2019 東チベット

カムとアムド

6日目 甘孜(カンゼ)

 暗い時間から経を読む声が寺の方からしてきた。6時40分、若干の朝焼けが残る中、起床する。
19/05/14 07:39:02
 薬のおかげか、高度に慣れたのか、高山病の症状はかなり治まっている。
 朝はまず、乗り合いタクシー乗場を見に行く。呼び込みの多いのはやはり成都。外国人が行けなくなったのが浸透しているのか、アチェンガルゴンパ行きは声を掛けて来ない。明日行く予定玉樹(ユウシュ)行きの値段は分かったが、車はなさそうで、少し不安になる。なければ乗り継いで行けば良いだろうが、距離があるので大変なのだ。
 さらに少し歩くと市場があった。まだ時間が早いので準備中の店が多いが、それでもすでに買い物をしている人も多い。ちょうど肉が次々は運ばれて来て、売り場の人々は肉の解体に大忙し。肉を切る包丁は各種サイズがあり、良く研がれている。
19/05/14 08:30:22
 市場を抜けたところに別の乗り合いタクシー乗り場があり、こちらの方が目的である西方向の地名が多い。しかし、玉樹はない。探しておくから電話番号を教えてという運転手はいたが、こちらには電話がない。まあ明日朝早くに来れば何とかなるかな。
 ここから街の北の丘にある甘孜寺(カンゼゴンパ)に向かう。途中、昨日ひとりで来た家具屋が並ぶ通りに来たが、今日は店がまだ閉まっていた。
19/05/14 08:53:08
 ゴンパのある丘に近づくにつれ、伝統家屋が目立つようになってきた。
19/05/14 08:56:52
 丘のふもとは伝統家屋ばかりの集落となり、お坊さんの姿が目立つ。お坊さんたちは明るく、「タシデレ」と声を掛けてくれる。チベット語の挨拶だが、これだけ連続で聞くと覚える気がなくても覚えてしまう。
19/05/14 09:11:02
 ヤクや牛の糞を乾かして燃料にしている。
19/05/14 09:22:44
 ゴンパ到着。山に掛かっていた雲が切れてきて、雪山と仏塔(チョルテン)が美しい。
19/05/14 09:24:20
 針葉樹の枝やツァンパを香として燃やし、良い香りを周辺に漂わしている。
19/05/14 09:41:50
 チベットのゴンパは、同じようなサイズの建物の集合体なので、どれがメインなのか良く分からない。最初に訪れた奥の建物の方が立派だったが、中には入れず。手前の建物には入ることができた。
19/05/14 10:00:48
 中には温和な表情の仏像がたくさん並んでいる。
19/05/14 10:02:28
 来た時と違う道を通って丘から降り、さらに違う道で宿を目指す。粘土で作った仏像が路上で干されている。
19/05/14 10:23:24
 チベット食が良いとここまで朝食抜きで歩いたが、チベット食堂はどこも閉まっていた。さすがに腹が空いたので、回族の店に入り、一般的なおかゆと包子の朝食をとる。
19/05/14 10:31:52
 探さなくなったら見つかるもので、朝食後すぐに開いているチベット食堂を見つけた。メニューを見るだけといって入った妻だが、結局食べたくなってしまい、ヤク肉のツクパを注文する。2人で一つ頼んだだけだが、美味しかった。
19/05/14 11:05:36
 食後、店の人に色々質問する妻。店の人が初めての日本人だと喜んでくれており、親切で助かった。
19/05/14 11:21:50
 近くに屋台の並ぶ賑やかなところがあり、伝統衣装の人々が何人もいた。
19/05/14 11:38:56
 ここで妻は宿に戻ることになり、私は郊外の僧院を目指して歩くことにした。地図上には大回りの車道しかないが、草原の中に歩道は続いている。
19/05/14 12:05:38
 途中でのんびり休んだせいもあるが、ゴンパまで1時間以上かかった。歩きだした時は雲がかかっていたので日焼け止めを塗っていないのに、青空が広がり、すっと日を浴びている。標高3400mの高地なので、日焼けが怖い。しかし、晴れたおかげで景色は最高!
19/05/14 12:40:52
 ゴンパはこじんまりしており、中にも入れず。
19/05/14 12:55:32
 建物外に仏像が仏塔がある。お参りの人も少数だがいた。
19/05/14 12:55:58
 14時くらいに宿に戻る。疲れたのでしばし昼寝。
 2度目の朝食が昼食ということにするつもりだったが、3時過ぎから昼食に行きたいという妻に合わせ、再び外出する。街の中心部にあるチベット食屋へ。今度は平麺を小さく切ったテンツクを注文する。
19/05/14 15:44:34
 面の味は違うが、スープの味は朝の店と同じだ。
19/05/14 15:51:36
 まだ歩いていなかった街の西側を歩く。
 お供えにも食事にも使われるバターは、チベット人の重要な産品であり、専門店で扱う量は、さすがに多い。
19/05/14 16:32:24
 路上で多くの人がブラシを持って何やら作業をしている。植物の根の部分に付いた土を落としている様子だ。その後ろにある店では、土落しの終わったもののサイズを分類している。
19/05/14 16:36:38
 よく見ると根っこが芋虫に見える。冬虫夏草(とうちゅうかそう)だ。冬虫夏草とは、きのこの一種で、土中の芋虫に寄生し、中医学・漢方の生薬や、薬膳料理・中華料理などの素材として用いられる。チベット高原でしか取れない貴重なものだ。
19/05/14 16:38:24
 迷路のように続く伝統家屋地区を抜けると大きな吊り橋に出た。吊り橋の途中まで進んだが、対岸におもしろそうなものがなく、引き返す。
19/05/14 16:46:42
 もともと目指していたのは吊り橋の上の方にある展望台。街の景色が良い見所だ。しかし、雲が出てきて景色はさ程でもない。
19/05/14 16:59:38
 再び街に戻る。チベット食の基本であるツァンパ屋が並んでいる。ツァンパは炒った青稞麦(裸麦)を粉にしたもの。30年近く前、私が初めてチベットに来た頃は、大きな町以外は、このツァンパとバター茶しかなかった。ほぼ毎日、毎食、1週間近く食べ続けた懐かしい食べ物だ。でも、粉にする前の炒った麦を見たのはここが初めて。
19/05/14 17:07:06
 ヤクの毛の問屋もあった。
19/05/14 17:10:02
 最後に帽子屋で妻が帽子を購入。持っていた帽子をもう買い換えたいと前から言っていたが、いきなり即決での購入だ。
19/05/14 17:23:56
 妻は、仲良くなった昨夜の食堂の女の子にいらなくなった今までの帽子をプレゼントしてくるというので、私は先に宿に戻った。食堂ではお母さんが大喜びし、包子を食べられるだけ食べていけと妻に勧めてくれたそう。
19/05/14 17:57:40
 夕方5時過ぎにお腹いっぱい包子を食べたのだから、さすがの妻も今日は夕食はいらないと思いきや、ツァンパを出す店があるから行きたいという。お腹は空かなくても食の収集は止まらないのだ。丹巴で食べたツァンパ餅で十分だと思うが、普通の食べ方を見たことがないと納得しない。空腹の時でないと美味しくないと説得するが、し切れず。
 店はホテルの向かいだ。ツァンパとバター茶を一つづつ注文。一つといってもバター茶は大きなポットに並々、何リットルも入っている。そして、ツァンパは粉とバターがどんと出て来た。これにバター茶を混ぜてこねるのだ。
19/05/14 20:39:50
 こねたら手で固めながら食べる。
19/05/14 20:57:34
 味は丹巴のツァンパ餅と同じ味。好きな味だが、量が多すぎる。なんて思いつつ食べ進んだら、結局完食できた。飽きのこない味でバター茶とやはりあう。でもこれだけ食べたらやはり食べ過ぎ、翌日はずっと膨満感が続いて苦しかった。