出国

市内から空港まではタクシーで2$
空港には出国前に喫茶店(チモールコーヒーが飲める)があるだけで全く何も無い。出国税として10$必要。
お土産コーナーでは国連グッズやコーヒー、天然の塩や石鹸などを販売してます。

10)訪問してみて

とにかく遠かったというのが印象なのですがそれなりに期待していましたがやはり聞いていたとおりの状況でした。街には失業者が溢れ(日中からフラフラしている人が多い)UNや援助関係の外国人はその世界とは別の租界を作り出してしまってます。まるでUNと援助団体の植民地と言った感じ。
治安についてはさほど悪くない感じですが街の空気が今後なにかが起こりそうな雰囲気です。肝心の観光資源ですがこれと言って無い状況です。ダイビングショップは幾つか出来ているようですが・・・。
なんと言ってもチモールの人たちに活気が感じられらなかったのが一番気になりました。なにかこう疲れ果てているような感じです。UN撤退後のこの国の行く末は心配ですがUN景気を見込んで進出した中国商人は口々に「UNと共に撤退する」と言ってます。
観光客も全く居ない現状で今有るレストランやホテルが継続して営業してゆくのは厳しいでしょう。
考えさせられる旅になりました。
SEP10修正/AUG03記