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2020 マカロネシア&UK
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カナリア諸島、マデイラ諸島、アゾレス諸島、ブリテン島
31日目 フォークストン
フォークストンで泊まっているのは
The Southcliffというロケーション抜群のホテルである。ウェブサイトを見る限り非常に良さそうなホテルだが、なんと南京虫が大発生。ツインのベッドのどちらにも多数生息しており、全く眠ることが出来なかった。今まで色々なホテルで泊まり、南京虫と遭遇したホテルも多数あるが、先進国で南京虫を見た記憶はない。なぜイギリスで? しかも安宿ではないのに・・・。夜中でも部屋を変えてくれる対応はしてくれそうに思うが、眠くて荷物を片づける気にならず。結局朝まで待ってしまった。
トラブルはこれだけでは済まない。部屋の交換を頼みに行く前にメールチェックをしたところ、大韓航空から出発時間の変更が連絡が来ていた。ロンドンソウルは変更なしで、ソウル成田が早まっている。ソウル到着が14時で、出発が11時・・・乗り継げない。通常の航空会社であればこんな乗り継ぎ便で乗れるかのごとく連絡してくるはずないが、なぜか大韓航空は平気でしてくるのだ。2週間以上前に来た最初の変更も同様の変更で、乗り継げないと連絡してもずっと無視されていたのに、また・・・。昨夜座席を入れられなかったのも、変更予定があったためだろう。元々ロンドン発を一日遅くされ、福岡便が無くなり、ソウル-成田-福岡になり、帰着日が2日遅らされている。そしてこの変更でさらにソウルで一泊せねばならなくなり、3日遅れになってしまうのだ。一度欠航になっていた当初予約である今夜のフライトは復活しており、それに乗れば1日遅れだけで帰国できる。即、日本の大韓航空に電話し、交渉する。最初から上司に代わってもらい、当初予約の今日のフライトにしてくれと交渉する。あるいは、マイナス3時間では乗継便が待ってくれるはずはないのは分かっているが、そちらの決めたことなのだからその便に乗れるならそれで我慢すると交渉。・・・最終的に決まった便は、明朝の英国航空ロンドン羽田直行便! 助かった~。これで本当に帰国できそうだ。しかも直行便なので当初予定と同じ日に帰国できる!
ホッとした気分になり、部屋を変えてもらう。お詫びなのか部屋のグレードを上げてくれ、非常に快適な部屋になった。とはいえ、体中南京虫に噛まれており、耐えがたいかゆみが続く。
午前中は部屋で帰国の算段をする。国内線の乗り継ぎを付けてもらっているが、日本政府は公共交通機関を使うことを自粛するように要請している。要請なので他に方法のない遠方の皆さんは普通に国内線を使っているのはネットで調べれば分かったし、大韓航空の人も向こうから国内線を入れてくれたので大丈夫なはずだった。しかし、沖縄県の人が感染しているのに飛行機で帰って問題になったニュースが昨日流れている。建前だけの公共交通機関自粛要請でなく、国側は新たな対策を考えると思われる。どうやって家に帰れば良いのか、無事に家まで帰れるのか。
朝食とほぼ同じ食事を昼食とする。昨夜スーパーで買ったパンやチーズなどだ。
せっかくの滞在なので午後はビーチを訪れる。観光用のケーブルカーは動いておらず、当然歩いて降りてゆく。
途中にあった看板を見るとフォークストン周辺にはビーチ方面だけでなく、色々なウォーキングルートがあるようだ。いつもなら時間を有効に使って少しでも訪れようと考えるが、今は無事に帰国したい一心で、そんな余裕はない。
海岸に下る道はジグザグ道と呼ばれる通路で、1920年頃に造られたもの。この海岸は欧州大陸にいちばん近いドーバーと一体になっており、何度も戦場になってきた歴史がある。第一次世界大戦後、海岸線防衛の重要性が注目され、街から短時間で降りれるように作られた道である。
砂浜のビーチはのんびり散歩する人が多く、ロックダウンを感じさせない。対岸のフランスは岸からでも見えている。
ビーチでのんびりした後、再びジグザグ道を登って台地に戻る。見晴らしの良い公園のベンチが一つ置きに埋まっており、これがソーシャルディスタンスかと感心したが、そうではなかった。空いているベンチの下には歴史を語るスピーカーが設置してあり、人が座ると大音量で流れ出す。座っていると繰り返し流れるのでうるさいし飽きるので、スピーカーのあるベンチには長く座っていられない。
路上の人々は、ソーシャルディスタンスの2メートルを守って会話をしており、見ていて面白かった。街の中心部の見どころは時計台くらいしかなく、小さな街だ。
明日朝のフライトになったので、早朝に出発せねばならない。念のためにガソリンを満タンにし、昨日と同じスーパーで買出しをし、宿に戻る。最後の夜はスモークサーモンや生ハムをつまみに、再びペリーを飲む。