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2020 マカロネシア&UK
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カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
21日目 ソルタッシュ-マラジオン-ペンザンス-ボタラック-ニューキー
宿で朝食をとり、出発。ひたすら西に進む。約2時間進んで最初に訪れたのがマラジオンという小さな港町。すぐ沖合にセント・マイケルズ・マウントという小島がある。干潮時には陸続きになる島で、修道院があることから、英国のモンサンミッシェルとして知られる観光地だ。しかし、道路が出来ていつでも渡れるモンサンミッシェルよりは、その沖にあるジャージ島のエリザベス城の方が似ている気がする。
残念ながら潮位が高く、歩いて渡ることは出来ない。今はオフシーズンなので潮位が高い時の渡し船がなく、島に渡ることはできなかった。道が水没する地点まで歩き、折り返す。
せっかく来たので街を散歩する。石積みの建物が多い趣きある街だ。
車でさらに西に移動し、この地方の中心地ペンザンスに到着。街には見慣れない旗が並んでいる。コーンウォールの旗である。
古代ヨーロッパに広く住んでいたケルト人は徐々に西に追いやられてしまったが、今もケルト語が6つの地域で残っている。アイルランド、スコットランド、ウェールズ、マン島、フランスのブルターニュ、そしてここコーンウォールだ。この中でコーンウォールとマン島では話者の数が2000人を割っており、社会言語としては死語になっているということだが、マン島に訪れた時はマン語での日常会話を耳にしたし、ケルト文化は色々と感じることができた。ここでも文化の名残りがあるかもしれないとコーンウォールを目指したのだ。ソルタッシュからコーンウォール州に入っているが、ここまでは他のイングランドとの違いを感じなかった。しかし、この街は旗でコーンウォールを主張している! 街を歩くとコルニッシュ(=コーンウォールの)と記されたものが目立つ。
名物であるコーニッシュパスティの店があまりに多く、昼食はこれになる。伝統コーニッシュパスティというのだけどの店でも高く、一つはこの伝統コーニッシュパスティ。もう一つは七面鳥パスティにしてみたが、牛肉主体の伝統コーニッシュパスティの方が、ジューシーで七面鳥よりはるかに美味い。
ペンザンスからイングランド最西端のランズエンド(=地の果て)に向かう。しかし、英国最西端やブリテン島最西端ならまだしも、ブリテン島のイングランド部分最西端である。有名なアーサー王伝説の地で、私は最果て好きということもあって興味津々だが、妻があまりにも興味無さ気。行く気を無くし、途中で方向転換する。
次の目的地はボタラック鉱山跡だ。コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観として世界遺産登録されている場所の一つだ。産業革命を支えた鉱山群ということで登録されている。17ヶ所登録されたうち一番西にあるのが聖ジャスト鉱区である。当時の中心地である聖ジャスト集落から脇道に入り、ボタラック鉱山跡に到着する。イギリス最西端にほど近い荒れ地に建つ工場の廃墟は物悲しい雰囲気を漂わせている。
海ぎわにも建物があり、鉱物の積出港かなと思ったら、そうでなく、海際でも鉱物を採集していた跡だ。
荒れ地を歩くと無数の坑道入口が今も開いている。
ボタラック鉱山跡からはメイン道路に戻らず、崖上の細い道を東に進む。牧場が続く道だ。この辺りにもストーンヘンジと同じ巨石文化の名残りがいくつもあり、牧場の中にも立石が残っている。
苔むした石の集落はどんよりした天気もあって、非常にさびしい感じがする。
本日の宿はビーチリゾートにあるホテル。この時期は泳げないのでビーチリゾートのホテルは格安なのだ。16時前にホテル到着。まずは荷物を置いて散歩。ここも街は高台にあり、ビーチは断崖の下だ。
天気が良ければビーチに降りるつもりだったが、疲れたこともあり止めてしまう。夕食の時間を待つのも面倒になり、スーパーへ。コーンウォールは今日が最後なので、地元産のチーズや酒を買って、明るい時間から部屋で飲みだした。