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2019 東チベット
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カムとアムド
11日目 夏河(シャーハ)
8時頃宿を出て、まずは街へ。まだ開いている店は少ないが、ヨーグルトなどのトラック販売や食堂はチラホラ開いている。ラプラン寺の敷地に面したチベット料理屋で朝食をとる。蔵的包子(チベット式肉まん)が、ジューシーですごく美味しい。見た目は普通の包子だが、チベット式というのは肉がヤク肉なのだ。

朝食後、昨日も歩いた寺院敷地外周を回るコルラ道を歩く。昨日以上に巡礼者が多く、きれいな服装の人が多い。

マニ車が一直線に並ぶコルラ道に巡礼者がずらりと並ぶのは壮観だ。

五体投地の台も大人気で、皆さん熱心に五体投地を続けている。

昨日は入らなかった建物に入ってみると、中でも皆さん熱心に祈っている。

昨日、ミネラル水を配っていた辺りで、今日はヨーグルトを配っていた。昨日の水は断ったが、今日は喜んでいただく。美味しいヨーグルトだ。

どう見ても新調に見える民族衣装の人が非常に多い。どうも特別な日のようだ。

子供たちもきれいな服を着て元気に歩いている。

昨日も少しはいたが、今日は施しを待つお乞食さんが非常に多い。列をなして待っているのだが、その一人一人にお金を渡している人のなんと多いことか。もらう方は朝からかなりの札束を持っている。

人の流れの多い建物に入ってみる。先ほどの建物は撮影禁止だったので中は取らなかったが、こちらは禁止マークが見当たらなかったので何枚か写真を撮る。

巡礼の人々は施し用の札束を持っていたり、大きなお供え用のバターを抱えていたりする。バターは各蝋燭に少しづつ入れてゆく。

出入り口の階段は狭く、人々は押し合いながら進むので、足の悪い人が悲鳴を上げていたりする。

少しシックで、人通りの少ない建物に入ってみる。

中国政府から禁止されているダライラマの写真が暗い場所に飾られており、びっくり。

この建物がメインの建物。大きくてどこが入り口なのかもよく分からない。

どの建物にも香を焚く場所があるが、メインの建物らしくここはひと際大きい。

入口バケツに入っているのはおみくじらしい。適当に選んで引く形式だ。

ほぼ一回りして、右側からメインの建物内部に入ろうとしたら止められた。ここは有料でチケットを買って来いという。ほぼ全員が巡礼者で続々とそのまま入っているので付いて行ったが、観光客と分かると止める係りがいるのだ。中国人観光客と思われて、べらべら中国語で説明されたがよく分からない。チケット売り場は場所も分からず、結局入らず。
再び外周のコルラ道に戻る。今日は子供でさえ五体投地している。

1周を終え、食堂が並ぶ辺りまで来ると甘い汁に麦を入れたデザートのようなものを配っていた。歩いてのどが渇いていたので美味い!

朝よりも人は増え、マニ車を回す人々も渋滞している。

一旦街に出て散歩。今日も賑やかだが、昨日よりもみんな着飾っている。

この子供たちはちょうど店で服を買ってもらった様子。

バスターミナルまで行って明日の切符を買い、また街に戻ってきた。豪華なチベット食が良いなと高級そうな店に入るが、満席。少し待ったが食べられず。結局、朝と同じ安チベット食屋街で相席の食事をする。都瑪(ツマ)というツァンパのお粥のようなものを食べてみた。ツァンパを甘くしたデザートみたいで少し物足りず。

しかし、今日はどの店も混んでいて、店の前で食べている人までいる。

宿に戻る途中のこの店で妻はスカーフとネックレスを購入。

宿に戻って、今日は何の日と尋ねたら、サカダワ大祭の日で、一年で一番重要で、正月よりも大切な日なんだと教えられた。今日積む功徳は普段の日の何十倍の価値があるとされているので、お参りをしたり、喜捨する人が多いのだという。にぎやかで皆さん着飾っている訳だ。
16時頃から再び出かける。さらに人は増え、マニ車のところは渋滞どころでなく、完全に行列になっている。

少し高台に登ってみる。写真に写る範囲の建物はすべてラプラン寺院のもの。すごく広くいのだ。

山の方で何か行事があったのか、続々と人々がやってくる。

人々の来る方に少し歩くとツァンパを燃やしている場所があった。たくさんツァンパは用意してあるが、ほとんどの人が自分のツァンパを持って来て、積み上げてゆく。

さらに進むとずっと遠くから人の列が続いているのが分かった。何かの行事があったのではなく、こちらにも別のコルラ道があるようだ。

さらに逆行して進むと斜面に煙がもうもうとしている。

ここにも皆さんツァンパを持って来て燃やしている。

この燃やすツァンパを抱えたまま遠くの山から人々が降りてくるのが見える。相当大回りのコルラ道があるのだ。

進行方向を見ると谷の向こうに人が続いている。

途中からになるがこのコルラ道を進むことにした。寺院外周のコルラ道を歩く人々はきれいな服装の人が多いが、さすがにこちらは歩きやすい服装と歩きやすい靴の人ばかりである。

もう夕方の5時を過ぎているのに、人の数は全く減らない。

20分ほどで元の場所に戻った。もう歩くには遅いかもしれないが、もしまだ今から行く人がいるようなら大回りのコルラ道を歩きたい。先ほど見た降りてくる場所と地図や航空写真で登り口を推定し、行ってみることにした。
お寺を通り抜け、寺の西側に出る。こちらにも宿や食べ物屋がたくさん並んでいる。予約サイトで外国人の泊まれる宿を探した時にはこちらは全くなかった。雰囲気的にはこちら側が巡礼者向けだろう。
ラプラン寺の敷地外にも寺があった。新しい建物なので、ラプラン寺が拡張しているのかもしれない。

路地のような登り口を発見。ここからが外回りのコルラ道だ。

集落を抜けると完全に山道となる。18時を回ったが、まだまだ登る人がおり、ホッとする。

この大回りの山道にも五体投地で進む人がいた。凄いとしかいいようがない。

山の上の方に遺跡のようなものがある。ここにも寺院があったようだ。仏塔だけは今も使われている。

道中、馬の絵を描いた紙がたくさん落ちている。ルンタ(風の馬)と呼ばれる紙で、ばら撒くと、馬が天を駆けて仏法を広めてくれると信じられているそうだ。峠のところで撒いているのをちょうど見ることができた。

上から夏河を見下ろす。土屋根の部分がラプラン寺の僧坊でラプラン寺はこの右手にも広がる。その左上奥が、チベット人地区の繁華街。さらに奥のビルが見える辺りが、回族や漢族の地区となっている。

峠近くの斜面で五体投地する人が何人もいた。

尾根をしばらく進むと先ほど訪れたツァンパ焼き場が見えた。

19時頃に先ほど歩いた場所に戻り着く。そして街に戻り、昼と同じ店で夕食をとる。今度はツァンパを注文。手で練ったものが出て来た。普通においしい。

20時でもまだ明るい。マニ車の行列は終わり、休んでいる人が多くなっている。

たくさん歩いて疲れたが、非常に充実した一日。たまたま特別な日に当たって本当にラッキーだった。