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2013夏 中国、ベトナム
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中国(広西チワン族自治区、雲南省)+ベトナム(ハノイ、サパ)の旅
7日日 元陽(新街-多依樹-勝村-壩達-麻栗塞-全福庄-箐口-新街-老虎嘴-新街)
今日は2ヶ月前に世界遺産登録された「紅河(こうが)哈尼(はに)棚田群の文化的景観」を見に行く日だ。「紅河哈尼棚田群」の名称は正直にいうと世界遺産登録のニュースが流れるまで知らなかった。ニュースが流れてから調べ、昔から行きたいと思っていた元陽棚田のことだと知ったのである。紅河哈尼族彝族自治州政府が、元陽県・紅河県・緑春県・金平県にまたがる棚田群をまとめて世界遺産登録の申請したのでこの名称だが、実際に世界遺産登録されたのは元陽棚田として知られていた元陽県の部分のみとなっている。
まだ真っ暗な5時に起床する。5時半にホテルのロビーで昨日知り合った台湾人の張君と蔡君、そして重慶から来た母娘と待ち合わせ。6人でチャターした車で5時40分に出発だ。
10分ほど坂を進み、箐口(ちんこう)ビジターセンターに到着する。世界遺産に新たに登録されて新しくなった切符売り場だ。入場料は一人100元(1600円)。決して安くはないが、昨今の中国における世界遺産としては安いほうだ。ガイドブックでは入場料などなく、各展望台や民俗村で入場料を徴収しているとあるが、今はすべて込みになっている。
再び車に乗って、元陽棚田では一番奥のほうにある多依樹(どゐしゅ)展望台を目指す。途中の景色は良いはずだが、まだ暗い。
日の出で有名な多依樹にある黄草嶺展望台には6時半に到着した。できたばかりの巨大な展望台で、ここで日の出を待つ。東の空が赤く染まってきた。
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朝もやに霞んでいた棚田が姿を現しだすと日が出てきた。
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延々と広がる棚田と点在するハニ族の集落が美しい。
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少し右手に目を移すと村の中心部のような場所も見えている。出発まで時間があったので、しばらくはぼーっと景色を眺めていた。
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巨大な展望台を完成させているが、日の出を見ていたのは我々だけ。遅れてしまったという感じで車がもう一台来たが、世界遺産登録されてもこんなものなのか。
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7時半に出発し、15分ほどで、勝村(しぇんちぇん)に到着する。ここで朝食だ。カラフルな民族衣装は彝(イ)族のもの。
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臭豆腐を焼いているのも彝族の女性だ。お店を出すのは彝族の人が多い。
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荷物を背負って歩いているのは哈尼族の女性だ。哈尼棚田というくらいなので、周辺に広がる棚田を維持する農民が哈尼族で、彝族は街に住む人々なのだ。
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水たばこを楽しむおじさんたち。男性は民族衣装を着る人が少なく、どちらの民族なのかちょっと見ただけでは区別がつかない。
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黄牛干巴と呼ばれる黄牛の干し肉は元陽県の名産品だ。*黄牛は中国在来の牛の総称。
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薬局で薬の調合を待つ男性。男性の民族衣装は彝族でも地味なので、この人がどちらなのかよくわからない。
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甕に入った酒を量り売りする酒屋さん。
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尼族と彝族の村である勝村村は、短時間であっても非常に面白かった。
次に訪れたのは壩達(ぱーたー)の棚田展望台。お土産屋さんの売り子は民族衣装を着た彝族の女性だが、売られているのは哈尼族の衣装やアクセサリーが多い。やはり地味な壩達の衣装は観光客には売れず、哈尼族のものを並べざるを得ないのだろう。
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ここからの棚田も素晴らしい。本当に美しい場所だ。
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しかし、棚田の景色を見るだけでなく、実際に棚田のあぜ道を歩いてみたいし、先ほどのような村も歩きたい。棚田に囲まれた集落をもっと歩いてみたいものだ。
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次の訪問地は麻栗塞(まーりーざい)の展望台だ。ここからの景色も棚田が主だが、棚田展望台ではなく、茶生産の展望台となっている。よく見たら手前の緑は水稲の緑ではなく、茶畑だ。
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続いて全福庄(ちょんふーちょん)の展望台へ。ここは棚田を上から見るのではなく、棚田の際に展望台がある。
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やっと棚田を少し歩くことができ、嬉しい。栽培されている米は伝統的な赤米だ。
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6ヶ所目のストップが、箐口(ちんこう)棚田ビューポイント。そしてそのすぐ先にあったのが、箐口民俗村である。元からある哈尼族の村に看板などを設置し、観光客が哈尼族の文化を学べるようにしている生きた博物館だ。約150戸、800人の人々が昔からの生活そのままに暮らしている。観光客が来ることも多いようで、普通に村人と交流もできる。豚やガチョウが歩いている面白い村だ。
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蘑菇房(ムォグーファン)と呼ばれるレンガ造りの建物は、哈尼族の伝統的家屋で、意味はキノコの家。三階建で、屋根は茅葺き、遠目にはキノコに似ていることから名づけられた。1階は家畜小屋や農具庫と使われ、2階が生活の場、3階は食料庫などに使われる。
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共同の場所にある水力脱穀機。
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集落の一番低くなっているあたりに、水車があり、小屋の中で精米用の石臼と繋がっている。
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水車小屋の先は棚田に繋がっている。少し歩いてみるが、村のほうが面白いのですぐに戻った。
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車道から広場に続くメインの道以外は、路地が迷路のように連なっている。
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洗濯場では小さな女の子が洗濯をしていた。
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一時間以上村を堪能し、11時45分に出発。12時ちょうどに新街に戻り、午前の部は終了だ。半日とはいえ、朝5時半から6時間半のツアーだったので、主な見どころはほぼ見ることができた。16時半から夕陽を見るためにもう一度同じ車で出かけるが、それまでは休憩で解散となる。
まずはバスターミナルへ行って明日のバスチケットを購入する。私が窓口に行っている間に妻は待合室にいた哈尼族の女性達と仲良くなり、すごく楽しそうにしていた。
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昼食は、名物の焼臭豆腐。朝の村で皆さんが楽しそうに食べているのを見て、食べてみたかったのだ。
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そして涼米線。米線は中国雲南省特産の米を材料に使ったヌードルで、これは冷たい和え麺。
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もう一つが熱米線。具が少ないが、ここに好きなだけ焼臭豆腐を載せて食べるのだ。
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村に戻る乗り合いの車。時間があればこういう車で全く観光客の来ない村にも訪れたいが、今回は時間がない。
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腹いっぱいになってホテルに戻る途中で、おいしそうな焼鴨肉が並んでいる店があった。大きな鴨が一羽で20元。安いと思ってつい買ってしまった。
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量り売りのお酒も買って、部屋で宴会。早朝に起きたこともあり、途中で良い気分となり、そのまま寝てしまう。
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眠れなかった妻は、ひとりで散歩に出たらしい。昨夜訪れた哈尼料理の店に行き、いろいろ質問していたところ、従業員の食事時間になり、ごちそうしてもらったそう。
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ホテル前の広場でも哈尼族のおばあさんたちと仲良くなって、ずっと話をしていたそう。
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16時半、午前中と同じメンバーで、老虎嘴の展望台へ。ここは今まで見た展望台よりも斜面がきつく、一枚の田の面積が狭い。ここからの写真を昔に見たことがあり、元陽の棚田がいつか訪れたい場所の一つになっていたのだ。
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今までのところにはいなかった土産物売りの人々がこの展望台にはいたが、客はここでも我々だけ。最初は客が来たと喜んで我々を囲んできたのに、すぐにだれておしゃべりを始めている。我々も時間があまり子供たちとおしゃべりする。
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この辺りは稲刈りが終わっており、田には水が張られている。年に何度かとれるのだろうか。
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1時間以上待って、ようやく夕陽に棚田が色づいてきた。
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19時半に日没。
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日没後すぐに戻るはずだったのに、車がなく、運転手がいない。張君が携帯で運転手に電話すると一度新街に戻っており、遅くなってしまったらしい。仕方なく、さらに30分ほど子供たちと遊んで時間つぶしをする。
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20時15分にようやく老虎嘴を出発し、21時前に新街に戻ってきた。今日の交通費は一人60元、いろいろ見ることができて楽しかった。
ホテル前の広場では、大勢の人々が踊っている。お祭りかと思ったが、中国各地で行われている健康のためのダンスと同じようなものらしい。でも民族衣装を着ているし、踊り自体が民族の伝統的な踊りだそう。
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さすがに時間が遅く、お腹がすいたので、踊りは少し見ただけで、ホテルの部屋に戻る。夕食は、昼に食べ残した鴨肉や妻が昼にお土産でもらってきた哈尼料理である。