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2014 バングラデシュ&東北インド
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バングラデシュ&東北インド4州(トリプラ、アッサム、ミゾラム、メーガーラヤ)
5日目 アイゾール
昨夜早くに寝てしまったこともあり、朝5時に目覚める。国内時差のないインドの東端に位置していることもあり、すでに明るい。昨日は着いてすぐに暗くなり、気付かなかったが、ホテルの部屋からの景色は素晴らしい。山間部の朝らしく、霧が出ているが、人々はすでに活動を始めている。
ホテルの近くがミニバスの発着所になっており、車がたくさん停まっている。
人々の流れに従って歩いていくと大きな市場があった。人々がアジアな顔立ちというのもあるが、品物も東南アジアとの共通点が多く、インド世界から東南アジアに戻って気分になる。納豆や豆腐まであるのは、ミャンマーと共通の文化圏なのだろう。
青マンゴーのサラダはタイと共通の文化だ。サラダ屋に並んでいる瓶の液体は調味料かと思っていたが、匂いがアルコール。訊けばジュースだとの答え。その場では、酒販売が規制されているので隠語を使っているのだと推測した。しかし、後で辞書を立ち読みしたところ、ミゾ語(ミゾラム州の公用語)で"ジュース"の訳語は果実酒で、果汁の意は記載されていない。隠語ではなく、普通に果実酒の意味でジュースという単語を使っているのだ。
数種類の"ジュース"を販売している店もあり、全種類アルコールである。早朝なので味見は我慢したが、滞在中に一度は試したいところだ。
美味しそうな焼きそばがあったので、朝食にする。チョーというインド風の名前の通り、味もインドのものに似ている。
市場を出て街を歩く。坂だらけの街で、どこがどう繋がるのかよく分からない街だ。見どころに挙げられていたいくつかの教会を見て歩く。写真はミゾラムバプティスト教会だ。
短い旅でアイゾールを1泊で出る計画だったが、期待以上に興味深い街なので、2泊することにする。アッサム州を素通りせざるを得なくなるが、仕方ない。これ以上迷わないように明日出発のスーモ(ミニバス)のチケットを購入する。今のホテルは予算オーバーなので、近所のホテルをいくつか見るが、予算の範囲に収まる宿で良いところが見つからず。
宿に戻って一休み。再度出かける前に、フロントに立ち寄って延泊を伝え、支払いを済ませる。その時になって宿代に朝食が含まれていることを知る。もう10時過ぎだがまだ朝食時間に間に合うので、食堂へ。市場で朝食をとったのは7時で、ちょうど空腹を感じていたところだ。出された朝食は、オムレツとトーストとコーヒー。市場のような東南アジア風か、インド風な朝食を期待していたので、これはちょっと拍子抜け。
二度めの朝食を終え、再び街を歩く。宿の近くはタクシーで大渋滞している。坂だらけな上に、道は細く曲がりくねっている。こういった渋滞は日常茶飯事なのだろう。
牛モツスープ専門店を見つけた。二度めの朝食の後、一時間ほどしか歩いていないが、すごく美味しそう。モツ好きなので試さずにはいられない。期待通りの味で、何杯でも食べたいと思うほどだ。
ワインショップもいくつかある。ミゾラム州はキリスト教が強い州で、1996年に禁酒法が導入されている。出発前に読んだガイドブック等では今も禁酒州のごとく書いてあった。市場でジュースと称して発酵した果実酒がたくさん売られているのを見て、ビックリしたが、ちゃんとワインも売っているのだ。後で調べたところ、2008年にブドウとグアバの発酵酒を解禁、2011年リンゴ、桃等の発酵酒も解禁とある。訪問した2014年からは店で飲ませることも解禁された模様だ。ただし、州内生産の果実を使った果実酒のみで、ビールや蒸留酒などは今も禁止である。
一時間ほど歩いて市バスターミナルまでやってきた。郊外に行ってみたく、ガバメントコンプレックス行きに乗る。
バスは30分ほどの間に二度谷を越え、終点に着いた。ガバメントコンプレックスという名だが、裁判所があるくらいで、あとは普通に人の住んでいる郊外の村だ。郊外で食事をとってみたかったが、食堂どころか商店もない。
バス停には何人もの人がいたが、そこでだべっているだけ。バスはほぼ空席のまま引き返していった。
景色が良かったので街まで歩いて戻ることにする。ほぼ平地がないのに家はポツポツと連なっている。一時間ほど歩いて、途中唯一あった商店に到着する。ジュースとお菓子を買って一休みだ。店番の女の子は英語がペラペラだったので、アイゾールのことを少し教えてもらう。
商店から見たアイゾールの街。直線距離は大したことないが、深い谷が横たわるので、まだまだ遠い。
アイゾールの人々は写真を撮ってもらうのが好きな人が多く、ありがたい。道路沿いにの家の二階にいた子供たちもカメラを向けると大喜びしていた。
砕石場で作業をしているのは女性ばかり。人力で石を砕き、袋詰している。よく見ると顔にミャンマーのタナカと同じものを塗っている人もいる。文化はやはりミャンマーと共通しているのだ。
道路沿いには豚小屋も多い。急斜面なので、糞尿はそのまま崖に落としている。
2時頃に街まで戻ってきた。
遅くなったが、まずは昼食だ。食べたのは、牛レバーの煮物。
そして、カレー風味の肉入り粥。
そして再び牛モツ。味付けは少し違ったが、こちらも美味い。
食事中にスコールが来た。酷い降り方で、歩いている途中で降らなくて本当に良かった。
この降りでは店から出られず、のんびり過ごす。先に食事をしていたおばさんたちも雨で長居だ。
おばさんたちが食べていた粥もうまそうだったので、追加で注文する。こちらの粥も絶品だ。
雨が上がり、朝にも行った市場に向かう。お目当てはもちろん"ジュース"だ。各種類味見させてもらう。発酵が進み、甘みはほとんどなく、アルコール度はワイン並みにある。一番口当たりの良かったバナナ"ジュース"を一本買った。
宿に戻って、景色の良い屋上でバナナ"ジュース"パーティー。スコールが嘘のように天気は良くなり、最後は夕焼けがきれいだった。
夕食は近くの店でカレーを食べる。市場周辺にはミゾラム料理の店がたくさんあるが、宿の周りはインド料理ばかりだ。