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2020 マカロネシア&UK
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カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
25日目 カーナヴォン-ウィンダミア
昨日と同じフルブレックファーストを食べ、9時過ぎに出発する。すぐに高速道路に入り、湖水地方を目指す。途中のリバプールやマンチェスターに立ち寄ることを当初の計画では考えていた。しかし、観光施設は閉まっているし、リバプールやマンチェスターではかなりの新型コロナ感染者が出ている。今のところ安全な湖水地方まで、さっさと行った方が良いと考え、270キロをノンストップで走る。
最初に訪れたのはウィンダミア湖の南、湖から流れ出る川に橋の架かるニュービーブリッジである。宿は湖の東側に予約してあるが、チェックイン時間には早いので橋を渡って湖の西側を観光してから宿に向かうことにする。
しばらく進むとレイクサイドと呼ばれるウィンダミア湖南端の船着き場だ。ここで初めて憧れのウィンダミア湖の姿を見ることが出来た。
「イングランドの湖水地方」として世界遺産登録されている湖水地方はイングランドの西北端に位置するカンブリア州の大半を占めている。U字谷など氷河の作った地形が数多く存在し、中でも細長い氷河湖がたくさんあって、そこから湖水地方の名がついている。
中でもウィンダミア湖は、湖水地方最大の湖で、面積は約15平方キロ。イングランドでも最大の湖となっている。もっとも英国最大の湖である北アイルランドのネイ湖の26分の1、同じ氷河湖であるスコットランドのネス湖の4分の1のサイズで、それほど大きいと感じる湖ではない。昔から上流階級の人々の避暑地として人気があり、詩人のワーズワースやピーターラビットで有名なポターが住んでいたことでも知られる。私が子供の頃に最も愛読した小説「ツバメ号とアマゾン号」シリーズの舞台になったのもここだ。その影響で湖水地方にずっと憧れていた。思い入れがなければ単なる景色の良い湖かも知れないが、子供のころ想像していた場所が目の前にあると思うと色々な場面が思い出され楽しくなる。
湖を離れ、森の中を少し進むと古い工場が現れた。ストットパークボビンミルである。1835年に建設された糸巻工場で1971年に閉鎖されるまで繊維産業に大きく貢献してきた。現在は博物館となっているが、ここもコロナウイルスの影響で中には入れず。
しばらく森の中を進み、初めての集落ヒルトップに到着する。この辺りは石積みの伝統家屋が見事である。
この集落にはピーターラビットで知られるポターが経営した農場が残っており、家屋は博物館になっている。残念ながらここも閉鎖しており、外観のみ。
さらに「ツバメ号とアマゾン号」の舞台になった場所などを通過し、湖の北端にあるアンブルサイドの街に到着。ここは詩人ワーズワースが住んだ街である。重厚な石造りの建物が数多く並んでいる。
川の上の建物は、17世紀の建造でブリッジハウス(橋の家)として知られる。ここも小さな博物館だが閉鎖。
この街で昼食のつもりだが、どの店も観光客だらけでやたら込んでいる。13時半、そろそろ昼のピーク時間は過ぎているはずだが、見どころが閉鎖になり時間を持て余した人が多いのだろうか。面倒になりビスケットを車内で食べただけで昼食とする。
14時半頃にボウネスオンウィンダミアに到着。ウインダミア湖の観光の中心で、宿やレストランがたくさん集まっている街だ。ホテルに到着し、チェックインの手続きは出来たが、混んでいてチェックイン時間まで部屋には入れない。街の駐車場は有料なので、ホテルに車を置いたまま歩いて街を散歩する。湖の近くにはハクチョウや鴨などの水鳥がたくさんいて、やたら人慣れしている。
湖に浮かぶ島影を見ると、あの島影に隠れながらツバメ号とアマゾン号が競争したりしたんだよなーなどと考えてしまう。しかし、思い入れのない妻は先に飽きてしまいホテルに戻る。
私はそのまま散歩を続ける。日本人でも「ツバメ号とアマゾン号」を読んでヨット好きになった人がたくさんいるのだから、本家イギリスで大勢いるのは当然だ。ヨットハーバーはもちろん、沖合にもヨットがたくさん留められている。夏のシーズンになってこれらが全部動き出せば、湖がヨットだらけなのではと思うほどだ。
戻りは牧場の中を歩く。観光客が多い場所だけあってここは羊も人慣れをしていておもしろい。
今日のホテルは一階がパブで、宿泊者用割引券もくれたのでパブで夕食と思っていたが、宿に戻ると妻はスーパーで買出しをしてきてくれていた。美味しそうなローストチキン一羽に、サラダ2種類、サイダーが用意されている。部屋食には狭い部屋だったが、気持ち良く飲み食いし、早い時間に眠ってしまった。