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2020 マカロネシア&UK
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カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
27日目 ウィンダミア-コニストン-ハドリアヌスの長城-クラムリントン
昨日と同じ豪華なフルブレックファーストをすませ、チェックアウト。コニストン湖に向けて出発する。3日連続のニュービーブリッジを横目に海に面したグリーンウッドまで南下し、そこから川沿いにコニストン湖を目指す。コニストン湖のすぐ手前に見えた小さな池が、「ツバメ号とアマゾン号」でタコのラグーンとして出て来た場所だ。
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すぐにコニストン湖に到着。ウィンダミア湖よりも船が少なく、水が澄んでいる。駐車場があり、遊歩道があるので車を降りる。
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しばらく歩くと同じく「ツバメ号とアマゾン号」に出て来た鵜の島とヤマネコ島が見えてきた。鵜の島には鵜みたいな水鳥がいるのが見える。
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そしてヤマネコ島。正式名称はピール島だが、物語の中で使われたヤマネコ島という名が別称として知られている。
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ヤマネコ島の北側には島影がない。島影の多い描写はウインダミア湖のイメージで描かれたものか。この湖上で繰り広げられるヨットでの冒険談の世界に、子供のころ完全にのめり込んでいたのだ。
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何ヶ所か立ち寄りながら北上し、バンクグラウンド農場への分岐にまで来た。この農場は物語ではハリハウ農場として何度も出てくる場所だ。今はB&Bもやっており、ツバメとアマゾンという名のティールームも営業している。ここで昼食をとりたかったので、今は入らず先に進む。
湖の北端を回り、コニストン村に入る。船着き場にはちょうど遊覧船が着いたところだ。振り返ると物語からイメージしていた景色がそこには広がっていた。丘陵地は茶色でヒースの荒野。そしてその奥には雪山が見えている。標高800m台の山だが、昨夜雪が降ったのだ。この山をヒマラヤの山に見立てて登る場面も小説には出てくる。
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行けるところまで車で登ろうとしたが、すぐに通行止めになっている。これもコロナウイルスの為だ。おかげで昼前なのに、どうしても行きたかった場所は先ほどの農場が残るのみ。しかし、朝食を食べ過ぎているのでまだお腹が全然減っていない。湖の北岸でひと休みし、農場の方を見て物語の色々な場面を思い出しながら、時間を潰す。
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結局お腹が空かないので、そのまま出発。昨日も走った道を北上し、キャッスルリッグのストーンサークル近くから高速道路に入り、北東に進む。高速を降りて少し走ったところに古い石橋があったのでひと休み。1724年に架けられたラナークロスト橋だ。
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さらに30分ほど走って世界遺産にも登録されている「ハドリアヌスの長城」(元はこの名での登録だが、他の場所が追加され、現在の登録名は「ローマ帝国の国境線」)にやってきた。紀元2世紀に第14代ローマ皇帝ハドリアヌスにより建設された城壁である。完成当時は、ブリテン島を横断し、北海からアイリッシュ海までをつなぐ城壁で全長118キロあったという。バードスワルドローマ要塞に駐車場があり、次のギルスランドの駐車場までの約2キロは壁沿いにトレイルが続いている。ここを歩くつもりだったが、雨上がりで道に水が浮いている。少し歩いただけで諦めて引き返してしまった。
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しばらく城壁とほぼ平行に進み、今度はハウシズテッドローマ要塞へ。要塞自体はどちらもコロナウイルスの為に閉鎖している。トイレは幸いあいていて助かった。
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ハドリアヌスの長城は、この辺りもずっと続いている。
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ローマ時代のトイレが建物の外に展示してあった。中に入れないのでこういうものもゆっくり見学する。
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ニューカッスル郊外クラムリントンのホテルに16時頃到着する。
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ホテルの敷地に隣接するノーサンバーランディア(Northumberlandia)を訪れる。近くの鉱山の残土を使って描かれた強大な彫刻で女性の形をした山になっている。
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ホテルは部屋も環境も非常によく、隣接するパブも気に入った。コロナウイルスで思い通りに動けず、疲れてしまったので、残りの予定を破棄して、この宿に最後まで泊まることに決める。
部屋に戻って紅茶を飲んでいると、ドアの下から紙が差し入れられた。
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要約すると『本日17時に政府から発表があり、コロナウイルスの流行により、すべてのパブを閉鎖せねばならないことになった。ついては明日の12時までにチェックアウトをして欲しい。明日以降のお金は返金するし、困ったことがあれば相談に乗る。』とのこと。
さきほど宿の延長を頼んだ時は何も言っておらずOKだったのに・・・。ニュースを見るとパブの閉鎖だけでなく、英国自体がロックアウトに入ることが決まったようだ。
夕食はパブで。温かい食事が出来るのは最後かもと思い、贅沢に注文する。ラムステーキにコテージパイ。
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そしてフィッシュケイク。
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もちろんビールも。まだ日数はあるが、旅は終わったといった気分なので、ゆったりとパブを楽しんだ。
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部屋に戻って、明日からの対策を考える。インターネットで大韓航空の便を調べると、数日前にチェックした時は3月22日から24日までロンドンソウル便は欠航していたのに、何故か復活している。しかし、復活したばかりなのに全便満席で、キャンセル待ちも全クラス受け付けていない。英国のロックアウトが決まって急きょ運行を決めたため、オンラインの予約は受け付けていないようだ。21時40分より何度も大韓航空に電話を掛ける。中々通じないので電話は妻に任せ、明日以降泊まる場所があるのかを私はネットで探す。一度電話がつながった時には便を早い日に変えるどころか、もともと予約が取れていたはずの25日の便まで予約が落ちているといわれる始末だ。2度目に通じた時に25日のOKは確約してもらったが、早い便への融通を聞かせてくれそうにはない。
真夜中の0時になれば日本のオフィスが開くので、0時を待って日本のオフィスに電話を掛けた。韓国から日本へ帰国する人はもうみんな帰国が終わっており、現在は我々のような乗り継ぎ客が残っているだけ。電話はすぐに通じるし、対応も良かった。しかし、ロンドンソウルはどこでコントロールしているのかも分からずで、早い日の予約はキャンセル待ちも入らない。ただ元が福岡便なので成田福岡の予約は入れてくれた。
航空会社とのやり取りと並行し、先々の動きも考えなくてはならない。今の宿に泊まれないので、明日の宿は決めたいところだ。明日走るルートを考える余裕がないままに宿の予約だけは入れだ。疲れて頭が回らないので横になる。しかし、事態の急展開で中々寝付けず。