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2020 マカロネシア&UK
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日記»
カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
11日目 フンシャル
朝食の店を探しながら、旧市街を散歩する。昨日とはどんよりした天気だった違って快晴だ。昨日も訪れた市役所前の広場も見違えるほどきれいに見える。
朝食のとれるカフェはたくさんあったが、妻にはお目当てのものがあり、どんどん却下されてしまう。市場まで来ればあるだろうと思ったが、市場は観光客向けのカフェしかなく、入る気はせず。しかし、美味しそうなフルーツや魚がたくさんあり、見ていて楽しい市場である。
市場の近くでようやくお目当てのボロドカコの専門店を見つけた。マデイラ諸島名物の、伝統的な円盤型のパンである。食べたのはチーズを挟んだサンドイッチ、重いパンで食べごたえがある。
市場にほど近いサンタマリア通りは、土産物屋や食べ物屋などが並ぶ通りだが、朝早いので多くの店は閉まっていた。しかし、その閉じられたドアやシャッターに、おもしろい絵がたくさん描かれており、歩いていて非常に楽しくなってくる。これらは
オープンドアアートプロジェクトとして整備されたものだそう。
サンタマリア通りの奥には、15世紀建立のコルポサント礼拝堂がある。
さらに進むと聖ティアゴ要塞がある。海に面した要塞で16世紀に建てられたものだ。要塞前の港にはバーがあり、まだ昼前だというのに、ビールを飲んでしまう。
要塞の逆側はすぐ海だ。妻はビールではなく、ラム酒のカクテルを飲んでご満悦。
先ほどはお腹が空いていてゆっくり市場を見なかったので、もう一度市場に戻る。この市場の女性は民族衣装を着ているのだが、来ているのはふくよかな女性ばかりで、何故か痩せている女性は着ていない。
世界中を旅してたいていの果物は食べたことがあるはずだが、ここの市場には見たことのないものがいくつかあった。その一つがモンステラ・デリシオサ。ここではフルータデリシオッサと呼ぶらしいが、バナナパイナップルだという説明である。緑色の分厚い皮を手で向くと中から黄色い果肉がでてくる。味もバナナとパイナップルの中間の様な味で、甘くてねっとりし、美味しい。和名はホウライショウといい、中米原産で里芋の仲間だそう。
昼食はショッピングセンターのフードコートに入る。私は本日のおすすめである海鮮リゾットを注文。妻はマデイラ名物のフィレトデエシュパダコムバナナ。市場で見た長くて大きな太刀魚の様な魚がエシュパダで、淡白な白身魚である。バナナはアフリカに良くある青いバナナかと思ったら、普通の甘い黄色いバナナをフライしたものだった。
食後はバスに乗ってモンテ地区へ。すれ違いもできないような細い急坂の道をバスはぐんぐん上って行く。レンタカーでは絶対に走りたくない道だ。モンテ地区にはロープウェイで行くこともできるが、片道11ユーロもし、完全に観光用だ。バスなら片道2ユーロもせず、24時間チケットなら5ユーロである。午後になり、昨日同様に雲が出て来てしまう。
ここから世界唯一という乗り物がある。トボガンと呼ばれる木の籠に客が2-3人乗り、2人のコンダクターが制御しながら坂を駆け下りる不思議な乗り物だ。19世紀から同じ籠でコンダクターの服装も同じだというからすごい! もっとも他に乗り物がなかった時代に下りだけでもと生まれた乗り物であり、車が走る今は公共交通機関の役割は果たしていない。もう完全なる観光アトラクションだ。車も走る路上でジェットコースターに乗るようなもの。大勢の観光客が乗っていたが、危なっかしい。見るだけで十分だ。
この地区には植物園もあり、ロープウェイと植物園、トボガンの3点セットがツアーに組み込まれている。
モンテ地区からバスに乗り、ピコドスバルセロス展望台へ。
そして近くのカフェでひと休み。
さらにバスに乗ってフォルモーザビーチに向かう。ビーチの手前に展望台があり、そこからのポカスドゴメストンネルがおもしろそうだったので、手前でバスを降り、展望台へ。そこから下って下に見えるレストランの先がトンネルだ。レストランを通り過ぎるとビーチは目の前、写真を撮ってさあ進もうと思ったら、行き止まりだ。一部が崩れて何年もクローズしたままだそう。仕方なく、また坂道を引き返す。
再びバスに乗り、宿近くに戻る。夕食は昨日と同じバー。今日は貝がなかったが、スープが美味しく、雰囲気の良いローカルなバーを今夜も楽しむ。