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2020 マカロネシア&UK

カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
日記:2020年03月22日(Sun)

29日目 ヨーク-ソルテア-ピーク地方国立公園-ブラッドウェル-ケンブリッジ

 ヨークがロックダウンで居心地悪いので、今日はピーク地方国立公園に宿を予約した。自然なら通常の姿を見られると思ったのだ。その存在さえ昨夜まで知らなかった場所で、何が見どころか調べる時間さえなし。ただ帰国まで穏やかに過ごせる場所が欲しかった。
 ヨークからのルート上に世界遺産登録されたソルテアという街がある。ヴィクトリア時代(1837-1901)のモデル村として知られている。150年前の街並みが保存されている街だ。計画段階でこの地方の目的地として考えていたのは、ヨークではなくこのソルテアだ。
 ヨークから1時間でソルテアに到着だ。石造りの街並みは19世紀半ばに計画的に建てられたもの。同じ石造りで同じような年月が経っているので、ほぼ同じ色の落ち着いた街並みになっている。車を停めたすぐそばにあったのは1856年に建てられた会衆派教会。ソルテアを建設した資本家であるタイタス・ソルトはこの教会に眠っている。
20/03/22 19:58:04
 街の中心には運河が流れている。リーズ・リヴァプール運河である。ソルトは経営していた5つの工場を水運が活かせるこの地に移転し、産業都市を造ったのだ。観光船はロックダウンの為に運行していなかったが、多くの人々がこの運河沿いを散歩したり走ったりしている。
20/03/22 19:59:54
 街を支えた巨大な繊維工場には、運河に面してたくさんの積み込み場所がある。
20/03/22 20:06:54
 労働者の為に建てた住宅や商業施設などもたくさん並んでいる。写真はソルトビルで、現在は大学になっている。
20/03/22 20:22:32
 ソルテアのすぐに南にある街が、ブラッドフォード。ソルトはもともとこの街で事業を成功させて、ソルテアを造ったのだ。ソルテアでは開いている店がなかったので、ブラッドフォードで昼食と思ったが、道路沿いにはテイクアウェイの店は見つからず、スーパーはあったが、スーパーならこの先もあるだろうとそのまま進む。
 店のないまま平地は終わり、ピーク地方国立公園に入る。毎年数百万人が訪れているピーク地方国立公園は、1951年にイギリスで最初の国立公園となった公園だ。大自然が多く残っているのかと思いきや、牧場がかなり広がっている。湖水地方よりもなだらかな地形で、コッツウォルズに似ている気がする。
20/03/22 21:53:16
 車が多く停まっている湖畔に出ると皆さん歩いている。どこに行くのかも分からぬまま湖畔のトレイルを歩くが、休憩するベンチもない。地図を見ると延々と続くトレッキングルートのようだ。ちょっと湖を見るくらいのつもりだったので、ここは途中で引き返した。
20/03/22 22:04:40
 さらに進むと小さな集落があり、川沿いはテーブルもある公園になっている。こちらはトレッキングの場所ではなく、ピクニックに来ている家族が多い。
20/03/22 22:36:40
 レストランは閉まっていたが、テイクアウェイは出来たのでこれで昼食にする。
20/03/22 23:05:30

 チェックインできる時間が近づいたので宿を予約しているブラッドウェル村に向かう。国立公園ののどかな景色を見ながら30分ほど走り、14時40分到着。
 チェックインが15時からとなっているが20分くらい早くても大丈夫と思って来たが、宿は閉まっている。しばらく待っていると人が出て来たが、なんと宿はロックダウンで昨日から閉めているという。昨日の夜に予約したというが、すでに宿を閉めているので何もできないし、予約確認もしていないという。Booking.comで予約してお金も払っているのに知らないの一点張りで、他に行く相談にも乗ってくれない。
 諦めて車で他の予約をまずしようと思ったが、なんとその場所では携帯の電波が来ておらず、電話もネットもできない。さすがにネット回線を借りたくて再び宿の戸をたたくが、完全無視で出て来てくれない。小さな村で人も姿もなく、これではどうしようもない。
 仕方なく、車で電波の届く場所に移動する。Booking.comや中間に入っている安ホテルチェーンのOYO、そしてさきほどの宿にも電話を掛けるがどこも繋がらない。ロックダウンでトラブルが続発しているからだろう。
 とりあえず今夜の宿を確保したい。国立公園内だと食料の確保にも困りそうで、街に出ることにする。近くの都市にある宿を予約サイトで探すが、当日の夕方で予約できる宿はただでさえ少ない。ましてやロックダウンで多くの宿が閉めている。かといって、先ほどの宿の返金もどうなるか分からないのに、前金はもう絶対に嫌。だんだん探す範囲を広げるが、中々見つからない。やっと見つけたのは最終日に予定していたケンブリッジのユースホステル。ユースは宿での支払いなのでそれだけは安心だ。ユースならキッチンがあるので、レストランが閉まっていても食事には困らないだろう。
 ここからはひたすら早く着きたい一心で、高速道路ぶっ飛ばした。下道を含めて250キロをなんと2時間半。ここまでは速度制限を完全に守っていたのに、この時ばかりはすっかり忘れていた。冷静になってから深く反省。

 ケンブリッジのユースは専用の駐車場がなく、夜間のみ無料の路上駐車となる。フライトまでここに居ようと思ったが、そうなると駐車場を探さなくてはならない。しかし、近くに昼間無料の駐車場はないそうで、連泊は難しそう。部屋も、トイレシャワーがなく、使い難い。明日の宿をまた探さねば。
 ここでもレストランは空いていないので近くのスーパーに買出しに行く。品切れの商品もあるが、困ることはない。ステーキを食べ、ワインを飲むが、気分は盛り上がらず。
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