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2020 マカロネシア&UK
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日記»
カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
8日目 ポソ-マスパロマス-ファタガ-サンバルトロメデティラハナ-ヌブロ岩-カリサルデテヘーダ-カンデラリア-ラモンターニャ-ポソ
昨夜の残りで朝から豪華な朝食をとる。
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グランカナリアの観光地でまず挙げられるのが、マスパロマスにある砂丘保護区である。大きなホテルが立ち並ぶすぐ近くに大砂丘が広がっている。二日酔いにもかかわらず早起きしたのは、足跡のない風紋を見たくてのこと。この景色が見られて満足だ。
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マスパロマスからは内陸の山間部を目指す。サイクリストが大勢走る山道をぐんぐん上り、最初の訪れたのはファタガにあるムンドアボリヘン(先住民の世界)という野外博物館だ。カナリア諸島には数千年前から人々の住んでいた痕跡が残っているが、15世紀に初めてスペイン人が到達した時には石器時代の暮らしをしていたといわれている。広大な敷地のこの博物館にはこの先住民の集落を再現している。100体以上ある等身大の人形で表現された当時の暮らしを見ることが出来るのだ。石器時代というからかなり単純な暮らしだったのかと思いきや、鉄器などがないだけで、頭蓋骨に手術を施すほど文化は発達していたようだ。
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各展示物の開設には英語もあり詳しかったので時間をかけて進んでいくと、先住民が現れた~。
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先住民に狩りの道具の使い方を教えてもらった後、サボテンの実を食べさせてもらう。真っ赤に熟しており、すごく美味しい!
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一番高い呪術場を再現したところからは深い谷が見えた。谷底に遺跡があり、本当はその遺跡にも行きたかったが、駐車場から片道1時間歩くそうなので諦めた。この野外博物館が期待以上に良いところで、予想外の時間を使ってしまった。
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さらに道を進むと美しい街があった。サンバルトロメデティラハナである。下界でガソリンを満タンにするのを忘れていたので、高かったがここでガソリンを入れる。
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車を置いて街を散策する。ここで昼食をとりたかったが、どこも混んでいて断念。古跡である焼き物釜を見て、先に進む。
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島の中心となる聖なるヌブロ岩の駐車場は満車で、待っている車多し。その前後にはずらりと路上駐車の車・・・、日曜日とはいえこんなに混んでいるとはびっくりだ。中々良い駐車場所が見つからず、あまり見通しの良いとは思えない場所での路駐をし、岩を目指す。歩いて往復1時間かかる登山だ。車が心配なのと登山が好きでないのとで妻は10分ほど登った展望台で先に引き返した。あんまり待たせるのも悪いので、かなりペースを上げ、約30分で頂上に到着。岩の際までは行けるが、岩には登れない。
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どちらを見てもすごい谷。グランカナリアは急峻な地形ばかりなのだ。
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戻りは駆け下りたので足はがくがく。しばらくは運転できそうにない。(結局、この日は大変な山道ばかりだったが、最後まで妻に運転してもらった。)
次の集落辺りで、15時を過ぎた。レストランは込んでいたが仕方ないと入る。しかし、いつまで経っても注文さえ取りに来ず、先に来ている周りの人々も長時間待たされている様子だ。諦めて、先に進む。しかし、この先から主要道路を外れ、すれ違いも難しいような山道に入り、建物がないところが続く。
この辺りからが、昨年世界遺産登録された「リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観」の地域だ。先ほど登ったヌブロ岩も世界遺産登録地域だが、先史時代の洞窟住居や当時から続く水利・農業施設がメインの世界遺産である。最初に見えたのはトスコンの岩窟住居跡。望遠写真で近くに見えるが、谷を隔てているので近づくことはできない。
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この辺りで唯一の村が、カリサル村。一軒だけバーがあり、食べ物にありつくことができた。食事となるのは、クロケッタ(コロッケ)とポテトフライだけだったが、空腹だったので美味しかった。
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村に入る時には看板に気付かなかったが、この村が世界遺産登録理由の一つとなった水利・農業施設の場所だった。海も見えない山奥だが、ここが豊富な湧き水によって農業が発展してきた村だったのだ。湧水を用水路で斜面を行き来させ、この谷だけが緑で溢れている。
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しばらく進むと谷の向こうに洞穴住居跡が並んでいるのが見える。あまりに谷が深いので、向こうには行けないだろうと思っていたが、実は向かっている場所が、この谷の向こうだった。
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延々と坂を下り、再び延々と坂を上るとようやく洞穴住居跡が近づいてきた。
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近くにある現在の集落も同じように洞穴を使っている。いくつかはペンションになっており、博物館になっているものもある。不思議な村だ。
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山中の見どころは他にも色々あるが、時間が遅くなったし、どうしても来たかった場所が終わったので、後はひたすら宿を目指す。
日曜日、観光地の店はどこも賑わっていたが、宿近くではショッピングセンターもレストランは閉まっている。開いていた店で、軽く買い物をして、宿で夕食。昨日飲み過ぎたので、本日は飲まずにいたら、同宿の人に、「今夜は飲まないの?」聞かれてしまった。