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2022 欧州 北極圏から地中海まで
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ノルウェー,オランダ,ドイツ,フランス,ルクセンブルク,ベルギー,スペインの旅
27日目 パルマ-バレンシア-アスペ-サンペドロデルピナタール
夜中の3時から起きて出発準備を始める。今日はライアン航空でバレンシアに飛ぶ。ライアン航空はこれまでに乗っていたLCCと違って有料の機内持ち込み荷物を購入すると持ち込めるのはそれ一つのみ。他社ならデイバックサイズは別に持ち込めていたのに制限がきついのだ。したがってパッキングの仕方がいつもと違い時間がかかってしまう。
軽く朝食をとり、4時過ぎに宿を出る。4時半、始発のバスに乗って空港へ向かった。
空港到着は5時。定刻6時10分の飛行機なので国内線といえど時間に余裕はない。スマホにアプリを入れてチェックインは済ませていたが、実は不安が残っている。モバイルアプリに表示されるボーディングパスはヨーロッパ国籍の乗客に限り有効とウェブサイトにはあるのだ。他の国籍の乗客は事前にプリントアウトが必要であるとある。とはいえ、モバイルアプリを使えばボーディングパスは不要というアプリ宣伝メールが直前に届いていたし、実際にアプリでチェックインするとボーディングパスが表示され、その注意書きには国籍制限など書いていない。日曜日に印刷できる店を探すのが面倒だったこともあり、アプリのボーディングパスしか用意しなかった。国内線なので、空港ではカウンターに立ち寄らず、手荷物検査場へ進む。その入口ではアプリのボーディングパスで中に入れた。そして搭乗口でもモバイルのボーディングパスだけで、用意していたパスポートの中を見せることもなく、無事に搭乗できた。飛行機は定刻よりも早く、6時過ぎには離陸する。
夜明け前のフライトでサービスもないので、うつらうつらしていたら、あっという間にバレンシア到着。定刻よりも早い7時前の到着である。返す時間も考えて9時にレンタカーを予約している。空港近くのカフェで朝食をとろうと調べてあったが、妻が眠いので仮眠をとりたいという。昨夜は窓の下のレストランが深夜までうるさく、2時間しか寝ていないそう。仕方ないので空港のベンチで仮眠をとる。
9時に妻を起こし、レンタカーのカウンターへ。前に一組の客がいただけだが、さんざん質問を繰り返しており、かなり待たされる羽目になる。おかげで出発は9時40分となった。
空港からすぐに高速道路に入り、南に向かう。バレンシアの街を抜ければ、オリーブ畑などスペインらしいのんびりした景色が広がっている。
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途中、モシェントの街で少し休憩して、12時半にアスペ(Aspe)に到着した。旧市街の中心を通って、まずはお目当てのレストランに向かう。レストランはオープンしていたが、まだ朝のカフェタイムで、食事は13時半以降だという。店で待っても良かったが、旧市街が面白そうなので、歩くことにする。妻はまだ眠いらしく、仮眠をとるというので車で留守番だ。
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オリウエラの十字架は、アスペ旧市街の出口、バレンシア州南部で最も重要な2つの町であるアリカンテとオリウエラに通じる道路起点に建っている。18世紀前半に建てられたこの十字架はアスペがキリスト教徒の町であることを示すために建てられたもの。15世紀末にレコンキスタが完了し、スペインはキリスト教徒の国になり、異教徒は追い出されたと思っていたが、その後も長らく異教徒が多く残っていたということのようだ。
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趣のある路地を進んでいくと教会の塔が見えてきた。ヌエストラセニョーラデルソコロ大聖堂で17世紀に建造されたものだ。
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大聖堂の前はマヨール広場で、その一角には大聖堂と同様17世紀に建てられた市庁舎もある。大きな木がたくさんあり、木陰は気持ちよさげなカフェになっているが、木が邪魔で大聖堂の写真は非常に撮り辛かった。
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市場にも立ち寄るが、時間的なものか閑散としている。
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街の見どころは思ったよりも多く、最後は急ぎ足での見学となってしまった。
1時半にレストランに戻り、昼のコースを注文する。前菜に選んだのは骨付きチキンのパエリャ。赤ピーマンが入っているのが、アリカンテ地方の特長だそう。本場のパエリャはやはり美味い。
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私のメインはカレイの炭火焼き。シンプルな味付けで魚の旨みが引き立っていた。
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妻は白身魚と貝でこちらも上品な味付けだった。
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デザートも別々に頼んだが、写真のナティーヤスデラアブエラ(Natillas de la abuela)が美味しかった。直訳すると祖母のカスタードという名で、カスタードの上にビスケットがのっている。名前からして創作料理かと思ったら、検索するとたくさん出てくるレシピで、この名で定着した定番デザートらしい。
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ビールや最後のコーヒーまでついて、一人12ユーロ≒1700円は驚きの安さだ。今回の旅で一番のコストパフォーマンスだと思われる。
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ゆっくり食事していたらあっという間に2時間経過。スペインの昼休みが長いといわれるわけだ。
出発は15時半。当初は州都のムルシアを観光してから、宿を予約しているサンペドロデルピナタール(San Pedro del Pinatar)に向かう計画だったが、時間が遅くなったので直行することにする。
少し道を間違えたりしたが、17時前にサンペドロデルピナタールに到着した。サンペドロデルピナタールはムルシア州東部のビーチリゾートで、バレンシア州に接している。ここでとれる塩はローマ時代から知られていたほどの歴史ある街でもある。
遅くなったのでそのまま観光をする。駐車場のすぐ近くに白い風車があり、そこから海と塩田を隔てる散歩道が延びている。
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道の右側には砂浜の広がる海岸があり、左側はミネラル分いっぱいの塩水湖があり、その向こうには塩田が続く。
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湖底の泥は古代から医療と美容の効果があることで知られており、泥風呂として活用されてきた。看板には関節炎やリューマチに特に効果があると記してある。
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水着を持ってきていないので体中に塗る訳にはいかなかったが、少しすくって顔に塗ってみた。細かい泥でヌルっとしており、結構気持ち良い。
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塩田には柵があって近くまで行くことはかなわず。
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30分ほど楽しんだ後、遠回りしビーチを見ながらホテルに向かう。
18時前にホテルチェックイン。昼食が遅かった上に量もあったので、夕食はすぐには入らない。食べるならスペインタイムの22時頃だろうが、今朝は3時起きだったこともあり、そんなに起きていられそうもない。結局夕食はパスし、早くから寝た。