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2019 東チベット
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カムとアムド
7日目 甘孜(カンゼ)→石渠(セルシュ)→玉樹(ユウシュ)
朝6時、ホテルを出て乗り合いタクシー乗り場に行くも閉まっており、誰もいない。もう一か所の方に行くと数台の車はあったが、玉樹行きも石渠行きもない。ここで待っていたらあるかもといわれたが、とりあえず元のターミナル前で開いていた食堂に入り、朝食をとる。待つしかないのでのんびり食事をしていると、8時出発で玉樹に行くという運転手が我々を呼びに来た。これで一安心、とりあえず行くことが出来そう。現在の相場は一人150元、約2500円と昨日確認していたが、運ちゃんの言い値は170元。交渉で150元に下がったが、助手席は170元と譲らないので、2列目の席を確保する。
出発まで1時間以上あるので、食堂でのんびりしている妻を残し、私は漢人寺を再び訪れた。寺の外周を回っている人がいたので、ついて行くと、小さなマニ石塚があった。このような経文が書かれた石の塚はチベット仏教の地で普通に見られる。その最大のものが玉樹あるというので、今日は玉樹に向かおうとしている。
街を引き続きプラプラして7時半頃乗り合いタクシーのところに戻ると、人が集まったようで出るぞと言われた。このくらいの時間になるとターミナルには続々と人が集まってくる。7時に来れば十分だったようだ。
7時45分出発。やはり写真を撮るのに助手席が良いという妻は170元を受け入れて助手席、私の席は2列目だ。中国の乗り合いタクシーは多くの途上国と違って、車の定員しか客を乗せないので狭くはなく、快適である。今日はずっと標高3000メートルと越えたままで、あちらこちらでヤクがいる。昨日以上に大きくて新しい僧院が次々と現れて、良い景色だ。写真は、徳格(デルゲ)県錯阿郷付近の僧院。
石渠と徳格の分岐手前で、尼さんが一人降りた。そのすぐ後にパスポートチェック。終わった後に、分岐の先でしばらく停車する。トイレ休憩には長いなと思っていたら、降りた尼さんが歩いてやってきた。身分証に不備があったのか、検問逃れをするためにわき道を歩いたのだった。
分岐から30分ほど進むと前方にトンネルの工事が見える。そこからは、つづら折りの未舗装路となり、どんどん標高を上げ始めた。雨が降り出し、それがミゾレとなり、ついには雪が降り出した。
峠の標高は4200メートル台。周りは真っ白な雪山だ。
石渠県の蝦扎郷で昼食休憩となり、水餃子を食べた。村のすぐ先に、小さな僧院が見える。
再出発してすぐの峠には、標高表示があった。食事した村からあまり登っていないのに4229メートルもある。
石渠の手前にも大きな僧院。石渠僧院が有名で、時間があれば行きたかったところだが、その僧院は石渠よりも先にあるはず。
石渠で他の乗客は全員降りてしまった。ここからの乗り合いタクシーに乗り換えさせられるのかなと思ったが、客待ちするので出発は1時間半後といわれた。そんなに簡単に人が集まるのか? 10年ほど前の地震で破壊された後に再建された新しい町なので、少し散歩をするもあまり面白いものは見つからず。街の中心にある写真の大劇場はまだ未完成だ。
標高4200メートルの街とあって、少し歩くだけで、息苦しくなってしまう。散歩は早々に切り上げて、車の中で横になる。待つこと45分ほどで客が居たからと出発になる。来たのは3人だけ。定員7人の車だが、2席は空いたまま出発だ。
さほど登らなかったが、次の峠は4329メートル。
約30分ほどで石渠ゴンパに到着。評判通り大きな僧院だ。ここで先ほどの3人が降りて、しばらく停車。2人乗ってきて再出発する。
ここからさらに標高をあげてゆく。四川省と青海省の境にある峠が今日もっとも標高の高い峠で、標高約4600メートルだ。
四川省側はなだらかな登りだったが、青海省側はつづら折りで、谷底に見える村を目指し、標高を一気に下げてゆく。途中、ヤクの群れに通行を遮られる。
青海省側には高速道路があるのに、高速道路に入らずに玉樹を目指す。何故か、仲間の車がUターンしてきて、一緒にUターン。そして、未舗装の脇道に入り、行き止まりのような場所まで行き、長く停車。運転手は焦っている風で、機嫌が悪い。青海省での営業許可がないのに検問が見えたということなのだろうと思われるが、真相は分からず。仲間からの電話の後に再出発したが、何度もわき道に入って、最後はすごく時間がかかる。玉樹を見下ろすようにそびえる僧院が見え、やっと着いた~と感じた。
ここまでは事前に宿を予約していたが、着けない可能性があり、しかもネット予約できる良さ気な宿がなかったので、今日は宿の予約をしていない。これまでの中国旅行では宿予約なんてしたことなかったので、行き当たりばったりでどうにかなることは分かっているが、久しぶりなので面倒である。少々高くても良いと思い、大きくて外観のきれいな賓館をにまず当たるが、安宿でもないのにトイレやシーツが汚く、うーん。標高3600メートルあるので、部屋を見るのに階段を上るだけでも正直つらいのだ。結局、ネットで見ていた240元の宿にチェックインする。
ここも地震で破壊されて再建された街なので中国風の街並みとなっている。そうはいっても、道ゆく人々はチベット人だし、チベット食屋もたくさんあり、やっぱりチベットに居ることを感じられる。夕食はチベット食屋で、チベット麺の代表であるテンツクとツクパを食べる。
24時間湯が出るといっていたのに、シャワーの湯がほぼ水で浴びられない。高い宿なのにシャワーも浴びられないとは思わなかった。今のホテルに2泊はなくなった。明日は、夜行で出発するか宿を移るかだ。