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2013夏 中国、ベトナム
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中国(広西チワン族自治区、雲南省)+ベトナム(ハノイ、サパ)の旅
4日日 -ドンダン-ハノイ-
憑祥(ひょうしょう)駅を出て約50分でベトナム側の駅ドンタンに到着。中国時間の午前1時、ベトナム時間では深夜0時である。ここでも一旦下車し、入国審査を受ける。駅の待合室のような場所の窓口でパスポートチェックだ。ここに両替カウンターもあった。レートが悪いという情報があったので100元だけベトナムドンに両替する。
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ドンタン駅を出発したのは0時40分。ハノイ東部にあるザーラム駅に着いたのはほぼ定刻の5時20分で、まだ暗かった。妻を駅に残し、外のATMまで行って、キャッシングをする。さらに歩いて、バスターミナルへ。ここからラオカイのバスがあれば乗ってもいいと思ったが、ラオカイ行きは別のバスターミナル発しかなかった。ようやく明るくなってきたので、駅に戻る。
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駅窓口が開けば今夜のラオカイ行きの切符を買おうと思ったが、まだ開いておらず、何時に開くのかもわからない。夜行列車はどのみち旧市街にあるハノイ駅始発なのでハノイ駅まで市バスで移動する。大きな駅だけあって、早朝から開いていて、今夜の切符は入手できた。しかし、買うつもりだった特急の寝台は売り切れており、ローカル列車のハードシートクラスとなる。寝台を買うために1万5千円くらいキャッシングしたのに、これではドンを使い切れない。
移動手段が確保できたので、近くで朝食をとる。ベトナムは路地に低いテーブルを出している食事処が多い。この店でモツ入り粥を食べる。
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駅周辺に市場が広がっているので散策する。豆腐が美味しそう。
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賑やかな市場は活気があって楽しい。
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線路を越え、駅から西の方に進むと文廟がある。李王朝の第三代皇帝であった李聖宗(リー・タイントン)が1070年に設立した霊廟で、儒教の開祖「孔子」が祀られている。中国にならって科挙制度を採用し、1076年にはベトナム最古の大学とされる国子監を文廟に併設したという。写真は正門となる文廟門。
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中は広く、一通り見るのに1時間はかかる。参拝客も多く、土産物も売っている。
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第三の門となる「奎文閣(ケイブンカク)」は1805年に造られたもので、ハノイのシンボルにもなっている代表的な建物だ。
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今度は市バスに乗って西湖へ。湖の中心部に突き出た半島に西湖府がある。ベトナムの民間信仰である聖母道の女神柳杏聖母(りゅうきょうせいぼ)を祀り、聖母信仰の三大聖地の一つとされる場所だ。大勢の人が熱心にお参りしている。
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戻るバスを待つが中々来ず、バス停前にあるビアホイ(=生ビール)の店があまりに美味そうで気になる。昼食には少し早かったが暑かったこともあり、つい入ってしまう。つまみはピーナツがお通しで、注文したのはカエルの炒めものと豆腐。どちらも市場で売っているのを見て気になっていたものだ。カエルは小骨が多いが、味はしまった鶏肉のようで美味い。
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豆腐は厚揚げのようなフライで、塩レモンで食べる。
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次の目的地までは約2キロ、バスを待つのを止めて歩くかと思ったところでバスが来た。西湖の小島にある鎮国(チャン・クォック)寺へ移動する。小島といっても橋で湖岸とつながっており、バスは寺のすぐ前に停まる。遠くからも目立つ赤い仏塔で有名な寺院だ。6世紀建立でハノイ最古の仏教寺院だが、今の建物は17世紀に移設されてきたものである。
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鎮国寺からはコーズウェイを歩いて西湖の景色を楽しむ。
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橋を渡りきった西湖の南岸に鎮武観(真武観)がある。こちらは道教の寺院だ。ここでは武道の練習をする人が多くいて、中国の寺院みたいに感じた。
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さらに南に歩くと「ハノイのタンロン皇城の中心区域」として世界遺産登録されたタンロン遺跡がある。1010年から1804年までほぼ一貫してベトナム諸王朝がここに都を置いたため、各時代の遺跡が重なっているのが特徴だそう。王城であった当初から残る建造物はこの端門のみ。
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敬天殿跡に残る龍の階段は1467年に作られたもので、現存する最も古い構築物だ。
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遺跡の多くの場所は今も発掘中で、その作業風景を見ることも出来た。
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夕方になり、ようやくハノイの旧市街にバスで戻ってきた。ハノイは城郭都市で今も城壁や門が残る場所がある。東河門は、望楼を兼ねた城門で18世紀のものだ。
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バイクや人の多い旧市街をのんびり歩く。
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ハノイ最大の市場であるドンスアン市場に入り、土産など見るが、妻は中々気に入るものがない様子。
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時間は早いが繁盛しているおばさんの店が美味しそうだったので、食べることにする。
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こちらがホーガー。ホーは平たいライスヌードルで、ガーは鶏肉。
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こちらはホーボー。ボーは牛肉を指している。
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食べたことのない食事を見つけ、食事をしたばかりだというのにまた食べる。ソイノン(XOI NONG)という家庭料理。もち米の上に煮込んだ肉を載せている。ホーよりも断然美味いと思った。
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今日は、儒教や聖母道、仏教、道教の寺院を見たので、最後にもう一つ大聖堂を見に行く。
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ホアンキエム湖のライトアップを楽しんだ後、バスに乗って駅に向かう。
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駅周辺に時間をつぶす良い場所がなく、妻はショッピング。ブレスレットや帽子を買っている。それでも出発時間まで時間は余り、お金も使い切れそうにない。結局3度目の夕食を、ちょっと高めのレストランで取ることにする。居心地はよく、早朝から荷物を持ったまま丸一日歩いた身には良い休息だ。しかし、洋食に瓶ビールよりも、路上でベトナムのつまみを食べながらビアホイ(生ビール)を飲む方が、旅をしている気分になり、楽しくもなるので、私には合っている。
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列車の外観は悪くなかったが、ハードシートと英語で言われた座席は、本当にクッションがなく硬い木だ。まあ仕方なし、満席でないことが救いだ。列車はほぼ定刻の22時に出発した。