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2020 マカロネシア&UK
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カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
10日目 ポソ-テルデ-グランカナリア空港-マデイラ空港-フンシャル
最後まで残ったウサギのスープで朝食。メールチェックすると、搭乗予定のロンドンソウルのフライトがキャンセルになり、翌日になったという連絡があった。変更はこの区間だけで、ソウル福岡のフライトはそのまま。当然乗り継げないので問い合わせのメールを出したが、不安だ。帰国が遅れるのは困るので、欠航なら前日の便にしてくれと書いたがどうなることやら。
ついでにネットニュースをチェックすると、ポルトガルでもコロナウイルスの感染者が初めて出たとある。イタリア旅行で感染し、帰国後発症したそうだが、ポルトガルの最後で訪れる予定のポルトなのが、気にかかる。感染者が多発がイタリアだけでなく、いつの間にかスペインでも流行の兆しがある。私たちがテネリフェ島に入った日にテネリフェで初めての感染者が出ていたことを今になって知る。イタリア人旅行者で本国で感染したまま訪れたのがテネリフェ島だったようだが、彼らの滞在しているホテルは全員が足止めされ検査を受けていたという。今回の旅が最後までうまくいくのかどうか、少し不安になってきた。
チェックアウトは遅くなり、宿を出たのは11時過ぎである。フライトまでは時間があるので、空港近くの遺跡クアトロプエルタス(4つの入口)を訪れた。島にいくつもある洞穴住居跡の一つだ。名前の由来となった洞穴は人工的な洞穴で、四角い部屋が連なり、入り口が4つある洞穴となっている。
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洞穴の上から見ると空港やその向こうの海が良く見える。空港までは直線で約6キロだ。
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クアトロプエルタス以外にも呪術に使った溝がある大きな岩やいくつかの洞穴がある。一番奥のクエヴァデロスピラレス(柱の洞穴)は巨大な洞穴群で見応えもある。
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14時45分のフライトでマデイラ諸島に向かう。前回乗ったのよりもさらに小さいプロペラ機だ。
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1時間以上かかる国際線とあって一応機内サービスがあり、サンドイッチとジュースが出た。
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16時15分、ほぼ定刻にマデイラ諸島のマデイラ空港に到着した。マデイラ諸島はモロッコ沖にあるポルトガルの自治地域で、リスボンからは約1000キロ離れている。マデイラ諸島の有人島は2つだけで、98%以上の人が主島であるマデイラ島に住んでいる。
ここではレンタカーを借りずに、空港バスで首都フンシャルへ向かう。平地は少なく、道路はトンネルと橋の連続だ。急斜面の上の方まで家月が連なるのが印象的である。フンシャルの街も山の上の方にまで住宅地が延び、遠方から見るとカナリア諸島のラスパルマスよりもずっと大きそうに見える。実際の人口は30万人弱で、40万人近いラスパルマスより少ない。
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宿は旧市街の端にあるが、空港バスは郊外のホテル街まで巡回するので、宿のすぐ近くまでバスで行くことができた。
しばらく宿で休んだ後、街への散策に出かける。宿の近くの丘にそびえているのがピコ要塞。17世紀に建てられた要塞だ。
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宿の近辺は趣きのある坂道が続き、歩いていて楽しいが、上り坂となる帰りが心配になる。
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旧市街の中心部は歩行者天国になっており、道路にはレストランのテーブルが並んでおり、観光客であふれている。
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路地に入ると博物館のような酒屋がある。昔使われていた手動の葡萄絞り機などが展示されており、おもしろい。
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この建物ではもうワインの製造はしていないが、マデイラ産のワインがずらりと並べられていた。大陸産のワインは1ユーロからあるが、マデイラ産のワインは少し高級である。
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海岸近くにはサンロレンソ宮殿がある。宮殿の建設は16世紀の前半に始まり、1580年から1640年の間にポルトガルを統治したスペイン王朝の時代に完成した。
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数えきれないほど多くの教会があるが、一番目立つのはフンシャル大聖堂である。周りにはレストランが並ぶが、この周辺のレストランはかなり高い店ばかりだ。
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夕食のレストランを探しながら歩くが、観光客向けの店ばかりで、これという店が見つからない。結局、宿近くまで戻って、バールで夕食をとる。ワインと貝のセットを頼んだら、突き出しが出て来た。
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貝があまりに美味しく、セットのお代わりを注文する。セットのワインはラベルもないハウスワイン。
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セットの貝は日本にもいる貝で、島根の地元でボべ貝といわれている貝だが、これがすごく美味しい。日本に帰ったら採りに行きたい。