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2022 欧州 北極圏から地中海まで
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ノルウェー,オランダ,ドイツ,フランス,ルクセンブルク,ベルギー,スペインの旅
17日目 ロド-メス-ベッテンブルク-ビーフォート
昨夜遅くまで飲んでいたこともあって、起きたのは遅めの時間。羊の声で目が覚めた。部屋の奥にある戸を開けると階下にある羊の寝床が見え、羊たちがちょうど外に出ていくところだった。
改めて、部屋にある古い農具などをじっくりと見る。木靴があったので試しに履いて歩いてみる。意外と痛くないものだ。
昨夜残ったもので朝食をとり、その後、外に出る。階下の羊小屋は何ヶ所かに分かれており、外に繋がっていない場所にもたくさんの羊がいる。ここの羊も近寄ると寄って来て撫でさせてくれる。
牧場を散歩すると農場の人が牛にリンゴをあげている。牛は羊のように近づいてくれるわけではないが、リンゴに気をとられているすきに背中を少し撫でる。
天気が良く暖かなので、散歩日和だ。写真中央奥の建物が泊った建物となる。
農場から続く散歩道をどんどん進む。農場の犬がずっと先導するかのように一緒に歩く。湖畔のビーチまで歩くつもりだったが、意外に遠く、昼のチェックアウトに間に合わなそうだったので、遠くに湖が見当たところで引き返した。農場の裏から湖までは別荘地が続いており、戻りは別荘地帯を戻った。
部屋に戻ってからも博物館のような内装を見たりしていたので、出発は13時になってしまう。農地や牧草地が続く丘陵地帯を走り、旧ロレーヌ地域の首都であり、現在はモーゼル県の県都であるメス(Metz)に向かう。
Metzは、フランス語読みではメスとなり、日本語でもメスとされているが、ドイツ語の近縁言語である地元言語のロレーヌ語ではメッツとなる。3000年の歴史があるとされる古都であり、見どころの多い都市となっている。出発時間が遅くなったので素通りすることも考えたが、せっかくなので、旧市街に立ち寄ることにする。
フランスとなって80年近く、文字がフランス語ということもあり、街はフランス風に感じる。
ドイツ門は、メスが神聖ローマ帝国領であった13世紀に建てられた城門で、その後何度も拡張や修復に支えられてきた中世の建造物だ。
13世紀に建築が始まった大聖堂は、16世紀にようやく完成した。正面から見上げる大聖堂の巨大さに圧倒される。フランスでは3番目に背の高い教会である。
大聖堂の内部は一面のステンドグラス。その面積は6500平方メートルに達し、世界一であるという。
14時40分にメスを出発し、一路北へ進む。15時15分頃に国境を越え、ルクセンブルクに入国する。
国境を越えた最初の街であるベッテンブルク(Bettembourg)のスーパーマーケットに立ち寄る。ルクセンブルクのスーパーマーケットは、フランス系、ドイツ系、ルクセンブルク系の3種類あるというので、ルクセンブルク系のスーパーを探して入った。しかし、商品は、フランス製かドイツ製がほとんどで、ルクセンブルク産のものはよく分からず。ルクセンブルクはノルウェーと並び一人当たりのGDP世界一を競っている国で、物価が高いのだ。周辺国の産品ばかりがスーパーに並ぶのは仕方ないことなのだろう。ルクセンブルク語、ドイツ語、フランス語の3言語が公用語だが、併記義務はないようで、フランス語のみのものが多い。写真の張り紙言語は、フランス語とドイツ語。ルクセンブルク語は会話用の言葉で、書くときはフランス語かドイツ語を使うのが普通だそう。
首都ルクセンブルクは迂回し、宿を予約しているビーフォート(Beefort:ルクセンブルク語、Beaufort:仏語、Befort:独語)へ向かう。ドイツやフランスは平地や丘陵地がほとんどだったのに、ルクセンブルクに入ると急に山がちになる。小さな大公国が独立を守ることができたのは、山がちな地形が大きかったのだろう。道沿いにある小さな休憩所からはたいていトレッキング道が延びており、その人気がうかがわれる。
ようやく牧場の広がる平地に出たと思ったら、ビーフォートだ。
ビーフォートに来たのは良さそうなユースホステルがあったから。物価の高いルクセンブルクの宿は最低でも2人で1万円するが、ユースホステルなら7000円台で泊まれる。できたばかりのきれいなユースホステルでも古いユースホステルでも同じような値段なので、リストを見て一番きれいで口コミ評価の高いビーフォートユースホステルを選んだのだ。期待通りにきれいな宿で満足。
夕食は町一番のルクセンブルク料理を出すというお勧めレストランへ。ルクセンブルク料理には印の着いたメニューを持ってきてくれたが、種類が多く選べない。ウエイターにルクセンブルク料理の一番のお勧めと聞いて、それを注文した。ジャガイモ団子とベーコンのクリームソース掛け。
こちらもウエイターお勧めのルクセンブルク料理で、鶏のホワイトシチュー。盛り付けにも凝ったおしゃれな店だ。
車でレストランに出かけたのでビール一杯ずつしか飲めず、帰りに酒でも買って帰ろうと思ったが、思ったよりも遅くなっていて店が開いていなかった。誕生日なのに飲み足りないと感じたが、昨日も飲んだので良しとする。