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2020 マカロネシア&UK

カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
日記:2020年03月23日(Mon)

30日目 ケンブリッジ-リーズ-カンタベリー-ドーバー-フォークストン

 ケンブリッジの宿があまり良くないので、移動することにする。ロックダウン以降、妻は観光する気力をほとんどなくしており、街歩きは私がほぼ一人でしている。それでもカンタベリー大聖堂には行きたいと妻がいいだしたので、予定外だがカンタベリー方面に行くことにする。宿は、海水浴場があり夏場に人気のフォークストンに決めた。
 ケンブリッジには夜着いて何も見ていないが、妻はここは見なくて良いという。長い時間待たせるのも悪いと思い、妻の寝ている朝6時前から観光に出た。宿から街の中心部に向かって進むとアワーレディーアンドイングリッシュマーターズ教会が朝日に輝いている。ゴシック・リバイバル建築と呼ばれる建築様式で19世紀に建てられた英国最大のカソリック教会の一つだ。ロックダウンで入れず。今日から不要不急の外出は基本的に禁止で、最低限の生活に必要な食料品店やガソリンスタンドなど以外の店はすべてクローズという一段と厳しい制限が加えられている。ただし一日一度、食料確保以外にも健康のための外出は許可されており、ウォーキングやランニングをする人の姿が早朝から目立つ。
20/03/23 15:19:10
 ケンブリッジの中心部を半分囲うようにケム川が流れている。川の周辺は遊歩道になり、いくつかの観光ポイントが集まっている。しばらくはこの川沿いを歩く。このクルーソー橋を渡るとロビンソンクルーソー島だ。観光用のボートがたくさんあるが、当然動いていない。
20/03/23 15:31:12
 古くからの大学街として有名なケンブリッジの街はかなりの面積が大学で占められており、観光ポイントの多くは大学構内にある。しかし、大学もロックダウンで閉鎖なので中々観光ポイントには行きつけない。15世紀に設立されたクイーンズカレッジの中には、幾何学的構造から「数学橋」と呼ばれている橋がある。閉鎖しているので渡れはしないが、外から見ることが出来た。
20/03/23 15:41:52
 普段は通り抜けが可能な道の多くが大学の敷地で閉鎖しており、地図を見ただけではどこが歩けるのかも分からない。多くの大学では建物が門のずっと奥にあり、中々近づくことさえ出来ない。有名な「ためいき橋」は色んな方向から近づこうとしたが、遠目に見ることも出来ずだ。
20/03/23 15:49:52
 12世紀に建てられた聖墳墓教会は、その形からラウンドチャーチと呼ばれ親しまれている。
20/03/23 16:13:40
 聖墳墓教会から南に延びる道の両側に歴史ある荘厳な建物が続く。
20/03/23 16:17:14
 トリニティー大学の前にはニュートンのリンゴの木がある。トリニティー大学はニュートンが1661年から学んだ大学である。この大学にあるニュートンのリンゴなので、ニュートンはこのリンゴの木から実が落ちるのを見て、万有引力を思いついたのかと期待していたが、古木ではないし、普通に触れる場所にあり、保護しているようには見えない。果樹であるリンゴが350年も生き続けたのではなかったようだ。
 実は、ニュートンが見たリンゴの木は彼の故郷の庭の木で、その林檎から代々育てたリンゴの木が、ここだけでなく、世界各地にあるのだそう。しかもリンゴの木から実が落ちるのを見て思いついたという話自体が、真偽不明なのだとか。
20/03/23 16:20:58
 15世紀設立のキングスカレッジは、ケンブリッジで最も有名なカレッジの一つだ。そして、右側の大きなキングス・カレッジ・チャペルはケンブリッジで最も有名な見どころの一つだが、当然ここも入れない。
20/03/23 16:30:22
 道を隔てた逆側の角に変わった機械時計がある。コーパス・クロックと呼ばれるこの時計の名は、コーパス・クリスティ・カレッジのテイラー図書館の外に設置されていることから来ている。なんと百万ポンド(約1億5千万円)、5年をかけて作られた時計だ。早朝だから光の加減でどの角度から見てもガラスの反射できれいには見えないが、時計の上にはバッタが乗っている。
20/03/23 16:31:42
 2時間近い観光を終え、宿に戻り朝食をとる。妻の為にもう一度、今度は車でケンブリッジの中心部を一回りし、ケンブリッジを離れる。まっすぐ南に走り、ロンドン方面へ。ロンドンの外周を走る環状の高速道路M25を時計回りに進む。テムズ川を渡った後、今度は東、ロンドンから離れる方向に進む。カンタベリーに行く前に、リーズに立ち寄る。世界遺産のリーズ城を見ようと思ったのだが、当然入れず。広大な敷地の中心にあり、入り口からは全く見えない。遠くからでも見える場所をと探したが、結局見えなかった。
20/03/23 20:06:46
 そして、カンタベリーへ。カンタベリーは、12世紀に完成したカンタベリー大聖堂への巡礼で栄えてきた街だ。一旦車で城内に入ったが駐車場が見つからず。城門外に戻り、西門外の駐車場に車を停め、今度は歩いて街の中心に向かう。
20/03/23 21:11:42
 普段ならさぞ観光客で人気だろうと思われる土産物屋やレストランが立ち並ぶが、当然閉まっている。看板には西暦1500年とあるこのレストランは、実際には1507年に建てられたものだ。
20/03/23 21:14:56
 そしてカンタベリー大聖堂に到着。修復工事中で前面に大半が工事の多いで見えなくなっていたのは残念だが、後方からは工事の影響があまり見えなかった。
20/03/23 21:26:14
 当然入れないと思い外からずっと見ていたが、良く見ると閉鎖はしておらず、中に入ることが出来た。思い入れのある場所なので、ここでは妻もじっくり見学している。
20/03/23 21:42:40
 完成してから900年も経っており、当然何度も手が加わって、形も変わってきている。床の模様も色々な時代のものが混ざっており、歴史の長さを感じる。
20/03/23 21:54:34
 美しいステンドグラスもたくさんちりばめられていた。
20/03/23 21:55:46
 レストランはすべて閉まっており、今日も昼食はテイクアウェイとなる。昨日のサンドイッチは値段に割にしょぼかった。やはり英国でのテイクアウェイはフィッシュアンドチップスが良い。今日の店はチップスが大きく、たくさん入っていた。美味い。
20/03/23 22:30:04
 カンタベリーから30分ほど走るとドーバーである。ドーバー海峡の向こうに見えているのは、フランスだ。
20/03/23 23:28:18
 ドーバーとフォークストン間の海岸部は、白い断崖で有名なサムファイアホウ公園になっている。車で入ろうとしたが、ここもロックダウンで道路は閉鎖している。歩いて入ることは出来て、何人か歩いているので、途中まで歩いて行ってみた。ここからもフランスが良く見えて、白い崖も見える。しかし、時間をかけて下まで降りないと印象的な場所とは言えない。
20/03/24 00:09:44
 16時頃にフォークストン到着。ビーチは崖の下に広がっており、ホテルは高台の上に並んでいる。海に面した場所はほぼすべてホテルだ。左側の白っぽい建物がサウスクリフホテル、最後の2泊はここで泊まることになる。
20/03/24 01:58:02
 宿にチェックインした後、少し休んだだけで出掛ける。ホテルに駐車場があれば良いが、今回も駐車場はなく、周辺道路で路上駐車することになる。とりあえず2時間無料のところに停めていたので、後で車を動かさねばならず、まずは良い場所を探して歩く。イギリスでは路上駐車できる場所が多いが、その多くはコイン式で事前に停める予定時間までの料金を払い、レシートを張っておくシステムになっている。最初の1時間無料で後は有料とか、2時間まで無料だが、それ以上はダメとか、昼間だけ有料とか、夜間は住民のみとか、その種類は色々ある。メーター周りに小さく書いてある文字を読まないとルールも料金も分からないので、地元民以外には非常に面倒なシステムだ。車をいちいち停めて確かめるより、歩いて探した方が早い。この街ではとりあえず海から離れるにしたがって安くなっているようだ。ロックダウンのおかげで、空いている場所が多いのがうれしいところだ。
 時間になったので、車に戻り、大きなスーパーマーケットへ。スーパーの駐車場も有料で前払いだが、買い物したらレジで駐車場代を割り引いてくれるシステムだ。
 この街では海から離れるにしたがって停まっている車が少なくなるが、一本だけずらりと停まっている道路がある。案の定、ここだけが無料で停められる場所である。宿から遠くて少し面倒だが、明日車に乗るかどうかも分からないので、こに車を停めて宿に戻る。
 箱の白ワインのつもりで買った酒が、よく見たらペリー。洋梨を発酵させた酒で、サイダーと似た甘味のある酒だ。アルコール度は6.5%。ペリーの名前は小説などで知っていたが飲むのは初めてである。何でも試してみたいと思っているし、英国の名物でもあるので、知っていても買ったと思われるが、あまり好きな味ではない。でも飲めなくはなく、酔ってくると美味しく感じて止まらない。

 大韓航空でウェブチェックインできるのは48時間前から。予約が最後までクローズしたままで心配だったので48時間前きっかりにウェブチェックインしたのに、空いている席は3列席の真ん中ばかり。隣同士にも成れない。異常な座席の抑えられ方だ。さらに、乗継便のソウル成田は、予約はガラガラだし、48時間以上前なので、自由に席を抑えられるはずなのに、何故かこちらは全く座席予約が出来ない。
 仕方なく、また日本が開く時間を待って日本に電話するも、予約センターでもこちらで見ている画面しか見れない様子で、ソウル成田の座席が抑えられない原因も分からないという。とりあえずリクエストを流してもらったが、不安だし、不愉快だ。勝手に日程を遅らされた上に、長時間フライトで座席がバラバラとは酷すぎる。
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