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2020 マカロネシア&UK
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カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
23日目 グロスター-コッツウォルズ-ストラトフォード-ポントカサステ-サンゴサン-スノードニア国立公園-カーナヴォン
軽い朝食をとり、まずは有名なグロスター大聖堂へ。元は7世紀に建てられた修道院で、現在の建物は11世紀に建設が始まった歴史の長い大聖堂だ。
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グロスターの東側にコッツウォルズの丘陵地帯が広がっている。コッツウォルズは古い時代の建物が残る村々の景観で有名な観光地だ。畑や牧場の広がる景色が延々と続く。
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何ヶ所か観光客に人気の村があり、まずはローワースローターを訪れる。川沿いにある石造りの伝統家屋が美しい村だ。
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川沿いはB&Bになっている建物が多い。その内側には普通の民家が並んでいる。水車も残っている。
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村のはずれには羊がたくさんいる。もともとコッツウォルズは羊毛の交易で栄えた場所で今も多くの場所で羊が飼われている。
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もう一ヶ所訪れた村はアッパースローター。こちらも村の中心に川が流れているが、運河かと思うような先ほどの川とは違って自然のままの川になっている。
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この村の家屋も石造りで見事な景観を成している。
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コッツウォルズの丘陵地帯から下って、ストラトフォード・アポン・エイヴォンの街に到着する。ここはシェイクスピアの故郷として知られており、1564年にシェイクスピアが生まれた家が今も残っている。博物館として公開されているが、家の前の道路が工事中で臨時休業中であった。
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そして大都市バーミンガムを素通りし、ウェールズへと進んでいく。連合王国の構成国イングランドから同じく構成国ウェールズに入るが、もちろん国境の設備などはなく。注意していたが看板も見当たらないままウェールズに入ることとなる。
ウェールズでの最初の目的地は世界遺産「ポントカサステ水路橋と運河」である。サンゴサンの東にあるこの水路橋は、ディー川の上に架かっており、航行可能な水道橋としては英国で最も長く、最も高いものである。まずは運河沿いの道を歩く。
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橋になっている部分は急に水路が狭くなっている。ナローボートと呼ばれる船のサイズに合わせたギリギリの幅の水路と船を曳くために造られた歩道の橋である。
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ここを年間1万隻以上の船が通行し、歩いて渡る観光客は2万5千人/年だという。この日も観光客を乗せた船が行き来し、歩いて渡る観光客も大勢いた。
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橋を渡り終えると水路は広くなり、数多くの船が停船している。夏のシーズンともなればこれらの船が観光客であふれるのだろう。
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橋を往復歩いた後、車で下に降りて水道橋を見上げる。出来てから200年以上の石積みの橋はただでさえ素晴らしいのに、これが水道橋なのだからすごい。
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ディー川にかかる石橋も趣きがあるがこれよりずっと高い場所に運河を通すのだから驚きだ。
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ディー川沿いに進み、14時半頃サンゴサンに到着する。サンゴサンの綴りは、Llangollen ・・・読めない。ウェールズ語だ。llで一つの音を表していて、日本語にない音だが、強いて表せはスの音になる。ウィキペディアやグーグルマップではランゴレンと書いているが・・・。
サンゴサンも趣きのある街で、観光客らしき人々で賑わっている。
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昼食をとり損ねたので食べる店を探すが、これといった店がなく、また時間は予定よりも遅くなっている。パンなどを買って車で軽く食べ、先を急ぐことにした。
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ウェールズ北西部にあるスノードニア国立公園へと進んでいく。ウェールズ最高峰のスノードン山のある国立公園だ。国立公園に張り巡らされたトレッキング道を少しでも歩きたく思いオグワン(Ogwen)湖の駐車場で車を停めて、丘を登る。急坂を登ると車はあっという間に遥か下となる。
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上部はなだらかだが、雨の後なのか、至るところに水路が出来、地面はぐしょぐしょになっており、踏めば水がしみ出してくる。景色は良かったが、登山用の靴ではなく、すぐに中まで濡れてしまい嫌になる。
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下山後、本日の宿のあるカーナヴォンを目指す。
17時過ぎにカーナヴォン到着した。カーナヴォンは「グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁」として世界遺産登録されている4城の一つカーナーヴォン城がある。予約していたB&Bは、城門をくぐった中にあり、まさに世界遺産登録された建物の一つである。
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荷物を置いてとりあえず散歩に出る。城壁の中にもいくつかの店はあるが、時間が遅く、人通りも少ない。
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良さ気なパブが見つかったので、パブに入る。ビールは何種類もあり、当然地元のビールを注文する。
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食べたのはオールデイブランチと名付けられたおつまみセット。
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この店はほとんど英語の会話は聞こえて来ず、皆さんウェールズ語を話しており、びっくりだ。
ビールのお代わりをし、調子良く楽しんでいたが、テレビニュースで明日から色々閉鎖すると発表しているのが分かった。英語のニュースでどこまで理解できているのか怪しいが、英国でも新型コロナのべ感染者数が2日ほど前に1000人を越え、医療崩壊の危機になってきているようだ。人々の行動を制限しない方針は転換され、明日から色々と閉鎖するというのは何とか分かった。
閉鎖するものにパブ入っている? パブを楽しめるのは今夜が最後かと思い地元の人々と交流する。ウェールズ全体でウェールズ語を母語とする人は半分以下なのにカーナヴォンの人は9割がウェールズ語を母語としているそうだ。皆が聞きなれない言葉で会話しているのでイギリスにいる感じが全くなかったが、この街がウェールズでも特殊なのだという。ウェールズ語をいくつか教えてもらうが、発音が非常に難しい言葉だということが良く分かった。
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宿に戻ってネットニュースを見る。まだ今日の英国の発表は日本語では出て来ない。観光施設は明日からほぼ閉鎖。旅行に出かけることやパブ、劇場に行くことも控えるようにとのこと。学校も数日以内に閉めることが決まったもようだ。
残りまだ1週間以上あるが、こうなったら何とか早く帰りたい。といっても航空会社とは連絡がつかない。一方的に帰国日を2日遅らせられたままで、変えるなら早くしてほしいという希望も無視されたままだ。とりあえずホテルの閉鎖は今のところない。なるようになると思って旅を続けるしかないだろう。