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2022 欧州 北極圏から地中海まで
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ノルウェー,オランダ,ドイツ,フランス,ルクセンブルク,ベルギー,スペインの旅
20日目 アントワープ-ホーフストラテン-バールレナッサウ/バールレヘルトフ-ロッテルダム空港-バスティア空港-アレリア
朝はホテルでゆっくりし、荷物整理などする。今日はレンタカーを返却し、コルシカ島へ飛ぶのだ。
出発は10時半。ベルギー最後の街ホーフストラテン(Hoogstraten)は完全に素通りのつもりだったが、聖カタリーナ教会(Sint-Katharinakerk)の塔が、巨大で見事だったので、思わず車を停めた。元は16世紀に建てられた高さ104メートルの塔だったが、第2次世界大戦の時に破壊されてしまった。現在の塔は、1958年に再建された高さ105メートルの塔である。
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塔を過ぎて細い道に入ると、すぐに国境があり、オランダとなる。ここはオランダが細長く5キロほど突き出た場所で、道の両側はどちらもベルギーが見える距離だ。
さらに進んで到着した町が、バールレナッサウ。ここはベルギーの飛び地と入り組んだ市街地を持つことで知られている。12世紀末に貴族の争いが原因で複雑な教会を持つ領地となったのだが、それ以来国が分かれたり、また同じ国になったりとしているのに、今だに入り組んだ状態が解消されず、それが国境になっているのだからすごい。ちなみにオランダ領がバールレナッサウで、ベルギー領がバールレヘルトフという名の街となっている。建物が国境をまたいでいる部分も多く、メインの入り口の所属する国にその建物は所属し、その国の法律が適用されるのだという。この知識を事前に知ってここにやって来て最初の国境にあった建物のメイン入口は、完全に国境が中心になるように作られている。そして入り口に両行の旗…、これはどっち?
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両国の自治体は別なので、道路管理等はそれぞれがしていると思われるが、国境は建物さえ無視しているのだから、道路も無視である。国境線は道を斜めに切ったりしている。
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駐車場にも国境が走っている。せっかくなので両国にまたがって車を停めてみた。
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道路上で国境線が直角に曲がったりしており、まったく不思議な国境線だ。意味をなしていない気がする。
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オランダに囲まれたベルギーの中にオランダが囲まれた2重飛び地などもあり、不思議な事極まりない。とはいえ、もし至るところに国境線がなければ、何の変哲もない田舎町であり、ここに来ることもなかっただろう。観光で成り立つ街という面もあり、国境線の単純化には住民が反対しているというのも当然のことかもしれない。
ベルギーではまだレストランに入っていないので、妻がどうしてもベルギーのレストランが良いという。しかし、開いているレストランはオランダ側ばかり。仕方ないのでベルギー側で開いていたカフェで昼食にする。
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ビターバレン(Bitterballen)は、丸いコロッケで、非常にクリーミーだった。
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店の客全員がポテトフライを食べていたので真似てみる。人気メニューだけあってうまい。
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13時半にバールレナッサウを出発し、そのままロッテルダムへ。ロッテルダムはアントワープをしのぐ欧州最大の港湾都市であり、人口規模ではアムステルダムに次いでオランダ第2の都市だ。一応立ち寄る場所も考えていたが、思ったりよりも時間が無くなったので、そのまま空港へ。15時到着。
ロッテルダム空港にはレンタカー会社のオフィスはなく、車を駐車場に止めて、キーは無人ボックスに投入するだけ。楽な返却システムではあるが、後からいちゃもんをつけられたりすると嫌だ。不安が残るが仕方なし。1週間で約1500キロの走行で、無事に終了した。
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地中海に浮かぶフランス領のコルシカ島へ飛ぶために乗るのは、トランサヴィア航空(Transavia Airlines)という格安航空会社だ。また狭い飛行機かなと思っていたが、機体はKLMで、まともだった。ウェブサイトも非常に使いやすく、使いやすい格安航空会社といえるだろう。搭乗してから手続き上の問題とかで、離陸までに30分くらいかかったが。まあそれは仕方なし。
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コルシカ島のバスティア(Bastia)国際空港に着いたのは19時半。飛行機が遅れた時のことを考え初日は車中泊と計画していたが、予定を変えて最終日まですべて宿を予約している。すぐにレンタカーを借りて、20時に出発だ。近くのスーパーは遅い店でも21時まで、レストランも22時に閉まるところがほとんどなので、遅れることを心配していたのだ。無事にスーパーで買い出しを済ませ、ホテルを予約しているアレリア(Aléria)に向け出発する。
21時頃、ホテルに到着。
本日の夕食はコルシカ名物のシャキトリ(シャルキュトリー、Charcuterie)で4種類の生ハムだ。そしてコルシカ産のチーズに、南フランス産のオリーブ、コルシカ産のワイン。生ハムとワインがとてもおいしく、毎日でも食べたいと思う味でだった。